最近 ( 1 年ほど前 ) ” 瑛人 ” と言う歌手が自主製作で 「 香水 」 と言う歌をヒットさせ、2020 年の紅白歌合戦に出場しました。 その歌詞に 「 ドルチェ&ガッバーナ 」 と言う香水のブランド名が出て来ます。 NHK では 広告放送 を禁じています。 ですからこの歌詞がどうなるのか少し興味がありました。
思い起こせば、山口百恵 が 「 プレイバック Part Ⅱ 」 を歌う際に 「 真っ赤なポルシェ 」 と言う歌詞があったため NHK では NG で 「 真っ赤なクルマ 」 と歌詞を変えて歌っていました ( 紅白歌合戦では解禁されて 「 真っ赤なポルシェ 」 と歌っている )。
作家の拘りを否定する NHK には、ほとほと呆れます。 あそこは真っ赤なクルマではなく、真っ赤なポルシェでなければいけないところです。 真っ赤でも軽自動車では駄目なんです。 勿論作詞家の阿木燿子さんの了解は取ったでしょう。
今回の 「 ドルチェ&ガッバーナ 」 を否定すると、歌そのものを否定する事になる、重要なワードです。 「 ドルチェ&ガッバーナ 」 を OK にしたのは ・・・ 時代が変わって NHK も少しはマシになったと言う事でしょうか ?。
いいえ、NHK 側が 「 あくまでも作品の一部であり、広告・宣伝目的にはあたらない 」 などと、その時々の都合のいい勝手な解釈で押し切っているだけです。 実際はこの歌のヒットの相乗効果で 「 ドルチェ&ガッバーナ 」 は売り上げを伸ばしているのにです。
従って従来通りの倫理で判定するならば、「 この曲の歌詞に含まれている商品名は特定の企業の利益に寄与する可能性があるので認められない 」 とするべきです。 都合のいい様に解釈を変えるのはどこかの国の憲法解釈と同じです。
元々、特定の商品名を歌詞に織り込むのはコマーシャルソングでない限り、広告・宣伝目的ではありません。 その歌の雰囲気や人物などのイメージとして相応しい物を意識的に使用する訳で広告・宣伝目的などと陳腐な考えなどないのです。 NHK はこんな簡単な事 ( 芸術 ) が理解出来ない様です。
じゃあ 「 真っ赤なポルシェ 」 も作品の一部で、広告・宣伝目的ではない ( 当然そうですが ) と主張したら どうなったのか ⁈ と突っ込みたくなります。 この歌のお蔭で 「 真っ赤なポルシェ 」 が売れたと言う話は聞いた事がない (笑)。 NHK 倫理委員会のご都合主義は馬鹿げています。
GS 時代に遡れば ブルーコメッツ は OK だったのですが、タイガース は長髪のため出場出来ませんでした。 容姿で判断され楽曲の良し悪しや人気は考慮されませんでした。 お堅い NHK と言うか、民衆と呼応しない、独り相撲的体質は今も続いていると言っていいでしょう。 紅白歌合戦のオリジナル曲のクオリティーを削ぐような過剰な演出や、独りよがりのアレンジは到底受け入れられません。
話は変わりますが、その昔 「 ロッテ歌のアルバム 」 と言う番組がありました。 タイガース はその番組でも出る事が出来ませんでした。 これは競合他社の CM ( 明治チョコレート ) をやっていたからです。 若い時はそんな大人の事情は知りませんからね、不思議だったんです (笑)。
【 余談 】 中森明菜の 「 少女 A 」 は 犯罪の匂い がすると言う理由で NHK では放送禁止。 「 ザ・ベストテン 」、「 夜のヒットスタジオ 」 では放送されました。 裏話として 「 少女 A 」 のヒットにあやかって 五月みどり が 「 熟女 B 」 をリリースした事をご存じでしょうか ? 結果はご想像の通りです(笑)。