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探偵はBARにいる・鉄道員(ぽっぽや)

2021-10-28 17:41:00 | 読書
 最近は乱読状態で一回に 3 冊買い込んで三日後にはもうブックオフに居ると言う生活をしております。 勿論、110 円コーナーですが。

 

 「 探偵は BAR にいる 」 はテレビ朝日の日曜劇場で観た事があるので、今更と思いながら買ってみたらなんと ・・・ 映画の原作は 「 探偵はバーにいる 」 ではなく 「 バーにかかってきた電話 」 という、シリーズ 2 作目の映画化だったのです。 「 探偵はBARにいる 」 は映画で 「 探偵はバーにいる 」 は小説だったと言う事です。 結果ダブらずに良かったと言うのか騙されたと言うのか微妙ではあります。 BARバーの違いでした (笑)。

 110 円コーナーの文庫本は単行本が出版されてから 7~10 年経っています。 今頃そんな本を読んいるの ? と笑われそうですが、諸事情 ( ゲルピン ) により仕方がありません。

 お勧めの本があります。 第 117 回直木賞 ( 1997 年 ) を受賞した浅田次郎の 「 鉄道員(ぽっぽや) 」 です。 20 数年以上も前の作品ですから、今更とお思いでしょうが、110 円文庫本愛読者であり、読書と言う選択肢がなかった人生に 70 才にして突如として読書に目覚めてしまったのだから、読書愛好家の最後尾を周回遅れ ( 数周回遅れ? ) で走っている様なものです。

 この本を手に取る前は、長編小説だと思っていました。 8 編の作品が収められている短編集 ( いずれも秀作 ) だったのです。 表題の 「 鉄道員 ( ぽっぽや ) 」 はたったの 38 ページです。 30 分もかかりません。 私は映画は見ていませんが主演を高倉健さんが演じているのは知っていたので、イメージを被せて読みました。 見事なキャスティングです。 二回読みました。 二回目も泣きました (笑)。 

 正しく " 奇跡の一巻 " ( 本書のあとがきより ) と言えます。 読書愛好家は既読 ( 140 万部を売り上げるベストセラー ) でしょうから、読書の取っ掛かりとして老後で暇を持て余している読書初心者にお勧めです。 「 ラブ・レター 」 「 角筈にて 」 いずれもティッシュペーパーを傍に置いて読んだ方がいいでしょう (笑)。

 

 最後に直木賞の選者の一人である、井上ひさしさんの一番辛口だと思われる書評を紹介しておきます。 「 粒選りの中でも、さらに高い質を誇っていた。 」 「 八つの短編が収められているが、うち四つは大傑作であり、のこる四つは大愚作である。 大傑作群に共通しているのは、「 死者が顕われて生者に語りかける 」 という趣向で、この趣向で書くときの作者の力量は空恐ろしいほどだ。 たとえば 「 角筈にて 」 を読まれよ。 この一編で、大愚作群の欠損は充分に埋められたと信じる。 」 と ・・・。


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