基本的に、逆に言うと、取りあえず .....
これが 「 テレビ業界三大用語 」 と言われているものです。
いずれも、便利な言葉ですよね。
番組編成会議とか撮影現場などでは良く聞かれます。
プロデューサーが、スポンサーや俳優さん、演出 ( ディレクター )、カメラ・音声・照明などの
チーフに対して多用しているのをよく耳にします。
基本的に ..... 面倒くさい論議はしたくない時に 揺るがない ( 当たり前の ) 正論で逃げる。
逆に言うと ..... スポンサー等に対して 「 それは間違っている 」 と直接的な否定を避け、
逆も真なり的な言い訳で、けむに巻き 設定の変更等をしたくないアピールである。
取りあえず ..... 金や時間のかかる事や面倒くさい変更をしたくないので
「 一応この設定で進めさせていただきます ..... 特に問題ないですよね 」 と押し切る時に使う。
どの言葉にも、スポンサーの言いなりになっては金がかかる、
ディレクターの言いなりになっていたら時間を食ってしょうがない、
スタッフの要望なんて聞いてられるか、
役者のわがままも許さない ..... 。
私が仕切っているのだから、最初に決めた ( 時間・予算 ) 通りに変更なしで ” ちゃちゃっと ” 終わらせましょ、
の魂胆が丸見えである ( だって今晩は女子アナとデートなんだから ) 。
テレビドラマの現場は、撮影、照明、音声、美術、結髪、メイク ..... 等には、外注先の技術スタッフが殆どで、
所謂テレビ局の社員はプロデューサーとディレクター、#1アシスタント ( 映画界では助監督とか制作進行と言う ) だけ、
或いは映像制作会社に丸投げで、プロデューサーだけが社員だったりです。
社員が番組を制作しないの ? と言う疑問が生まれると思いますが、
昔は政界や財界の子息で縁故採用者 ( コネ採用 ) が多く、所謂 銀のスプーンをくわえて誕生した赤子達であり、
モノづくりの才能や興味なんて一縷もなく、番組制作の能力なんて無関係で採用された社員が多いからです。
それらの社員が現在、要職にあると言われています。
それでも世論を気にして、私の時代 ( 1970年頃 ) は局長クラスの紹介でないと縁故採用は難しいと言われていました。
勿論、多くの高学歴で才能ある社員も、或いは専門技術を学んだ
日大芸術部 OB も石を投げれば必ず当たるくらい大勢いる訳ですが、
どちらかと言えば裏方の ( 主調整室・マスター室 ) 技術者の方が多いかも知れません。
番組の質 ( 評価 ) より視聴率が高ければ OK の世界ですから、
企画や演出を希望する人材が才能を発揮できる場がありません。
じっくりと腰を据えて内容の濃い番組を作りたいと思っている社員も多いと思いますが、
なにせ ” ちゃちゃっと ” 終わらせましょの精神ですからね ..... 。
テレビマンが映画屋に軽く見られるのは昔からです。
映画はお金を払って観てもらうのですから、根本的に作品に対する熱量が違います。
これらは一般社会でも、どの業態も普通に使われている言葉で、特にテレビ業界に限った事ではないかも知れません。