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教皇の晩餐会-②
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ご心配なく! 今日は頭を使わなくてもいいブログですよ。
今年も素敵な招待状が舞い込んだ。
2012年2月15日、教皇ベネディクト16世教皇が、ローマにある神学校の養成者と神学生を晩餐会に招かれるのだ。
日本のためのレデンプトーリスマーテル神学院(もと高松にあった神学院)も、その招待の対象になる。
まあ、教皇自身が高松からローマに移されたのだから、当然と言えば当然だが・・・
今年は、青い招待状に加えて、ベージュ色の番号入りのカードが届いた。
これをもらったものは、教皇に個人的に挨拶をして言葉を交わすことが許されるのだ。
プログラムでは、サンジョヴァンニ・ラテラノ教会に隣接するコレジオ・ロマーノのチャペルで夕の祈りがあって、その後、教皇の霊的講話があることになっている。チャペルにはテレビの固定カメラが3台、と移動カメラが2台が配置され、カリオン風の鐘の音楽が鳴り終わって教皇が入堂するのを待ち構えている。
定刻に、割れるような拍手に迎えられて教皇が入堂した。すぐ後ろには、ローマの教皇代理司教であるヴァリーに枢機卿がつき従っていた。
教皇は、まずチャペルの脇祭壇の聖櫃の前に跪いて短い祈りを捧げる。
ヴァりーニ枢機卿と並んで一同に向かって挨拶する教皇。
聖書の朗読を受けて、それについてお話をする教皇。
時々聖書に目を落とす以外は原稿なしに自由に話す。内輪の集まりで、くつろいでいる証拠だ。
さすがは前教皇ヨハネパウロ2世の懐刀として教理省の長官を務めただけあって、その内容には強い信仰に裏付けられた深い学識がにじみ出ている。
メガネをかけたり外したりするのだが、かけたメガネが傾いてずれていても全く意に介する気配はない。
稀に言葉が途切れるが、それは、頭の中に浮かぶドイツ語の術語をどうイタリア語に置き換えようかと一瞬思案しているように思えた。
話を終えて、万雷の拍手に手を上げてこたえる教皇。食堂に向かう前に、一部の参会者と言葉を交わすために別室に退く。
短い時間ではあったが、大事な要件は十分話せた。何を話したかって?それは、なぁ・・いぃ・・しょ!
個人的挨拶を終えて、神学生たちの待つ食堂に姿を現した教皇。
教皇のメインテーブルに隣接する養成者のテーブルには席を指定した名札が。私の名前は「タニグッキ」となっていた。
前菜は省略した簡素なメニュー。 プリモピアットのパスタはうんと少なめに頼んだ。ほっておくとこの倍も三倍もよそわれてしまう。
セコンドピアットは薄切りのビーフと、きのこと、マシュポテトに、おいしいソースをかけたものだった。
私の正面の平山司教様に神学生がそれを給仕している。
赤ワインは、まろやかな深い味の、間違いなく高級品とひとなめでわかった。
デザートは洋ナシのタルトとチョコレートソースをかけたミニシュークリーム。
量が多くて甘すぎるのが難点だ。
食後にシャンパンが振舞われた。乾杯をして一気に飲み干す教皇。
昨年は、給仕頭から、食事を口に運んでいる教皇の姿は写真に撮らぬようにと、あらかじめ注意があった。
しかしそんなことみんなとっくに忘れている。
それに、シャンパンは飲み物だし・・・。
食後、挨拶に出て来た料理長を温かくねぎらう教皇。
満腹して満足して会場を後にたし。神学校に戻る車の窓から一瞬見えた深夜のコルソ通りのイルミネーション。
発光ダイオードでイタリアの三色旗の長い帯をかたどっている。
右の写真は、V.エマヌエーレ2世通りの本屋さん。世俗的な本はたいてい何でもそろっている。楽器も置いている。
来年の今頃、私はまだローマに居るだろうか、と、ふと思った。
これ、能の合間の狂言みたいなものでしょう?
(おわり)
すごくいいお顔されてて・・
なんだかいい写真だなと思い コメント書かせてもらいました。