:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★  世界史の奇跡?=ユダヤ教とキリスト教の和解(そのー4)

2015-06-09 17:24:48 | ★ シンフォニー《イスラエル=ガリレア》

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世界史の奇跡?=ユダヤ教とキリスト教の和解(そのー4)

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キコがデザインしたドームスガリレアは モダンな造形に満ちている

この球面のガラス窓の向こうは図書館になっている

図書館の中は広い四角い吹き抜けなのだが さらに その吹き抜けの下の壁寄りに お椀を伏せたような半球形のガラスの空間があって

その一部が壁に食い込んで外にはみ出す形になっているのが

上の写真の黒い球面のガラス窓だった

 

そして その半球形のガラスの部屋の中心に 何やら四角い台が見える

 

その台の上に厳かに安置されているのが 羊皮紙の巻き物 旧約聖書のモーゼ五書を記した 

トラーと呼ばれるユダヤ教の経典だった

しかも ただの巻き物ではない

600年前(もっと前だったかな?)に黒海のほとりで発見された稀少なヴィンテージもので

ユダヤ人が喉から手が出るほど欲しがる逸品なのだ

このドームスガリレアが 年間10万人とも言われるユダヤ人の訪問者を惹きつける要因の一つにもなっている

 

この会議の間 何度か話すうち ソウルの枢機卿様とすっかり親しくなった もちろん来年の東京のシンフォニーに御招待申し上げた

 

午後の部では 2-3名の著名なラビたちの話の後

ラビ・ユージーン・コーン博士の「キリスト教を再考する」と題する講義があった

 

コーン博士はあくまでもユダヤ教の立場から 2000年のキリスト教との歴史を再検討した

 

その中で この半世紀の間のカトリックの教皇たちの行動がまず取り上げられた

 

 

聖教皇ヨハネパウロ2世が歴史上はじめて バチカンから2キロと離れていないローマのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)に最高位のラビを訪問したこと

 

引退前の教皇ベネディクト16世(まだ存命中)は ドイツ人教皇として初めてアウシュヴィッツを訪問

 

そして スクリーンへの20枚ほどのプロジェクションを駆使して 講演の要旨を紹介した

神の太祖アブラハムとの契約:

天と地の神の証人となること 人類に神からの道徳を教えること 世界の民々に祝福をもたらすこと

 

(神の)契約のパートナーたち:

世界は 人類の歴史にかかわりを持つ愛である神の被造物であり 神は命を超越する権威者である

 

(神の)契約のパートナーたち:

すべての人は神の似姿として創造され 神聖さと尊厳とを内に秘めている

宇宙の神は 人間の命を愛し 死を忌み嫌う

 

我らの契約の希望:

主の教えはシオンから 神のみ言葉はエルサレムから出る…

人々は剣を打ち直して鋤とし 槍を打ち直して鎌とする。

国は国に向かって剣を上げず もはや戦うことを学ばない。

人はそれぞれ自分のブドウの木の下 いちじくの木の下に座り 脅かすものは何もないと…

どの民もおのおの 自分の神の名によって歩む。 我々はとこしえに 我らの神、主のみ名によって歩む。

(旧約聖書 ミカ書4章2節-5節)

 

長い講演のなか 歴史の中の恨み つらみ 非難 憎しみの欠けらもなかった。

赦しと兄弟愛の 穏やかな 前向きなトーンで終始した。

そして、この日はたまたま ユダヤ教のラビ・アキバ予言者・殉教者の祭りの日 「ラクバ・ホメール」の日だった。

夕食後 ドームス・ガリラヤの入り口前の広場の焚き木に あかあかと火が入れられた。

 

そして ユダヤ教の偉いラビたちと カトリックの枢機卿たちと司教たち 男も女も 参加者全員が

焚火を囲んで ユダヤ教の哀愁に満ちたメロディーに乗って ダンスを踊った 

 

そのダンスを 焚火の火に黄金色に映える聖教皇ヨハネパウロ2世の像が 風にマントをなびかせ 

右手を上げて祝福していた。

2000年の恩讐を超えて 兄弟として肩を抱き合い踊るユダヤ人とキリスト教徒を!

 

ユダヤ人のラビたちの妻も カトリックの宣教女性たちも分け隔てなく・・・。

 

 大きく輪を描いて踊る 旧約のイスラエルの民と新約のイスラエルの民 同じ太祖アブラハムの子供たち

兄のユダヤ人と 弟のキリスト教徒たち

キコの曲に合わせて 夜の更けるのも忘れて その歌声は 炎と共に ガリレアの満天の星空に昇っていった。

 

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私は上智の学生だったころ 霊的指導者のホイヴェルス神父様に 世の終わりの前にどんな印がありますか? と訊ねたことがあった。

師はこたえた。

ユダヤ教徒が 民族として キリストがメシアであったと認める時だ!と。 私はそれを生涯忘れない。

この集いの中で ある著名なラビは言った。 

私たちの待望のメシアは ユダヤ教徒とキリスト教徒が一緒になって踊る日にやってくる と。

この二つ どこか同じことを言っているようには聞こえないか?

キコは招待状の中で集いのプログラムについて一切触れていなかった。

だから この火を囲む踊りは 参加者にとって全くのサプライズだったのだ・・・

 (つづく)

 

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