キマグレ競馬・備忘録

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本 「経済は感情で動く―― はじめての行動経済学」

2009年05月15日 | Book
「経済は感情で動く―はじめての行動経済学」を読みました。
この本には、経済感覚を探る質問がいくつも用意され、それを読者自身が試すようになっています。回答は、著者の予測通りの行動を選ぶことが多く、結果について論理的に説明されます。読んでみて、自分の回答が行動経済学のルールに嵌っているのは少々残念な気分になります。それぞれ正解の行動には理論(法則)があり、名前が付いていることは驚きでした。こういう些細な経済行動を研究している人達がいるのです。
小学生の頃、天文学者ケプラーの伝記を読んで、「ケプラーの法則」に感動したことがあります。自分の人生で初めて知った「法則」なので、今でも忘れられないのですが、その法則が実生活に影響したかと言われるとあまり関係ないようです。この本にある行動経済学の法則のほうがよほど役に立ちそうです。
本にあった事例:
■三つあると真ん中を選ぶ
寿司屋のランチメニューで「特上・上・並」とあれば、「上」の注文がいちばん多い。一般に、三つの選択肢では真ん中が好まれる。売る立場でいうと、4000円と5000円の類似商品があって、値段の高いほうを「売りたい」と思えば、6000円という選択肢を追加すればよい。
■自分のものになると値が上がる
通販での試供品の提供「使ってダメなら一週間以内に返品して下さい。お値段は無料です」。通販業者はめったに返品されないことを知っている。―買ってもいないのに、手元に来ただけで「保有効果」がはたらきます。
■進むも地獄、退くも地獄の…
巨額の先行投資をしている。さらに追加の投資が必要。しかし、先行きの展望は「暗い」。これは、「コンコルドの誤謬」と呼ばれるもので、展望がないなら、いま、手を引くべきなのです。
■ダメな会議の典型とは…
会議の結論がなかなか出ない。話がグルグル回っている気がする。これは最初の発言者の発言にひっぱられ、新しい話題が出てこなくなっているのです。これを、「アンカリング効果」といいます。
■交渉は最後の一言で決まる
交渉事でメインの話が終わったら、安心したりしていませんか。締めの一言が、契約にこぎつけるには重要です。人の記憶はメインのことと、最後の一言で印象の良し悪しが決まります。これを「ピーク・エンドの法則」といいます(同様に、恋人とのデートは、別れ際の一言、ないしはキスが最重要です)。

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