自衛隊の次期戦闘機FXの売り込みが本格化してきたようです。
この2日間で2つの記事が配信されています。
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・発展型FA18を公開=FX選定へ懸命の売り込み―米ボーイング(時事通信) 6月30日(木)
米航空機・防衛大手ボーイングは29日、ミズーリ州セントルイスにある本社施設で、国際共同開発を念頭に置いた発展型FA18スーパーホーネットの試作機を日本の報道陣に初めて公開した。 発展型はFA18に改良を加えたもので、ミサイルを格納ケースに納めて機体の下に設置するなどしてステルス性を高めた。さらに、ミサイルに対する警戒能力やエンジン性能を向上させ、航続距離も伸ばした。(一部略)
・F35、最終組み立て日本委託も=次期主力戦闘機選定―米ロッキード社(時事通信) 6月29日(水)
日本の次期主力戦闘機(FX)の候補になっている次世代ステルス戦闘機F35の開発主契約社、米ロッキード・マーチン社のジョン・ボルダーストン日本担当部長は27日、F35がFXに選定された場合、F35生産の最終組み立てを日本企業に委託する方針を時事通信の取材に明らかにした。FXの機種は年内に決定される。(後略)
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現在の候補機としてFA18, F35, タイフーンの3機種に絞り込まれているようですが、候補機の中で性能的に不利なFA18と導入時期的に不利なF35が、新たな提案を行っているようです。
これまでのFX選定では、アメリカ側は自国の戦闘機に絶対的な自信を持ち、「殿様商売」的な提案を行ってきましたが、今回のFXでここに来て急に態度が変わり始めているのは、もしかすると自衛隊が欧州機タイフーンの導入に傾きつつあるのでないかと裏読みしたくなります。タイフーンは自衛隊の運用に最もマッチしていて、素人目でも候補機の中では一番魅力的な機体です。欧州BAEシステムズも積極的な売り込みを行っており、もしこれが欧州機でなければ、現在のような選定の迷走は起こらなかったかもしれません。いずれにしても、そろそろ新戦闘機の決定時期が近づいており、今後の動向に注目したいと思います。