松下幸之助の伝記。彼は不遇の幼少時代を過ごし、貧困からの脱出を目指した人生だった。
苦労しながらも努力とアイデアでチャンスを掴み、ナショナルブランドで成功する。
本田宗一郎と並ぶベンチャー企業だったが、自由闊達なホンダと違って会社の雰囲気
は家族的であり、彼は「家長」として君臨していた。
この本では、幸之助の生涯を人間関係を中心に描いている。
読んでみて、彼の会社にはビジネスとプライベートの区分けが無く、人間関係は
ドロドロとした印象を受けた。もし松下が社長だったら自分はこの会社では
勤まらないと思う。松下幸之助は自分に厳しい人だったが、他人にはもっと
厳しかったようだ。当時は社長として権力を誇示することは普通の事だったけれど、
もし現代だったらパワハラと言われることも多かったかも。
高度成長期の時代の会社がどういうものだったかを知るには、良い本だと思う。