著者は日本の近代史研究家。日本の戦中戦後史に関する評論をまとめたもの。
著者のベストセラー「敗北を抱きしめて」は、以前読んだことがある。
著者のベストセラー「敗北を抱きしめて」は、以前読んだことがある。
戦後の占領期の日本の社会風俗をテーマとした本だだったが、とても面白かった。
この評論は、戦中戦後の日本についてのもので、「敗北を抱きしめて」の時代
を補足するような内容になっている。戦後の日本人は何を記憶し、何を忘れて
いるのか(忘れようとしているのか)をテーマとして取り上げる。
日本が中国大陸で行った侵略行為は忘れたい記憶となり、原爆の記憶はそれに
上書きされた忘れられない記憶となっている。日本人の行動が戦前戦後で
間逆に変わってしまったのは何故か。当時の様々なテーマ-文化の違い、
戦争の記憶、原爆、政治制度、風俗等を取り上げて考察を行っている。
正直、自分にはこの評論集を考察できるような知識も無いし、歴史は書き手の
正直、自分にはこの評論集を考察できるような知識も無いし、歴史は書き手の
立場によって肯定したり否定されたりするものなので、内容についての評価は
できないが、著者がこの戦争や風俗をどのように見ているか、歴史の見方には
いろいろな視点があることを学べたことが収穫だった。
明治~昭和を生き、戦争で全財産を失った自分の祖母の時代がどのような状況
明治~昭和を生き、戦争で全財産を失った自分の祖母の時代がどのような状況
であったのか、戦中戦後の厳しい時代を生きた人達と日本を取り巻く空気が
感じられ、とても興味深く読むことができた。