今週、プロ野球の試合でこんな話題がありました。
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【巨人】増田大輝がマウンドへ…プロ野球の主な野手登板
◆JERAセ・リーグ 阪神11―0巨人(6日・甲子園) 巨人・原監督が内野手の
増田大を登板させた。5番手・堀岡が阪神打線に打ち込まれて0―11となった
8回1死に起用した。連戦続きのタフな今季を乗り切るために、残りの救援投手を
温存する「最善策」。巨人が野手を登板させるのは1950年の2リーグ分立後、
初めて。増田大は2/3回を無安打で“敗戦処理”した。打線は阪神・高橋に
7回11三振を喫するなど今季2度目の完封負け。甲子園でのこの3連戦は
2勝1敗で、7日からは中日との3連戦(ナゴヤD)に臨む。
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今回の野手登板は、原監督の秘策でしたが賛否両論あるようです。
大差負け試合の敗戦処理に野手を登板させることは、MLBではよくあることです。
日本より少ないメンバーで、長いシーズンを戦うMLBでは合理的な作戦ですが、
日本では「相手に失礼」とか「相手を舐めている」という感情が起きるらしく、
ほとんど行われていませんでした。実際、今回の秘策に、MLB経験者達は
「当然、それもあり」というコメントが多けれど、OB達は「巨人という伝統あるチーム
にとって、野手の登板は恥しい行為」と考えているようです。
見方は色々ですが、どちらの言い分にも一理あります。OB達がコメントする通り
巨人には伝統があり、プライドを持って欲しいという気持ちも判ります。
負け試合でも奇策を講じず、堂々と試合をすることが巨人という伝統を背負った
チームの在り方と考えているのでしょう。
一方で、優勝することが使命の監督にとって、シーズンを乗り切るには、
野手を含めた全ての戦力を有効に使いたいという気持ちがあると思います。
両者の考え方の違いは、OBか現役かに依ります。
OBは何を言っても所詮第三者で責任は無いですが、監督は当事者であって、
全ての責任を負います。責任を負う当事者の考えでやったことなので、
ルールに反しない限り、これは監督のアイデアとして認めるべきだと思います。
今回の采配は、一野球ファンとしては歓迎です。もっと色んな奇策があっても良い。
MLBで、投手出身のイチローや青木が登板した時、ワクワクしながら見た記憶が
あります。彼らがMLBで投手としてどこまで通用するのか見てみたかった。
日本のプロ野球でも、観客目線でのサービスが必要だと思います。
試合の大勢が決したと判断したら、観客を楽しませるためのアイデアがあっても良い。
勝ち目の無い試合を長々と見せられる事ほど退屈なことは無いですから。