八郎太郎誕生之地(はちろうたろうたんじょうのち)。
場所:秋田県鹿角市十和田草木保田。「草木小学校」南側の道路を約200m進み、右折(東南へ)、約350m。駐車場なし。
現・秋田県を中心に、十和田湖、八郎潟、田沢湖の3つの湖にまつわる伝説として「三湖物語」(「三湖伝説」)と呼ばれるものがある。3つの湖の龍神伝説が主であり、まずは十和田湖からなのだが、その前編。
現・鹿角市域は秋田県に属しているが、江戸時代には現・岩手県盛岡市を中心とする南部藩に属していた。当地には「南部ダンブリ長者」の伝説がある。大日神のお告げにより、婿を探す娘がダンブリ(トンボ)の導きで若者と出会い、酒が湧く霊泉を見つけて長者(大金持ち)になるという物語である。そして、その長者の娘・吉祥姫が継体天皇の側女となったことから、長者夫婦の死後、継体天皇の勅許を受けて、現・鹿角市の小豆沢と長牛、現・秋田県大館市比内町の独鈷にそれぞれ大日堂を建立したとされる(継体天皇17年:523年)。また、これら大日堂3社には、神亀2年(725年)に行基が訪れ、自刻の仏像を安置したという。このうち、現・大館市比内町独鈷の「大日堂」は、江戸時代までは神仏混淆の状態であったが、明治時代に入り「神明社」となり、平成元年に「大日神社」に改称した(現在の祭神:大日霊貴命ほか)という。
さて、昔、この比内町独鈷の「大日堂」に了観という僧侶が住んでいたが、戒律を破ったため大蛇の祟りを受け、現・鹿角市十和田草木に移り住むことになり、子孫は九内と名を変えた。九代目の九内は八郎太郎と名乗り、6尺余り(=180cm余)という大男で、力も強かったが親孝行な若者であった。ある日、仲間と3人連れで十和田の山奥に入った。数日後、八郎太郎が炊事当番であったとき、沢で大きなイワナを3匹捕まえた。これを焼いていると、あまりに美味しそうだったので、平等に分け合うという掟を破り、イワナを全部食べてしまった。すると、異常に喉が渇き、沢の水を飲み続けているうち、自分が竜に変身していることに気が付いた。こうして、八郎太郎は仲間に別れを告げ、沢を堰き止めて大きな湖を造ると、その主となった。この湖が「十和田湖」である、というのが、「三湖物語」の始まりとなる。
秋田県神社庁のHPから(大日神社)
写真1:「八郎太郎誕生之地」石碑
写真2:「桂の井戸」(場所:写真1の石碑から南東へ約120m。駐車場なし。)
写真3:「大日神社」参道の石段と社号標。「神明社」の社号標も残っている。(場所:秋田県大館市比内町独鈷字大日堂前8)
写真4:同上、社殿前の神明鳥居
写真5:同上、社殿。付け足しのような本殿もあるが、如何にも仏堂の趣き。
場所:秋田県鹿角市十和田草木保田。「草木小学校」南側の道路を約200m進み、右折(東南へ)、約350m。駐車場なし。
現・秋田県を中心に、十和田湖、八郎潟、田沢湖の3つの湖にまつわる伝説として「三湖物語」(「三湖伝説」)と呼ばれるものがある。3つの湖の龍神伝説が主であり、まずは十和田湖からなのだが、その前編。
現・鹿角市域は秋田県に属しているが、江戸時代には現・岩手県盛岡市を中心とする南部藩に属していた。当地には「南部ダンブリ長者」の伝説がある。大日神のお告げにより、婿を探す娘がダンブリ(トンボ)の導きで若者と出会い、酒が湧く霊泉を見つけて長者(大金持ち)になるという物語である。そして、その長者の娘・吉祥姫が継体天皇の側女となったことから、長者夫婦の死後、継体天皇の勅許を受けて、現・鹿角市の小豆沢と長牛、現・秋田県大館市比内町の独鈷にそれぞれ大日堂を建立したとされる(継体天皇17年:523年)。また、これら大日堂3社には、神亀2年(725年)に行基が訪れ、自刻の仏像を安置したという。このうち、現・大館市比内町独鈷の「大日堂」は、江戸時代までは神仏混淆の状態であったが、明治時代に入り「神明社」となり、平成元年に「大日神社」に改称した(現在の祭神:大日霊貴命ほか)という。
さて、昔、この比内町独鈷の「大日堂」に了観という僧侶が住んでいたが、戒律を破ったため大蛇の祟りを受け、現・鹿角市十和田草木に移り住むことになり、子孫は九内と名を変えた。九代目の九内は八郎太郎と名乗り、6尺余り(=180cm余)という大男で、力も強かったが親孝行な若者であった。ある日、仲間と3人連れで十和田の山奥に入った。数日後、八郎太郎が炊事当番であったとき、沢で大きなイワナを3匹捕まえた。これを焼いていると、あまりに美味しそうだったので、平等に分け合うという掟を破り、イワナを全部食べてしまった。すると、異常に喉が渇き、沢の水を飲み続けているうち、自分が竜に変身していることに気が付いた。こうして、八郎太郎は仲間に別れを告げ、沢を堰き止めて大きな湖を造ると、その主となった。この湖が「十和田湖」である、というのが、「三湖物語」の始まりとなる。
秋田県神社庁のHPから(大日神社)
写真1:「八郎太郎誕生之地」石碑
写真2:「桂の井戸」(場所:写真1の石碑から南東へ約120m。駐車場なし。)
写真3:「大日神社」参道の石段と社号標。「神明社」の社号標も残っている。(場所:秋田県大館市比内町独鈷字大日堂前8)
写真4:同上、社殿前の神明鳥居
写真5:同上、社殿。付け足しのような本殿もあるが、如何にも仏堂の趣き。
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