神が宿るところ

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豊積神社(駿河国式内社・その6)

2010-09-21 22:32:02 | 神社
豊積神社(とよすみじんじゃ※)。祭神:木花開耶姫。
場所:静岡市清水区由比町屋原185。国道1号線「寺尾」交差点から県道396号線(富士由比線)に入り、途中で県道370号線(由比停車場線)でJR「由比」駅方面へ。同駅前を通り過ぎて約1kmで、清水銀行由比支店の横に参道入口がある(写真1)。駐車場なし。
境内の説明板によれば、鎮座地の「町屋原」というのは物々交換の市が立ったところで、天武天皇の時代(在位:673~686年)に五穀の神である「豊玉姫」を祀ったのが当神社の創建にあたる。延暦10年(791年)には、神主の夢想神託により祭神を木花開耶姫に改め、。延暦16年(797年)には坂上田村麻呂が東征の際に当神社に戦勝を祈願し、凱旋の際の宴が現在の「お太鼓祭り」の起源になったという。
問題なのは、祭神が変わった際、もとの「豊玉姫」は稲荷社として境内社に遷宮した、というところである。延喜式の成立が延長5年(927年)とされているので、説明板の通りであれば、既に祭神は「木花開耶姫」に変わった後になる。
ただ、「富士山本宮浅間大社」の項(2010年7月31日記事)で書いたように、浅間大神が木花開耶姫と同一神であるとされるようになったこと自体が後世のことと思われるし、もし延喜式神名帳成立当時から木花開耶姫を祀っていたなら、社名も「浅間神社」としたのではないだろうか。
当神社創建当時の祭神が「豊玉姫」なら、式内社「豊積神社」は境内社の「稲荷社」(写真4)ということになるが・・・。祭神自体が不詳、というのが正しいような気もする。

※社名は静岡県神社庁HPの記載によるが、これはどうだろうか。「とよつみ」か「とよづみ」かは迷うところだが、「とよすみ」は無いのではなかろうか。因みに、鎮座地も「由比屋原」となっていて、「町」が抜けている。


静岡県神社庁のHP(豊積神社):http://www.shizuoka-jinjacho.or.jp/shokai/jinja.php?id=4405118

玄松子さんのHPから(同):http://www.genbu.net/data/suruga/toyosumi_title.htm


写真1:「豊積神社」参道入口。社号標には「式内 郷社 豊積神社」。奥の緑が、神社の森。


写真2:神橋を渡って一の鳥居。


写真3:社殿前


写真4:社殿の向かって左にある1社5扉の境内社。その左から2番目が稲荷社(豊受大神)。
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