神が宿るところ

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夫女ヶ石

2020-10-03 23:45:51 | 名石・奇岩・怪岩
夫女ヶ石(ぶじょがいし)。夫女之石、陰陽石ともいう。
場所:茨城県つくば市臼井2090-20(つくば市が運営する宿泊・キャンプ場施設「筑波ふれあいの里」内)。茨城県道42号線(笠間つくば線)を「筑波山神社大鳥居」交差点から東に約1km、日帰り温泉施設「つくば湯」のところから右折(南~南東へ)、急坂を下って突き当り左折(東へ)して、約650mで「筑波ふれあいの里 」駐車場。「夫女ヶ石」は、「宿泊施設」前の雑木林の中。
「夫女ヶ石」は、筑波山の南斜面、「筑波山神社」(2020年9月12日及び19日記事)拝殿から南東に下ったところ(標高約170m)で比較的なだらかなところにある2つ並んだ巨石。現在は疎らな雑木林の中だが、かつては「夫女之原」という草原で、古代には、この巨石の周りで「嬥歌(うたがき、かがい)」が行われたと伝えられている。「常陸国風土記」筑波郡の条でも、「筑波峯之会(つくばねのつどい)」とあって、「坂(足柄山)から東の諸国の男女が飲食物を持ち寄って遊び楽しむ」というようなことが記されている。「嬥歌」・「歌垣」というと、おおらかな古代人のフリー・セックスの場のようなイメージもあるが、本来は求愛歌の掛け合いで未婚男女が相手を探す呪術的信仰、あるいは祝祭の要素が強かったようだ。
因みに、「筑波山名跡誌」(江戸中期頃)によれば、この2つの巨岩の上にそれぞれ桜の木が生えていて、相対して枝を交えていたということで、非情の木石でも陰陽不離の道理を顕すのは、筑波山の2神(伊弉諾尊・伊弉冊尊)の御神徳だろう、としているとのこと。


茨城県のHPから(夫女ヶ石)


写真1:「筑波ふれあいの里」宿泊施設の前にある「万葉歌碑」。横に、歌の内容を解説した説明板もある。高橋虫麻呂の歌(第9巻・1759)とその反歌(同・1760)で、「他妻(ひとづま)に 我も交はらむ 我が妻に 人も言問へ」というフレーズが含まれる有名な歌。


写真2:「夫女ヶ石」。「陰陽石」というからにはそれぞれ男女の別があるはずだが、特に区別できるような特徴はなさそう。


写真3:同上


写真4:同上
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