この街にはイタチがいる
猫より速く細く駆けて行くもの
それこそがイタチだ
毎日ではない
忘れた頃に現れるが
出会いはほんの一瞬
彼らは駆けて行く道の途中
猫のようにくつろいだり
振り返ったり
にらめっこしたりしない
いつだって一目散なのだ
・
「プロデューサー、クレームが結構きてますけど」
「何かあった? そんな数きてんの?」
「2000ちょっとです。流石に無視できないかと……」
「難儀やのー。どないなってんねん」
「居飛車党の一部から、あとエージェンシー方面からも」
「厄介やな。しゃーないわ、末尾で謝罪入れといて」
「そうします」
「先ほど番組内で(いたちごっこ)という表現がありましたが、それに対して多くの厳しいご意見をいただきました。番組ではそれらを厳粛に受け止めて反省すべきは反省し、また改めるべきところは速やかに改めていくこととしました。いたちごっこの言葉自体には特に悪意はなく、いたちの遊びを揶揄したり、かまいたちさんをはじめ、かまいたち戦法を批判するような意図は一切ありませんでした。しかしながら、それが少しでも視聴者の皆様の誤解を招くような可能性につながりかねない表現であるとするなら、そこに改善の余地があると考えます。そこで先ほどの(いたちごっこ)という表現を取り下げ、(微妙な駆け引き)という言葉に改めさせていただきます。番組では今回のような経験を踏まえ、今後はより一層コンプライアンスを重視し、健全な社会の実現というポリシーに則り、すべての皆様が安心して楽しめるような番組作りに努めて参ります。引き続きどうか温かい目で見守っていただきますよう、よろしくお願い申しあげます」