「どうです。ちょうどいいゆったり感でしょ」
「わるくないですね」
「こちらのフードは特殊な素材でできていて銃弾を弾きます。タイムシフト機能によって3分前に遡って弾くこともできます」
「へー」
「因みに私も持ってます」
「使うかな」
「あると安心ですよ」
「まあねえ。ちょっと重いかな。他にありますか」
チャカチャンチャンチャン♪
「こちらは胸のメッセージ・プリントが特徴的です」
(胸いっぱいの愛を)
「おっ!」
(誰よりも私をわかってくれる)
「メッセージを変えられるんです」
「無限に?」
「クラウドでつながってますので」
(ありがとう。色々と)
(次世代ヒューマン参上)
(明日からの物語)
「何か前向きな気持ちになれますね」
(豚まん3つ買ってきて)
「心を内側から引っ張ってってくれます」
(傷つきながら前へ)
「いいな」
「AIも内蔵されてます」
「中に?」
(恋しさを秘めて)
「胸中を読んで言葉にします」
「読まれるんですか?」
(炭酸で割ってくれ)
「着るほどに言葉が馴染んできますよ」
「これにします! グレーで」
「ありがとうございます!」
チャカチャンチャンチャン♪
「他は?」
「大丈夫です」
「ポイントカードはよろしいですか」
「大丈夫です」
「かしこまりました」
チャカチャンチャンチャン♪
「緊急放送です。
ただいま虹のまち北エリアにて銃撃戦が発生。
買い物中のお客様は速やかに避難してください!
繰り返します。ただいま虹のまち北エリアにて……」
「あっ、まただ」
「よくあるんですか」
「そうなんですよ。なかなかデンジャラスで」
「あー、やっぱり最初のももらっていいですか」
「スーパー・フードの?」
「はい」
「色はどうしましょう?」
「ブラックで」
「だと思いました。着て行かれますか」
「そうします」
「とてもお似合いです」
「そうですか」
「ありがとうございます! お気をつけて!」