68、「キャタピラー」 若松孝二監督 日本 ○ ☆☆
ベルリン映画祭で主演女優賞を寺嶋しのぶが受賞した作品です。日本が戦争に突き進んでいた時代、戦場から軍神として帰国した夫は四肢を亡くし聞くこともしゃべることもできない姿となっていました。残っているのは食欲と旺盛な性欲で、妻は「銃後の妻」として必死にその世話をするのでした。かいがいしく、そして時には残酷になってしまう妻の苦悩を演じた寺嶋しのぶの演技はさすがに女優賞です。
国内では賛否が分かれるような戦争の真実を描いているため監督のねらいは海外での評価だったのでしょう(タイトルも英語だし、ちなみにキャタピラーは芋虫の意。オープニングクレジットなどすべて日本語と英語で表記。戦争ものですが無煙でした。タバコなんて出したらFCTCに反し、評価されないことをちゃんと知っているようですね、若松監督は。次は監督ご自身の禁煙が課題かな。才能のある監督はタバコをやめて1本でも多くの作品をファンのために撮ってほしいですね。
67、「きな子~見習い警察犬の物語~」 小林義則監督 日本 ○
テレビのレポート番組で何度も試験に落ちてもあきらめずに訓練を続ける警察犬訓練犬の話が視聴者の共感を呼んで人気者になった実在のラブラドールレトリバーの「きな子」をモデルにしたお話です。もちろんきな子はかわいいのですが、訓練所のなまいきな小学生役の女の子の演技がとても上手でした。きな粉は現在もまだ訓練中だとか・・・。何事もあきらめないという勇気はもらえるかもしれません。
試験会場のひとごみの場面が心配でしたが無煙です。考えてみれば臭いで判断する犬たちの前で喫煙したら犬が混乱しますよね。タバコ関連もありませんでした。