無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

2014年度無煙映画大賞授賞式

2015-05-31 | 2014年度無煙映画大賞
5月30日、オリンピック記念青少年総合センターで無煙映画大賞授賞式を行いました。
当日は、作品賞、監督賞、特別賞の関係者ご出席いただきました。特別賞の「圧殺の海ー沖縄・辺野古」は、監督の影山あさ子さんがわざわざ辺野古から駆けつけてくださいました。


左から、特別賞「圧殺の海ー沖縄・辺野古」 監督賞「周防正行・舞妓はレディ」 作品賞「魔女の宅急便」のトロフィーと表彰状


左から、見上審査委員長、影山監督、堀川プロデューサー、森重プロデューサー、作田理事長

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百日紅

2015-05-30 | 2015以前の映画評


「百日紅」 原恵一監督 △

 江戸風俗研究家で漫画家の杉浦日向子原作の長編アニメーション映画です。
 江戸の街を舞台に葛飾北斎の娘で浮世絵師のお栄(声=杏)は23歳、今日も父親や弟子たちと絵を書いています。気になるのは生まれつき目が見えない別居している妹のこと。琵琶の師匠に師事していますが、病弱なため父親は会おうとしません。目が見えないことも病弱なのも自分のせいだと父親は思っているのです。お栄は妹の好きな両国橋の上で季節ごとに人々の日常の音を聞かせるのでした。
 江戸の風俗が再現され、活気溢れる様子は現代風のポップな音楽がバックに流れ勢いを与えています。当時としては珍しかったかもしれない自立した女性が風情豊かに描かれています。北斎の人生は最後まではっきりしていますが、女性浮世絵師だったお栄の最後は歴史には残されていないようです。男が残す歴史だからでしょうか。
 タバコは、冒頭でお栄が口にしていたキセルから吸い殻が飛び北斎の完成間近の絵を焼いてしまう場面があります。(△)浮世絵師が仕事場で喫煙するのはまずいですね。その他吉原の花魁などがキセルを持っていました。ちなみに北斎は酒もタバコも好まず90歳まで長生きをしたそうです。


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六月燈の三姉妹

2015-05-30 | 2015以前の映画評


「六月燈の三姉妹」 佐々部清監督 ☓☓

 鹿児島市内の商店街で和菓子屋を営む「とら屋」の三姉妹を神社の祭り六月燈を舞台に描きました。
 とら屋の次女奈美江(吹石一恵)は東京の夫の元から帰ってきていました。長女静江(吉田羊)はすでに離婚して実家に戻っていて和菓子屋を手伝い、三女栄(徳永えり)はさつま揚げの店で働いていましたが実は不倫をしていました。両親は、一緒に和菓子屋を営んではいるもののすでに離婚していて戸籍上は他人なのでした。姉妹も父親が違ったり、一緒に住んでいる時期が少なかったりと家族とはいえそれぞれ複雑な事情があることが、次女を追って東京から鹿児島に来た夫との会話などから明らかになってきます。とりあえず今夜はお祭りでとら屋も新商品を売るための準備に追われるのでした。
 商店街の生き残り、親との同居、店の後継者問題など、鹿児島のこの一家に限らない問題を散りばめていますが、効果的に使われる鹿児島弁のおかげかコメディタッチで描かれています。
 タバコは、吹石が追ってきた夫と会話をするときにタバコを口にし、「また吸い始めたのか?」「悪い?」「いや・・・。」という会話がありました。はっきり「やめろよ。」と言ってほしいものです。言えない優柔不断さがこの夫の欠点なのかもしれませんが。その後も2回ほど口にしました。(☓☓)お祭や町内会の集まりでは喫煙場面が殆どありませんでした。タバコの自販機はちょっと映りました。


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レッド・ファミリー

2015-05-30 | 2015以前の映画評


「レッド・ファミリー」 イ・ジュヒョン監督 ☓!

 2013年東京映画祭で観客賞を受賞した作品です。脚本制作はキム ギドクです。
 仲睦まじい家族のふりをして任務を遂行する北朝鮮のスパイたちに対し、隣家の一家は喧嘩が絶えず「資本主義の限界」と北一家からは評されていました。しかし、喧嘩が絶えないとはいえ、言いたいことを言い合える家族の姿にいつしか北一家のメンバーも自分たちの決して穏やかでない任務や常に見張られている不自然な生活に疑問を感じるのでした。
 ラストでは隣の一家を皆殺しにせよ、という命令がくだされた時北一家のメンバーは衝撃の行動に出るのでした。
 近くて遠いといわれる朝鮮半島ですが、まさに、韓国の人々にとっても北朝鮮ははるかに遠い存在で、北朝鮮の人々にとっては韓国の人々は明らかな敵という、離れたところからではなかなか想像できない関係を映画にしたそれも娯楽映画にした監督らの取り組みは称賛に値する内容です。同じ民族が敵対するという悲劇がいつまで続くのか考えさせられる秀作です。
 タバコは、「資本主義の限界」一家の父親が外で喫煙し(☓)、息子は高校生なのに隠れてタバコを吸おうとしてベランダに出て、隣家に不審者が忍びこむのを目撃するという場面がありました。また、その後の場面では北一家の女子高生に「タバコ吸う人嫌い」というセリフがありました。(!)


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イニシエーション・ラブ

2015-05-28 | 2015以前の映画評


「イニシエーション・ラブ」 堤幸彦監督 ☓☓☓☓☓

 130万人が騙されたというミステリー風ラブストーリーが原作です。
 合コンに人数合わせで参加した大学生の鈴木はそこで歯科助手のマユ(前田敦子)と出会い一目惚れしてしまいます。以外にもマユも鈴木を慕ってくれマユの助言で鈴木はファッションにも気を配り、ぽっちゃり系だった体格もスッキリボディに変わり、ふたりはますます仲良くなるのでした・・・。とここまでがサイドAで、スタイリッシュに変わった鈴木は就職し、静岡から東京へ転勤となり、東京では新しい出会いもありマユと過ごす時間もだんだん短くなりその上決定的に関係を壊す事件も起きてしまうのでした・・・。サイドBと2つの話が重なりあう時、衝撃のカラクリがと期待させておきながら、ちょっと期待はずれでした。
 内容を秘密にしてくださいというお願いがあるので詳細には触れませんが、はっきり言って何に騙されたかといえば「予告編に騙された」だけです。チラシには「あなたは必ず2回観る」とありますがあの内容で2回見る人は殆どいないでしょう。そういう意味ではすっかり騙されたかな。
 80年台の音楽やファッションが懐かしく、地味な「たっくん」が好演していました。
 タバコも、80年台を忠実に(忠実すぎる)再現し、合コンの場でみんな喫煙(☓☓☓)し、なんとマユ役の前田敦子も2回ほど喫煙(☓)していました。当時から女性用の細みのタバコがあったようです。(セリフの中で)また、シェーキーズピザ屋の場面では入口のドアに禁煙マークがあるにもかかわらず中で二人が喫煙(☓)しているという21世紀と80年台がミックスしてしまったイージーミスもありました。というか時代は着実に禁煙の道を進んでいるということをさりげなく表現しているのでしょうか。


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駆込み女と駆出し男

2015-05-28 | 2015以前の映画評


「駆込み女と駆出し男」 原田眞人監督 △!

 江戸時代、離婚を望む女達が駆込む寺鎌倉の東慶寺を舞台に、女達と駆出しの医者でもあり戯作者でもあった男の物語です。原作は井上ひさし。
 質素倹約令が庶民の暮らしに暗い影を落とし、戯作家たちにもその影響が出始めていた頃中村信次郎(大泉洋)は離婚の調停をする御用宿に居候することになりました。そこで出会った駆込み女にはそれぞれの事情があり、特に製鉄業の有能な職人だったじょご(戸田恵梨香)は精錬するための熱で顔に火傷を負っていました。実はそのキズを夫が嫌い、じょごをないがしろにしていたのが離婚の原因だったのです。中村が治療をしたことで顔の傷と心の傷が癒やされるのでした。一方、じょごと共に駆け込んだお吟(満島ひかり)は全く異なる事情で駆け込んでいました。調停宿の主源兵衛(樹木希林)は中村らとともに彼女たちの人生のやり直しを手伝うのでした。
 井上ひさしの原作らしく娯楽映画ながらも社会風刺もさらりと描かれています。チャンバラのない時代劇もなかなかいいですね。
 タバコは、貸本屋の女将がキセルで喫煙、(△)宿の主源兵衛は禁煙中ですがついキセルを手にしてしまい医者の中村に「やめたんじゃなかったんですか。」と言われ「やめられないんだよね。中毒なのかね。」(キセルをいじるのみで喫煙はしません。)と依存症の恐ろしさを表現したセリフもありました。(!)

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2014年度無煙映画大賞表彰式

2015-05-24 | 2014年度無煙映画大賞
2014年度無煙映画大賞の授賞式が下記のイベントの中で執り行われます。
どなたでも参加できます。ふるってご参加ください。

World No-Tobacco Day(世界禁煙デー)記念イベント2015 in Tokyo
FCTC発効から10年 受動喫煙のないTokyoをめざそう!

平成27年(2015年)5月30日(土曜日)
第1部 シンポジウム 開場:13時00分 開会:13時30分 終了:16時00分

会 場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 4階 セミナーホール
東京都渋谷区代々木神園町3-1
小田急線参宮橋駅徒歩約7分、地下鉄千代田線代々木公園駅徒歩約10分

・講演1 講 師: 宮崎恭一(全国禁煙推進協議会事務局長)
 演 題: 「FCTC発効から10年・世界の動きと現状」

・講演2 講 師: 渡辺文学(一般社団法人タバコ問情報センター代表理事)
 演 題: 「FCTC発効から10年・日本の動きと現状」

・日本禁煙学会 無煙映画大賞 授賞式

・パネルディスカッション「受動喫煙のないTokyo」の実現をめざして
パネリスト:
   尾辻秀久(参議院議員 受動喫煙防止法を実現する議員連盟会長)
   野上純子(東京都議会議員)
   尾崎治夫(東京都医師会副会長)
   山下優子(株式会社グローバルダイニング 執行役員)   他

コーディネータ:
    村松弘康(中央内科クリニック院長 東京慈恵会医科大学非常勤講師)

受賞作品は以下のとおりです。

無煙映画大賞作品賞   「魔女の宅急便」 監督=清水崇 配給:東映 
無煙映画大賞主演女優賞 榮倉奈々  
  主演作品「わたしのハワイの歩きかた」(前田弘二監督)
      「ミラクル デビクロくんの恋と魔法」(犬童一心監督)
無煙映画大賞主演男優賞 錦戸亮  
  主演作品「抱きしめたい 真実の物語」(塩田明彦監督)
無煙映画大賞監督賞   周防正行  監督作品「舞妓はレディ」
無煙映画大賞ファミリー賞 「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」(行定勲監督)
無煙映画大賞特別賞   「圧殺の海」 (藤本幸久、影山あさ子監督)
   
<汚れた灰皿賞(モクモク賞)> 
「ルパン三世」(北村龍平監督)、「まほろ駅前狂騒曲」(大森立嗣監督)、「海を感じる時」R15(安藤尋監督)、「そこのみにて光輝く」R15(呉美保監督)、「ゼウスの法廷」(高橋玄監督)
以上5作品を代表して、「ルパン三世」に無煙映画大賞汚れた灰皿賞を授与します。 

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おんなのこきらい

2015-05-22 | 2015以前の映画評


「おんなのこきらい」 加藤綾佳監督 ☓

 顔は可愛いけれど性格は最悪なOLキリコの周囲で起こる小さな出来事を描きました。
 キリコ(森川葵)は可愛いということだけに価値を感じていて、可愛いだけで周囲の男たちは思い通りになり、女達は自分に対して嫉妬するだけのウザイ存在だと、大きな大きな勘違いをして生きてきました。しかし、実は性格の悪さは専門学校生時代から学校中の評判になっていました。仕事では毎日可愛い素振りで仕事をうまくやろうと企んでいましたが、相手のデザイナー幸太(水口健太)は学校の同級生で「キリコさんてかわいそう。」と言われてしまいます。その上、恋人のユウトはキリコが「あんた嫌い」と言った女の人と関係を持つし、キリコの心はぼろぼろになるのでした。救ってくれた幸太には本当の恋人がいるし・・・。果たしてキリコは立ち直れるのでしょうか。
 途中に「ふぇのたす」というグループのポップな音楽が流れ楽しい雰囲気を醸し出してはいますが、実は「勘違い女の厳しい自分発見物語」です。作品としては森川の可愛さだけに頼っていてアフレコの音と映像の口の動きがずれているし、映画そのものが「可愛いだけ」とも言えます。まあ、映画学校生の卒業作品の発表会で製作者の身内なら喜ぶかもしれませんが、一般の観客には「招待券で無料鑑賞」なら許せるかな。
 タバコは、ユウトが2回喫煙しました。バーの店長がタバコ臭いっていうのも仕事をなめているとしか思えません。2回目はベランダ喫煙でこれも周囲の部屋の住民にはいい迷惑で裁判にもなっている事態です。安易に映像にするのはいかがなものでしょうか。映画を制作するなら社会勉強もきちんとしてほしいものですね。


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ビリギャル

2015-05-20 | 2015以前の映画評


「ビリギャル」 土井裕泰(ドイノブヒロ)監督 ! ◯ 無煙映画大賞候補作

 「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の映画化です。原作は作品の主役塾講師の坪田信貴です。
 可愛い制服に憧れて入学したエスカレーター式の私立高校の生徒さやか(有村架純)は、おしゃれと友達との遊びを毎日楽しんでいました。勉強はほとんどしていない娘を母親は個人講師の塾に連れて行きます。誠実な塾講師の坪田(伊藤淳史)と出会い学ぶ楽しさを知り、小学校の4年生程度だった学力がぐんぐん伸びていき、とうとう目標校を慶應大学にします。真剣に目標に向かうさやかの姿は周囲の人々をも人生に対し前向きに変えていくのでした。
 「長いものには巻かれた方がいい。」と平然という教師や、さやかを「クズ」と評す教師と懸命に戦う母親がりっぱです。父親と息子との挫折の物語が横糸となっていて家族の再生の話でもあります。経済的には母親が労働時間を長くして塾の費用をまかなっている割にはさやかがいつもおしゃれな服を着て遊ぶお金にも困っていないという現実的な疑問はありましたが、「自分の可能性を信じる」というテーマには共感を感じました。
 タバコは、さやかがタバコを持っているのを教師に見つかる場面と、弟が野球選手になるという夢が挫折してぐれかけた時「タバコ買ってこい。」というセリフがありましたが、実質的には完全な無煙作品でした。(◯)
 

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王妃の館

2015-05-15 | 2015以前の映画評


「王妃の館」 橋本一監督 △

 浅田次郎原作。パリを舞台に2つのツアーが「王妃の館」と呼ばれているホテルに到着、ダブルブッキングやらメンバーの小説家が劇中劇を繰り広げるやら、慌ただしい中にもほろりとさせられる作品です。
 旅行代金が200万のお金持ちツアーと29万8000円のツアーが同じホテルに泊まりますが、実は同じ部屋をダブルブッキングしていたのです。破産寸前の旅行会社の社長でもあり添乗員でもある玲子(田中麗奈)は部下の戸川(実は夫=尾上寛之)を叱咤しなんとかごまかし通そうとします。一方、メンバーの一人作家の北白川右京(水谷豊)はスランプでしたがこのホテルに泊まることでひとつの物語が突然降りてきたのでした。それはルイ14世とその息子をめぐる物語で、その物語のお陰で問題を抱えていたツアーのメンバーたちも救われていくのでした。
 パリの名所が見どころの一つ。また、劇中劇でフランス人を日本人が日本語で演じているのもわかりやすいといえばわかりやすい。登場人物がめちゃくちゃなところもありますが、劇中劇の子役の歌がうまかったのと母と子の浪花節的な話に結構感動してしまいます。水谷がなぜパリは戦争を体験しながらも古い建築物が残っているのかを説明するくだりがありますが、「なるほど、そうだったのか。フランス人は偉い。」と大感動です。このセリフを聞くためだけでもこの作品は価値があるかもしれません。
 タバコは、大変残念なことに田中麗奈が一瞬喫煙しました。(△)


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