「こどもしょくどう」 日向寺太郎監督 ☓ パル企画
「子ども食堂」の原点とも言えるような子どもの貧困を描きました。
小学5年生のユウト(藤本裕太)は食堂を営む両親(吉岡秀隆、常盤貴子)と妹と何不自由のない生活をおくっていました。気がかりなのはいつもいじめられているタカシ(浅川蓮)のことでした。タカシは母子家庭で母親が放任状態でユウトは野球の練習の帰りにはいつも夕食に誘っていました。でも、それ以上のことはできず、タカシがいじめられていても見ないふりをしていました。
そんな折、橋の下の軽自動車で父親と暮らす姉妹の存在を知ります。あるきっかけで姉のミチル(鈴木梨央)と言葉を交わすようになり姉妹が満足に食事もしていないことに気づきます。なんとかしてあげたいと思うタカシですが・・・。
「見ないふりをしてはいけない。」というユウトのことばは、市井の人々が少しでも善意のある行動をとることで救われる子どもがいるのではないか、と問いかける足立紳の脚本には共感できます。
監督の指導の元、子役たちが好演しています。藤本、鈴木、浅川、それぞれ今後の活躍が楽しみです。
ただ、タカシの家や軽自動車が結構綺麗で、ちょっと現実的ではなかったのが残念です。
タバコは、食堂の常連客らしい高齢の女性がカウンター席で毎回喫煙していました。(☓)子役が活躍する作品では受動喫煙も虐待です。さすがに「子ども食堂」になってからは喫煙していませんでしたが・・・。ラストの「小学生以下無料」の張り紙と共に「子どもの健康をまもるため全席禁煙となりました」があったら☆だったのに・・・。残念です。