
「モンスターズ」 中田秀夫監督 ○
幼い頃から視覚に入る人間すべてを操れるために「バケモノ」と父親から嫌われた過去を持つ「男」(藤原竜也)の前に、操られることのない田中終一(山田孝之)が現れ「男」は動揺します。終一は幼い頃から病気をせず、両親と弟が即死した交通事故でも唯一かすり傷ですみました。二人が出合ったとき終一は再び車にはねられますが2、3日で回復し、加害者のもとを訪れ叶絵(石原さとみ)と出合います。終一が生きていることを知った「男」は終一が愛する人を次々と襲って行くのでした。果たして「男」と終一の関係はどうなっていくのでしょうか・・・。
人類の進化した存在としてふたりをとらえる権力(警察)の動きが「男」の行動以上に不気味ですが、そのあたりをもっと強調すると「社会性」が表現され、より大人の作品になったかもしれません。予告編では「男」の力ばかり強調されていましたが、実際は「生きるとは?」を問う結構哲学的な内容で期待以上に面白い作品でした。山田孝之が「ウシジマくん」とはまったくちがうイメージで役者魂を感じさせる怪演でした。また、音楽がすばらしく効果的でした。
タバコはなし、無煙です。(○)全編にわたって緊張感のある作品にはタバコは全く必要ないということをみせてくれています。