無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

台風家族

2019-09-29 | 2019日本語映画


「台風家族」 PG12 市井昌秀監督 ☓PPハイライト

 市井昌秀監督のオリジナル脚本でワケアリの家族のドタバタを描きました。
 老いた両親が起こした銀行強盗事件から10年。長男の小鉄(草なぎ剛)は事件の後失踪した両親の葬儀のため、妻(尾野真千子)と中学生の娘とともに10年ぶりに田舎の実家に帰りました。家を出てから寄り付かなかった実家に次男(新井浩文)長女(MEGUMI)そして末っ子の千尋(中村倫也)がそろい遺産を分け合う予定でした。千尋は現れず、代わりに長女の彼氏がやってきました。そして、財産である土地と家をどう分けるか話し合いを始めるのですが・・・。
 単なる兄弟でのお金をめぐるコメディかと思いきや、2000万円強奪の裏にはある事情が隠されていて、それが解明することでバラバラになっていた家族が再び再生するドラマです。ある事情に現代的な社会問題があり「社会派コメディ」になりました。ネタバレ厳禁の作品です。
 ラストが現実にはありえない漫画ですが、コメディだから許す。
 タバコは、草なぎ剛が供えられていたハイライトを喫煙(☓)子役の前なので虐待です。
また、ゴミ箱が「LARK」のロゴでインパクトが強かったです。


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人間失格 太宰治と3人の女たち

2019-09-28 | 2019日本語映画


「人間失格 太宰治と3人の女たち」 R15+ 蜷川実花監督 ☓☓☓

 太宰治が死を目前にして「人間失格」を執筆するまでの女性と酒とタバコに溺れる日々を描いた早船歌江子のオリジナル脚本を蜷川実花監督がいつものような演出で映画化しました。
 人気作家の太宰治(小栗旬)は、愛人太田静子(沢尻エリカ)の日記を基にして「斜陽」を書き社会現象にまでなります。一躍文学界の寵児となりますが、もともとの重鎮の作家たちからは批判されていました。もっと傑作を書かねばならない太宰ですが、身重の妻(宮沢りえ)と二人の子どもがいる上に健康状態も悪いなか、なんと別の女性富栄(二階堂ふみ)とも深い中になってしまいます。編集者の佐倉(成田凌)に励まされたり脅されたりしますが、「傑作」はなかなか書けないのでした。その上、身体は日に日に病に蝕まれていくのですが・・・。
 赤、青、白、の絢爛な場面とモノトーンに近い色彩を抑えた場面、にぎやかな会話、タバコと酒に溢れる生活、全くいつもの通りの蜷川実花作品です。定番モノと言えるでしょう。
 タバコは、太宰は常に喫煙していて周囲の人々、富栄も喫煙していました。R制限がついたのはタバコが原因でしょうか、と思えるほどです。現実的に肺がんにならないといいのですが。
 当時のタバコ屋の看板もきちんと(!)再現されていました。


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アイネクライネナハトムジーク

2019-09-27 | 2019日本語映画


「アイネクライネナハトムジーク」 今泉力哉監督 ☓☓

 伊坂幸太郎のベストセラー小説を映画化しました。
 ある理由から仙台駅頭で街頭アンケートをさせられている佐藤(三浦春馬)は誰にも相手にされずうんざりしていました。大画面ではヘビー級ボクシングのタイトルマッチ戦が白熱する試合を放映していました。ダメ元で声をかけた若い女性が快くアンケートに答えてくれました。それがきっかけでその女性紗季(多部未華子)と付き合うようになります。一方、学生時代からの友人夫婦由美(森絵梨佳)と一真(矢本悠馬)はすでに二人の子どもを育て佐藤の出会いをあれこれ助言するのでした。時は流れ10年後、由美夫婦の娘美緒(恒松祐里)は男子の憧れで正義感の強い高校生になり、佐藤は交際10年を機に紗季にプロポーズするのですが・・・。
 原作ファンのひとりとしてはイメージを壊すこと無くそつなくまとめたとは思います。スポーツ選手の勝敗を自分の人生に置き換えるという「他力本願」には好みではありませんが、誰かが頑張っている姿はパワーを与えるのでしょう。三浦の10年の年齢差の表現が大変自然でした。
 タバコは、学生時代バイト先の居酒屋の外で一真と佐藤が喫煙しました。(☓)原作では喫煙していません。また、10年後のエピソードの中で家族でファミレスに入店する場面で「おタバコは?」と聞かれ母親役の濱田マリが「吸います。」と答え喫煙席に行きましたが、未成年の息子を伴っている客を喫煙席に通すレストランはありません。虐待です。同じように息子の高校生が先に席を取りに入店した場面で未成年者を喫煙席に案内することもありえません。(☓)
 映画関係者のような文化の先端を担っている人々のレストランとタバコの関係の意識が昭和レベルで2020のオリンピックで「おもてなし」なんてできるのか、不安です。藤間さんのセリフにあったように「小さな悪いことを積み重ねるといつか大きく膨らんで爆発する。」(原作では101ページ)
 映画とタバコのルールもきちんと守る習慣をつけておかないといつか風船が膨らんで「バン」となるかも・・・。
 映画を見たあとで原作を読み返しましたが、やっぱり原作はずっと深かった。健闘はしたけれど、原作の足元にも及びませんでした。期待していただけにちょっと残念。


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引っ越し大名

2019-09-26 | 2019日本語映画


「引っ越し大名」 犬童一心監督 ○ ☆

 土橋章宏の小説「引っ越し大名三千里」を「のぼうの城」の犬童一心監督が、星野源を主役に映画化しました。
 姫路藩は幕府の命で大分の日田に国替えとなり、その上減棒の仕打ちを受けました。国替えの引っ越しには多額の費用がかかる上にリストラをしなければなりませんでした。その責任者に「かたつむり」とあだ名されている書庫番の片桐春之介(星野源)が任命されてしまいます。幼馴染の剣豪鷹村(高橋一生)と前任の引っ越し奉行の娘於蘭(高畑充希)、そして勘定奉行の中西(濱田岳)とともに準備に取り掛かるのでした。しかし、実はもっと大きな陰謀が仕組まれていたのです、果たして無事日田へ着くことができるのでしょうか。
 コメディの要素があってクスリと笑わせながらも権力批判が随所に織り込まれ、笑って泣ける時代劇です。殺陣を見せ場とするような時代劇とは全く違い、斬り殺される場面が殆どなく血糊を使っていないことが魅力です。家族で安心して楽しめる時代劇です。こういう作品を定期的に提供して「時代劇映画の技術」を継承し、時代劇ファンの底辺を広げてほしいです。
 姫路城や白河城に行ってみたくなりました。
 タバコは、なし。無煙です。このこともファミリー層におすすめです。(☆)


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二ノ国

2019-09-16 | 2019日本語映画


「二ノ国」 百瀬義行監督 ○

 レベルファイブの人気シリーズを長編アニメ化しました。
 車椅子のユウ(声 山崎賢人)はバスケ部のハル(新田真剣佑)とコトナ(永野芽郁)と子供の頃からの仲良しでした。ある時コトナが犯罪に巻き込まれたことがきっかけとなってユウとハルは別の世界に入りこんでしまいます。その「二ノ国」ではコトナとそっくりの王女のアーシャ姫(永野芽郁)が病に臥せっていました。魔法使い、呪い師が次々訪れますが、なかなかよくなりません。一方現実の世界ではコトナが重い病になってしまいました。
 現実の世界と「二ノ国」は結びついていて、一方を救うためには一方を犠牲にしなければならないのでした。究極の選択を迫られるユウとハルでした。
 ユウとハルはどちらの世界でもそれぞれ助けたいと奮闘しますが、じゃまをする怪しい存在がいるのでした。
 「二ノ国」の世界が不思議な人や動物が活躍し、中世的な建物で「ジブリ」の世界を彷彿とさせます。また、別の世界がある、という設定は伊坂幸太郎の小説「グジラアタマの王様」とも近い世界でした。主人公3人の声がそれぞれ良かったと思います。
 タバコは、なし。無煙です。


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アマンダと僕

2019-09-08 | 2019外国語映画


「アマンダと僕」 PG12 ミカエル アース監督 仏 ☓

 突然の不幸で身近な肉親を亡くした若い叔父と7歳の姪が生活をともにすることで少しずつ心を通わせていく人間ドラマです。
 パリでアパートの管理と枝切り職人の仕事をしているダヴィッド(バンサン ラコスト)は仲良しの姉サンドリーヌと恋人のレナと穏やかに暮していましたが、突然の事件で姉のサンドリーヌが帰らぬ人になってしまいます。シングルマザーで7歳のアマンダ(イゾール ミリュトリエ)を育てていたので、肉親はダヴィッドしかいません。幼い頃母親が家を出ていったため強い絆で結ばれていた姉を亡くした上に、24歳でいきなり保護者になったダヴィッドは混乱します。7歳で一人ぼっちになったアマンダは健気に振る舞いますが時折大きな悲しみに襲われるのでした。ふたりの未来はどうなるのでしょうか。
 2018年東京国際映画祭でグランプリと脚本賞をダブル受賞した作品です。
 主役の二人がそれぞれ魅力的です。意思がしっかりしていそうなアマンダとちょっとやわなダヴィッドの二人の個性が対照的でお互いを引き立て合いました。
 また、予告編では全く触れられていませんでしたが、サンドリーヌが亡くなった事件の今日的な社会の問題が物語に深みを醸し出しました。一方、パリのあちこちが自転車の目線で描かれご当地映画っぽいところも楽しめます。
 タバコは、サンドリーヌが喫煙者で窓を空けて喫煙する場面がありましたが、ほとんど口にしていませんでした。そのほかにも女性の登場人物が喫煙しているような素振りを見せました。

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主戦場

2019-09-08 | 2019外国語映画


「主戦場」 ミキ デザキ監督 米 ○ ☆☆

 いわゆる「慰安婦問題」について監督自身が疑問に感じたことをさまざまな立場の人々にインタビューし検証していくドキュメンタリー作品です。
 「歴史は権力者の都合のいいように書き換えられる」ことは今では自明の理ですが、今まさにそれが堂々と行われつつあることに驚愕と恐れを感じる一方、「嘘つきは目が泳ぐ」らしく、ある主張を繰り返す人は良心が咎めるのかまさに「目が泳いで」いて不謹慎ながら笑えます。本当に怖いのは目も泳がずに明治時代のようなことを平気で言う「識者」の姿でこういう人々が現政権の岩盤勢力になっているのかと思うとこの国の未来は真っ暗です。
 とりあえず、この作品から学んだことは「日本人は特別」というようなことを言いだしたらその人やその情報には「?」をつける習慣をつけましょう。
 また、一人でも多くの人がこの作品を見ることを期待します。
 タバコは、なし。無煙です。


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