「福田村事件」 PG12 森達也監督 ✗✗
関東大震災の数日後、多くのデマにより朝鮮人労働者や社会主義者などが数千人虐殺されたという。この虐殺事件を題材にドキュメンタリー映画の森監督が長編劇映画にしました。
1923年澤田夫妻(井浦新、田中麗奈)は朝鮮半島から故郷の福田村に引き上げてきました。軍国主義一色の地域でしたが同級生の市長田向(豊原功補)は澤田に教職についてくれないかと頼みます。しかし、澤田には妻にも言えない過去がありました。
そんな折大地震が起き、冷遇されている朝鮮人が「火をつけた」「井戸に毒を入れた」など流言飛語が蔓延します。一方、讃岐から薬の行商に来ていた一行は言葉がおかしいなどの難癖をつけられ逆上した村の人々に取り囲まれてしまうのでした。
さまざまなメディアで取り上げられている作品なので、多くの人に観てほしいとは思います。ただ、セリフが聞き取れない、聞き取りにくいという難がありました。この作品に限らずセリフがはっきりしないことをなんとも思っていない制作者が多いのか、せっかく練られた言葉が観客に伝わらないことにもっと真剣に対応してほしいと常々願っています。できれば、日本語字幕をすべての作品につけてほしいです。
バリアフリーの観点からも文化をすべての人に楽しんでもらえるよう予算をつけてほしいですね。
タバコは、残念ですがいくつかの場面で喫煙していました。「日本政府が国民の健康をないがしろにしている」という事実も制作者には考えてほしいものです。