無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「ブラック ウィドウ」 ケイト ショートランド監督 ○ ☆

2021-07-31 | 2021映画評


「ブラック ウィドウ」 ケイト ショートランド監督 ○ ☆

 マーベルのアベンジャーズシリーズのメンバーブラック ウィドウを描いたアクション映画です。
 幼い頃から姉妹で過ごしたオハイオからあるとき突然追われて逃げ出した家族でしたが、実は偽りのスパイ一家だったのです。姉妹は暗殺者としてレッドルームで鍛え上げられドレイコフ(レイ ウィンストン)の駒となっていったのでした。姉のナターシャ(スカーレット ヨハンソン)はレッドルームの秘密を知り命を狙われることになります。それに対しナターシャを守るために再会したのはかつての偽りの家族でした。

 空中戦となるアクションがお見事! 女の闘いになるのですが、操っているのが「じいさんのフェロモン(これって差別用語かな?だったらごめんね。)」っていうのがなんだかなあ、って感じですが、考えてみれば世界を牛耳っているのがフェロモンはともかくほとんど高齢男性なので、客観的には的を射た表現かもしれません。女性たちはなんとかして見えない「嗅覚神経」を断ち切らなければ(映画を見れば意味がわかります。)真の平等で平和な社会にはならないのでしょう。先は長い!

 もうひとつ、ジェンダーの話題です。季節柄女性アスリートと生理の問題を時々目にしますが、このレッドルームではなんと子宮や卵巣などの生殖器を摘出してしまうのだそうです。現実世界でもそのうち「メダルのため」には当たり前になったら怖いですね。

 ところで、本作の映画館で上映された予告編は映像と音楽がぴったりシンクロしていて大変素晴らしく見るたびにワクワクさせられました。(☆)コロナで公開が延期されたことは会社にとっては気の毒でしたが私には予告編を見る回数が増え大変嬉しいことでした。もう見ることができないのが残念です。

タバコは、なし。無煙です。(○)

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「プロミシング・ヤング・ウーマン」 PG12 エメラルド フェネル監督 △ ☆

2021-07-30 | 2021映画評


「プロミシング・ヤング・ウーマン」 PG12 エメラルド フェネル監督 △ ☆

 監督自身のオリジナル脚本で米アカデミー賞脚本賞受賞しました。
 キャシーは両親の家からコーヒーショップに働きにでかけ平凡な日々を過ごしていますが、夜になると男を挑発するようなドレスに着替えバーへ繰り出しへべれけに酔っていました。そんな彼女を調子に乗った男が近づき「お持ち帰り」をしたら・・・。
 キャシーの店に学生時代の同級生ライアン(ボー バーナム)が現れ、優秀な医学生(将来を約束された若い女性)だったキャシーがあるときから学校を止め所在不明になったことがわかります。小児科医となったライアンとは両親に紹介するような関係に発展します。実はキャシーは学生時代の親友ニーナがパーティーで泥酔し学友アル(クリス ローウェル)にレイプされるという事件があり、その時に「悪いのは泥酔したニーナ」という対応を周囲がとったことに対し、復讐をしていたのです。その復讐対象の女性からある動画を見せられたのでした。

 男たちの女性差別語から始まり、男たちによる女性への性的で暴力的な言動が随所に描かれます。小柄で金髪なキャシーはそんな男たちの絶好の対象となりますが・・・。1から始まる復讐劇は5まで続きます。ネタバレ厳禁なのでこれ以上は書けませんが、暴力的な復讐よりも心理的に追い詰める復讐の方が怖かったです。過去にアルのような「黒歴史」がある男たちはきっと怖くて最後まで見ることができないのでは。そして最も見てほしいのは復讐される女性たちと同じような言動を現在進行形でとっている女性たちにも己の醜さを客観視するためにもぜひおすすめです。「しゃべりつくそう!私たちの新フェミニズム」(望月衣塑子著 梨の木舎)によれば伊藤詩織さんの事件に対し「わきまえた女性」の時代遅れの反応が登場していました。こちらの本もおすすめします。
 ただ、個人的にはこのラストは悔しい!(ネタバレ厳禁なのでこれ以上提案もできないことも悔しい!)

 タバコは、キャシーの復讐の対象となる加害者の弁護をした弁護士が喫煙者でしたが、悪役なので△です。


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「明日の食卓」 瀬々敬久(ぜぜ たかひさ)監督 ✗✗ PPメビウス、セブンスター

2021-07-21 | 2021映画評


「明日の食卓」 瀬々敬久(ぜぜ たかひさ)監督 ✗✗ PPメビウス、セブンスター

 同じ名前で同じ年の男の子を育てている3人の母親の姿を描いた椰月美智子の同名小説を実写映画化しました。
 住んでいる地域、年齢、家庭環境などはそれぞれ違いがあるものの石橋ユウという同じ名前で5年生の男の子を育てている母親3人。留美子(菅野美穂)の家族はチャラ男の夫と二人の息子でライターの仕事をフリーで締め切りに追われながら「鬼はは」と自虐しながら暮しています。加奈(高畑充希)はシングルマザーで朝から真夜中までダブルワークを黙々とこなし200万円の借金がなんとか返却の目処もついてきました。あすみ(尾野真千子)は新幹線通勤のおぼっちゃまの夫と邸宅の敷地内に住んでいる義理の母親(真行寺君枝)と暮していました。それぞれに異なる形のトラブルが持ち上がりその影響はそれぞれの息子のユウに及ぼしていくのでした。

 「母親って大変!」それに対して「父親は役たたず」で男はなさけない。という映画です。すべてを女性に押し付け男たちは育児を放棄し、同じ女性が敵対してしまう。結果としてその犠牲は子どもにいき、誰がこんな世の中にした!と怒りが湧いてきます。
 3人のユウを演じる子役たちがそれぞれ競演しています。数年後おとなになって再び共演する日が楽しみです。
 「99%のためのフェミニズム宣言」によれば原因は「資本主義」にあるらしい。となるとどこから手をつければいいのだろう?

 タバコは、加奈が働くコンビニでタバコのやり取りがあり、また後景にタバコの棚が何度も映り銘柄の宣伝ポスターなども映ります。実際の喫煙者も貧困層の女性たちでこちらもタバコ会社の戦略「ターゲットは女と貧乏人」の戦略通りでした。哀しいですね。


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「夏への扉 キミのいる未来へ」 三木孝浩監督 ○

2021-07-09 | 2021映画評


「夏への扉 キミのいる未来へ」 三木孝浩監督 ○

 ローバートAハインラインの名作SF小説を舞台を日本に移して映画化しました。
 両親を早くになくした宗一郎(山崎賢人)はロボット研究者の父親の親友から教示を受け有能な研究者になりましたがその親友夫妻も事故で亡くなり兄妹として育った璃子(清原果耶)は親戚の下で育てられます。宗一郎の研究は高く評価されますが陰謀で全てを失ってしまいます。その上冷凍睡眠で30年後まで送られてしまいます。
 30年後に寝覚めた宗一郎は介護ロボット(藤木直人)とともに再び30年前にタイムスリップをするのでした。

 前半はどこにでもありそうな青春物ですが、ロボットが登場するあたりから全体の雰囲気が面白くなります。藤木のロボット演技が大変うまく知性的なロボットなのに結構人情深く、期待通りラストで微妙に笑顔を見せる場面が秀逸です。今後普通の人の役ができるのかちょっと心配ですが・・・。
 ところで、タイムマシンの研究者って「バックトゥザフューチャー」の「ドク」型じゃないとだめなのでしょうか。もしかしてオマージュってやつかな。

 タバコは、なし。無煙です。1995年の場面で応接室のテーブルに灰皿はありましたが、あの灰皿は「昔の物」のシンボルですね。


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「ゴジラVSコング」 アダム ウィンカード監督 米 ○

2021-07-08 | 2021映画評


「ゴジラVSコング」 アダム ウィンカード監督 米 ○

 ハリウッド版ゴジラとコングがそれぞれ活躍するモンスターもの第4作目です。
 なにかに怒ったゴジラがまた海から登場し暴れだしました。怒りの原因が不明なまま対抗措置としてスカルアイランドで飼われているコングを開放しゴジラと戦わせることにします。実はゴジラはあるとんでもない物体を感知し怒っていたのです。一方ゴジラに対し高性能なメカゴジラを開発していたチームも登場し、あわやゴジラもやられるかと思いきや・・・。
 
 ゴジラとコングだけでなく、メカゴジラやさまざまな恐竜?が登場し「ジュラシックワールド」風でもありました。今作は主な舞台が香港で賑わっていた街が怪獣たちにすっかり踏みにじられてしまいました。香港の民主主義が大きな怪獣に叩きのめされている昨今を彷彿とさせる内容でした。

 タバコは、なし。無煙です。


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「Arc アーク」 石川慶監督 ✗✗

2021-07-07 | 2021映画評


「Arc アーク」 石川慶監督 ✗✗

 ケン リュウ原作の近未来が舞台のSF短編小説を映画化しました。
 リナ(芳根京子)は17歳で出産し、子どもを産院に置いて逃げ出します。その後ボディワークスという遺体を保存する会社のエマ(寺島しのぶ)にスカウトされ数年後にはエマの後継者となります。一方エマの弟天音(岡田将生)は不老不死の薬剤の研究をしていました。天音と結婚したリナはその処置を受けます。数年後には人類のほとんどがその処置を受け不老不死となるのですが、一方反対する人々もいて人類は二分化されるのでした。

 昔から不老不死は人類の憧れでもあり恐れでもあります。当分の間は現実的ではありませんが「ガンの特効薬」とか「アルツハイマー病の治療薬」とか高額医療はその前触れかもしれません。「生」と「死」それぞれの意味をもう一度考えさせる作品です。アークは環の意です。
 倍賞千恵子がラストにちょっと登場しましたがやはり存在感はダントツでした。
 なお、コロナで仕事がなくなっているパフォーマーの皆さんには仕事ができて良かったのではないでしょうか。現実的に生活していかなければならない人々に貢献した作品です。

 タバコは、小林薫が数回喫煙しました。(✗)「動物に危害を加えていません。」といういつものテロップがでましたが、つまり小林はカメ(メロス役)以下ってことなのかな。(✗)




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