無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

汽車はふたたび故郷へ

2012-05-31 | 2015以前の映画評


「汽車はふたたび故郷へ」 オタール イオセリアーニ監督 仏グルジア ×∞

 旧ソ連のグルジアで映画作りをしているニコは厳しい検閲に嫌気がさしフランスへ行きます。しかし今度は商業性ばかりを追求する製作者たちとうまくやっていけません。結局ニコは思い通りの作品を撮ることができず故郷へ舞い戻ってくるのでした。
 映画作りをテーマにした作品は多いのですが、本作も監督自身そしてつらい経験をした仲間たちへ捧げられたものです。あまりむきにならずどこでもひょうひょうとしている主人公は監督そのものらしいです。ただ、その主人公に今一つ魅力がなく全体にだらだらした感じになってしまい残念です。
 もう一つ残念なのはタバコがほとんど出ずっぱりだったことです。(×∞)中学生にも喫煙させるし、女性もモクモク、食事中もモクモク、動物の前でもモクモクでした。どうでもいいけど「グルジアってこれでやっていけるの」って心配になります。

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孤独なツバメたち ~デカセギの子どもに生まれて~

2012-05-30 | 2015以前の映画評


「孤独なツバメたち ~デカセギの子どもに生まれて~」 津村公博、中村真夕監督 ×

 浜松で暮らす日系ブラジル人の青年たちを追ったドキュメンタリーです。2007年から撮影開始していたところ、2008年のリーマンショックでブラジル人を含む大量の労働者が解雇されました。子どもたちは日本で教育を受けていましたが、帰国を迫られるなど生活環境は親の都合もあり不安定なものとなりました。ブラジルに戻った人たちのその後もインタビューしています。日本の大企業に都合よく使われ放り出されるデカセギのブラジルの人たちを知るとこの国の真の姿が見えてきます。規制緩和という名のもと、低賃金、過酷労働など労働者を使い捨てにするこの国に未来はあるのでしょうか。
 ブラジルに戻った一人の少女が働きながら夜間の学校に通うのを見るとブラジルの方が「学びたい子ども」への環境が整っているように思えました。日本は貧しい。
 タバコは未成年と思われる少年少女も喫煙していました。低所得者ほど喫煙率が高いという報告の通りで、気になるところです。


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ポテチ

2012-05-29 | 2015以前の映画評


「ポテチ」 中村義洋監督 ○ ☆☆ 無煙映画賞候補作

 伊坂幸太郎原作で仙台が舞台の短編を中村監督が常連の濱田岳主演で映画化しました。きっかけは3・11だそうです。直接震災に触れてはいませんが仙台で映画を撮るということに意味があるのでしょう。伊坂+中村+濱田のゴールデントリオが織りなす奇妙な出会いやおかしみのある会話、その中に潜む深い思い・・・。タイトルのバーベキュー味と塩味の「ポテチ」(ポテトチップスの略)のやりとりに涙する濱田君の姿は感動的です。チラシの二人の男の姿とポテチの二つの味にはそれぞれ深い意味があるのです。「訳が分かんない」という人は見終わってからじっくり考えてくださいね。涙のわけがわかったときこの映画の真の感動が胸にあふれてくることでしょう。(☆)仙台で撮影したことにもう一つ(☆)です。
 タバコはなし。無煙です。中村監督も出演していますが、このごろ肌と歯がきれいになってきたような気がします。

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ガール

2012-05-28 | 2015以前の映画評


「ガール」 深川栄洋監督 ×××

 ガールと言っても年齢はほぼ30代の女性たちが、恋、結婚、仕事、子育てにそれぞれ悩みながらも奮闘している姿を描いています。おしゃれなファッションも見どころではありますがそれよりも、シングルマザーが仕事と子育てに励む姿は泣かせます。女が生きにくい社会ですがめげずに頑張って生きましょう。
 タバコはおしゃれなバーで女性の上司が一服します。最近では珍しくFCTC(タバコ規制枠組み条約)をあざ笑うかのような火のついたタバコの大アップがありました。(××)深川監督は前作でも喫煙場面が多く、タバコ会社と大変仲が良いようです。デパートのファッションショーの控室で関係者の男性社員3人がそろって喫煙(×)、売り物の服の中で喫煙するデパート関係者なんていないでしょう。デパート関係者をなめてますね。主役のガールとそのパートナーたちが喫煙しなかったことはよかったです。


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虹色ほたる ~永遠の夏休み~

2012-05-24 | 2015以前の映画評


「虹色ほたる ~永遠の夏休み~」 宇田鋼之介監督 東映アニメ □

 父親をバイク事故で亡くした少年ユウタが以前父親と昆虫採集に訪れたダムのある村を訪れます。不思議な老人と出会いユウタは1977年にタイムスリップします。なぜか「いとこのサキコ」がユウタを迎え、「おばあちゃん」の家でひと夏を過ごします。ケンゾーという友達もでき、ほたるがたくさんいる美しい水辺にも連れて行ってもらいます。ただ、サキコにもなにか悲しい秘密があるようでした。もうすぐダムに沈む村で、ひとりまたひとりと故郷を去っていく友達との別れの場面は、原発事故で住み慣れた土地を追い出され、散り散りに避難している子どもたちの姿と重なり、常に利権のために人々を苦しめる資本家や政治家への怒りを感じさせます。ラストで「それでも、子どもたちは今を生きる そして未来へ」というメッセージはフクシマの子どもたちに捧げたいと思います。  
 タバコですが、お店の看板に1度「たばこ」の文字がありました。(□)祭りの場面で露天商の男がタバコのような白いものを口にくわえていました。アニメなので実害はありませんが、アニメだからこそ、あえて「たばこ」の文字をいれたのはタバコの広告をしたということで大変残念です。


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ファミリー・ツリー

2012-05-22 | 2015以前の映画評


「ファミリー・ツリー」 アレクサンダー ペイン監督 米 □ !

 楽園と言われているハワイのオアフ島で弁護士をしているマットは妻と二人の娘とともに幸せに暮らしていたはずでした。しかし、妻がボート事故で昏睡状態になってしまいました。娘二人は次々と問題を起こし、その上なんと妻が実は浮気をしていたのです。仕事ばかりしていて家族を顧みなかったマットは関係を修復しようと奮闘するのでした。
 原題は「Descendants 末裔」で、マットは家族の問題の他に先祖伝来の自然豊かな広大な土地を売りに出すことを親族とともに検討していました。妻の浮気の相手は不動産屋で、この土地の売買の話も絡んでいたのです。
 いつもはダンディな役のジョージ クルーニーがあたふたする父親を好演しました。問題を解決するために成長していく娘たちの姿もいいです。なぜかいつもついてくる言葉使いの悪い長女の男友達も実は深い悲しみを抱えていて、「ハワイに暮らしていても人生は楽じゃない」という宣伝文句を肯かせます。
 タバコは冒頭で、ハワイに住んでいると「ガンも軽い病気(?)」というナレーションの時になぜかタバコを持った女性が映り(□)、親族が集まったガーデンパーティで一人の男性が喫煙(△)していました。しかし、次女のセリフに「○○はタバコを吸っていて臭いからいや」というタバコを否定した場面があったので総合的に判断して□です。


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ダーク・シャドウ

2012-05-21 | 2015以前の映画評


「ダーク・シャドウ」 ティム バートン監督 米 ××

 魔女によってヴァンパイアにされたうえ生き埋めにされたバーナバス コリンズ(ジョニー デップ)は目を覚ますと、なんとそこは200年後の1972年でした。その間に水産業で街を起こした名門のコリンズ家も魔女の会社に乗っ取られすっかり落ちぶれていました。コリンズ家を魔女の手から守るため立ち上がるのですが・・・。
 もとはと言えば200年前に魔女とは知らず召使の娘をもてあそんだことが不幸の始まりです。バチが当たったとしか言えません。パワーハラスメントには気を付けましょうね。
 70年代の音楽が画面からあふれ出していてその時代を知っている人には音楽を聴くだけでも満足できるかもしれません。「ある愛の詩」の原作本を読む場面もあり、200年とはいきませんが40数年前にタイムスリップできそうです。
 タバコは72年ということを考慮しても魔女や精神科のセラピスト(女性)が平気で喫煙するのはいかがなものでしょうか。(××)そのほか工場で働く労働者など、ちらほらタバコが映りました。


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この空の花 長岡花火物語

2012-05-15 | 2015以前の映画評


「この空の花 -長岡花火物語」 大林宣彦監督 × ☆

 天草で地方新聞の記者をしている玲子は長岡に住む昔の恋人から「花火を見に来ないか」と誘いの手紙をもらいます。長岡の新聞の連載「まだ戦争に間に合う」を書いていた記者の和歌子に案内され、長岡の歴史だけでなく広島、長崎、福竜丸そして福島など戦争の被害と加害、そして原発について学びます。
 きっかけは花火ですが、長岡の花火は鎮魂のためということで戦争だけでなく中越地震、そして東日本大地震も含め歴史ドラマともなりました。ドキュメンタリータッチで描き、ベテランの監督が映画の新しいスタイルで、3・11以降監督が思うところを「これでもか」という力強さで作品にしました。気持ちの伝わってくる内容です。
 タバコは大変残念なことに玲子を案内するタクシー運転手役の笹野高志が喫煙しました。また、戦争当時の長岡大空襲を紙芝居で再現する場面で父親が空襲のさなかに喫煙しました。ありえませんね。大林監督は2010年に心臓の大手術を受け死線をさまよった(キネマ旬報5月下旬号)にもかかわらず、まだタバコが血管の病気の原因になっていることは理解していないようです。まさに「認知の歪み」です。

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レンタネコ

2012-05-14 | 2015以前の映画評


「レンタネコ」 荻上直子監督 ○

 さみしい人の心の穴を埋めてくれるネコをレンタルする「レンタネコ」をしているのは一人暮らしで結婚願望が強いサヨコです。歩いているとネコがついてくるほどネコに好かれていたおばあちゃんに影響され、寄ってくるネコは飼ってしまいます。そして、さみしい人にそれぞれに合ったネコを貸しているのでした。いくつかのさみしいエピソードはどれも現実的で今を映し出しています。オープニングからエンディングまで工夫がされていておもしろい作品となりました。結婚願望の強いサヨコが墨で描いた紙を壁に貼って目標とすることは素晴らしいやり方です。実は私も同様のことをしているのです。「○○をつぶすぞ!」と。
 タバコはなし。無煙です。ネコだけではなく俳優さんも喜んでいることでしょう。


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歌旅 劇場版

2012-05-13 | 2015以前の映画評


「歌旅 劇場版」 翁長裕監督 △ ☆

 2007年東京フォーラムでの中島みゆきコンサートを再編集し「劇場版」としました。楽曲中心でファンには嬉しい作品です。映画館の大スクリーンと迫力あるスピーカーでコンサートに行けない人もライブの雰囲気が楽しめます。
 ライブでは遠くから眺めているといった感じでしたが、これだと歌い手の表情がよくわかります。歌手中島みゆきの歌心がガンガンと伝わってきました。
 しかし、問題もありました。無煙に決まっていると思っていたところ、エンドロールにバンドメンバーが楽屋で打ち合わせしながら喫煙している場面がありびっくりがっかりでした。(△)それも歌手の前で平気で喫煙するメンバーというのはファンでなくても怒ってしまいます。本人も「受動喫煙」についてもっと神経質になってほしいですね。タバコの害を甘く見ない方がいいと思いますよ。「受動喫煙」で咽頭がん、肺気腫になったらもう歌えなくなります。また、映画は劇場の明かりがつく最後の1秒までがその作品です。エンドロールとはいえ、うっかりではすまされません。
 < 同時上映 「荒野より」 プロモーションビデオ × >
 こんなつまんないビデオ見たくもない。父親が喫煙するのはその場面を観客に見せるためとしか思えません。演出としても、「歌旅」の余韻を楽しむ時間にいきなり見せられ「なんだこりゃ」でした。この父親はなぜか早死にします。これはタバコを吸っていたからと言いたかったのでしょうか。


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