無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ

2016-06-30 | 2016日本語映画評


「TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ」 宮藤官九郎監督 ☓☓☓

 宮藤官九郎脚本監督のコメディ(?)。
 修学旅行中のバス事故で憧れの女子に思いを告げることもできず地獄に落ちてしまった大介(神木隆之介)が地獄のロックバンドの面々に指導されながら、なんとか地獄を脱出し、思いを遂げたいと努力する姿を描いています。地獄には初めて聞いたようなルールがあってギター演奏合戦などで閻魔様のご機嫌を取ると転生のチャンスを与えられるらしく、大介はギターの練習を始めます。果たして大好きな彼女に出会えるのでしょうか。
 地獄の描写がうるさすぎ、何を言っているのかはっきり聞き取れない、画面もにぎやかすぎて収拾が取れていません。小ネタのギャグもテンポが早すぎてついていけず、監督一人の気持ちが完全に空回りしています。いい俳優がキャスティングされているにもかかわらずメイクがくど過ぎて誰が誰やらわかりません。せっかくの名演奏も迷演奏になっています。発想は面白いものがあり、くどくない監督に撮らせると本当のコメディに出来上がったのではないかと残念でなりません。
 タバコは、地獄で何人かが喫煙していました。(☓☓☓)喫煙者は地獄行き、って言うことですか。


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嫌な女

2016-06-30 | 2016日本語映画評


「嫌な女」 黒木瞳監督  ☓  ☆

 桂望実の小説が原作です。どうしても映画化したかった黒木瞳が結局自ら監督をして完成させました。
 弁護士の徹子(吉田羊)の所にいとこの夏子(木村佳乃)が数年ぶりに現れます。結婚破棄の後始末の依頼が目的でした。地味で真面目な徹子に対し、夏子は子供の頃からわがままで徹子には嫌な思い出しかありませんでした。相変わらず自分中心の夏子に徹子は振り回されますが、なぜか自分にはない魅力を持つ夏子の存在が徹子にも影響を少なからず与えるのでした。詐欺師紛いの行為をして夏子が貢いでいた男をギャフンと言わせるラストは痛快です。佐々木希が出番は少ないもののあの役は可愛いだけじゃない彼女にしかできない役でした。拍手!
 冒頭の軽快な音楽がワクワク感を盛り上げ一気に映画の世界にはいれます。どの場面でも音楽の選曲はお見事でした。ネタバレになりますが、ラストで木村佳乃が歌う「竹内まりやの名曲」は素晴らしかったです。「ババア」とも罵られることもある、アラフォー世代の女性達の裏も表も肯定的に描かれていました。名場面の一つにバス停で十代の女子の生足、徹子と夏子、そして高齢の女性、というスリーショットはなかなか意味深いものがありました。また、落ち込んでいる徹子を励ます、弁護士事務所の職員みゆき(永島暎子)が用意するスウィーツも女性監督ならではの選択です。プリンが食べたくなりました。今年の女性映画の筆頭になるのではないでしょうか。(☆)
 タバコは、夏子がパチンコ屋でタバコを持っている場面がありました。(☓)また、悪役の男が「悪役そのもの」と言った感じで喫煙し、こちらはマイナスイメージがかなり強く出ていました。


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クリーピー 偽りの隣人

2016-06-23 | 2016日本語映画評


「クリーピー 偽りの隣人」 黒沢清監督 ◯

 引っ越し先の不気味な隣人に犯罪の匂いを嗅いだ元刑事の犯罪心理学者夫婦が大きな事件に巻き込まれる恐怖を描きました。恐怖を描かせたら右に出るものがいない黒沢清監督の真骨頂です。久しぶりに楽しめました。
 刑事時代に大きな失態をし、今は犯罪心理学者として大学で教鞭をとる高倉(西島秀俊)は妻康子(竹内結子)と愛犬マックスとともに一戸建ての家に引っ越してきました。挨拶にでかけたところどちらの隣人も奇妙な対応でした。ある時、職場の同僚が未解決事件の調査中、高倉の目がある事件に引き寄せられました。その6年前の一家失踪事件を刑事の野上(東出昌大)に詳細を調べてもらいます。一方、隣人の西野(香川照之)はマックスを通して妻の康子に近づいていました。西野の娘澪(藤野涼子)は高倉に「あの人父親ではありません。知らない人です。」と近づいてくるのでした。一体何が起きているのでしょうか。
 黒沢監督得意の恐怖演出満載で音楽、光、風、落ち葉、古い建物などが「クリーピー(ぞっとする)度」をあげています。楽しい映画ではありませんが、誰もが持っている(かもしれない)恐ろしい人格を描いている作品です。
 タバコは、なし。無煙です。さすがに国際的に活躍している監督ですね。
 

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植物図鑑 運命の恋、拾いました

2016-06-23 | 2016日本語映画評


「植物図鑑 運命の恋、拾いました」 三木康一郎監督 ◯

 ベストセラー作家有川浩原作の小説を映画化しました。
 不動産会社に務めるさやか(高畑充希)は駐輪場で樹(岩田剛典)と出会います。「拾ってください。」と言われとりあえずカップ麺を食べさせ一晩泊めてあげます。翌日には手作りの朝食とお弁当が用意されていました。礼儀正しくよく働く樹を半年の約束で同居させ、さやかは毎日おいしい食事に満たされるのでした。休みには野草を「狩り」にでかけ二人で食事の準備をするようになり、さやかの気持ちは樹に惹かれていくのですが・・・。
 食事が充実すると人生そのものが豊かになっていく様子を主演の高畑が魅力的に演じています。職場の嫌な上司(ダンカン)に言い返す場面には拍手したくなりました。岩田の魅力もありますが、男性の樹が料理上手なこと、女性のさやかが「料理はできない。」などジェンダー的にも女性観客には気持ちの良い作品です。紹介される料理が素朴なものが多くその点にも好感が持てました。フードディレクターはどなたでしょうね。
 タバコは、なし。無煙です。さすがEXILE関係者。

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マネーモンスター

2016-06-16 | 2016外国語映画評


「マネーモンスター」 ジョディ フォスター監督 米 ◯ NTS

 投資関連テレビ番組がジャックされたことがきっかけとなって、株価の操作をしていた真の悪者をあぶり出します。
 リー(ジョージ クルーニー)がキャスターをするテレビ番組「マネーモンスター」は一般投資家の株売買に影響を与えていました。今朝も順調に番組を開始した直後、突然銃と爆発物を持った男にジャックされます。リーは男に爆弾ベストを着せられ人質になります。男の要求は「生放送を継続すること、全財産を失った原因を探ること」でした。ディレクターのパティ(ジュリア ロバーツ)は安全を確保するため犯人を興奮させないようリーに司令を出し続けます。一方、スタッフに命じて大暴落の真相を割り出させます。警察は交渉役に犯人の同棲相手の女性を探しだしますが、効果はありませんでした。犯人へさまざまなアプローチをすることでいつしかリーと犯人の関係が変わっていきます。暴落の真相とは・・・?
 監督が女性なだけにそれぞれの立場の女性たちが大活躍するのが小気味良い作品です。株価が世界を股にかけここまでコントロールされていて、結局トップに居る人々だけが利益を得られる仕組みであることを34番の「マネー・ショート 華麗なる大逆転」とは別の切り口から暴いています。
 タバコは、なし。(◯)ですがドラッグの場面は何回か映りました。


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ヒメアノ~ル

2016-06-15 | 2016日本語映画評


「ヒメアノ~ル」 R15+ 吉田恵輔監督 ☓☓

 古谷実原作の連続殺人犯を描いたコミックを映画化しました。
 清掃会社に務める岡田(濱田岳)は先輩の安藤(ムロツヨシ)が惚れているカフェの店員ユカ(佐津川愛美)との恋のキューピット役を頼まれますが、ユカは岡田に一目惚れし、安藤には内緒で付き合い始めます。一方、カフェには岡田の高校時代の同級生森田(森田剛)がユカのストーカーのように通っていました。実は森田は高校時代凄惨な虐めにあっていて精神が壊れていて次々とためらいなく殺人を犯していたのでした。ユカと岡田、そして安藤は森田の狂気に引きずり込まれてしまうのでした。
 森田剛が殺人鬼を怪演しています。顔色も悪く(実生活でもニコチン依存症?)、頬がこけ肉体的にも不健康さが漂っています。演技とは思えないほど自然に殺人鬼になっていました。
 森田が体験した虐めは「犯罪」です。今の高校生に見てほしいけれど年齢制限があり残念です。
 ちなみに「ヒメアノ~ル」とは爬虫類の「ヒメトカゲ」の意味らしいです。言われてみれば主演の森田はヒメアノ~ルそのものでした。タイトルに深い意味があるのですが、タイトルには誰もが理解できる広辞苑に出ている言葉を選んでほしいものです。
 タバコは、精神を病んでいる森田が喫煙者で、禁煙の公園で喫煙し、パトロールのおじさんに注意される場面がありました。(☓)ですがマイナスイメージは強いです。ムロツヨシが1度休憩時間に喫煙しました。(☓)


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オオカミ少女と黒王子

2016-06-15 | 2016日本語映画評


「オオカミ少女と黒王子」 廣木隆一監督 ◯

 少女コミックが原作です。
 高校生のエリカ(二階堂ふみ)は仲間はずれになることを恐れ、見栄を張って「恋人がいる」と嘘をついてしまいます。街で出会ったイケメン男子を盗撮し「彼氏」にしますが、実は同じ高校の生徒でした。訳を知った恭也(山崎賢人)は「イヌになるなら彼氏のふりをしてやる」と言い、「ご主人と犬」の関係になるのでした。嘘をつき続けることに疲れ本当のことを仲間に告白しますが、その頃には本当に恋をしていたのでした。
 二人が訪れるお店や町並み家並みがそれぞれ個性的で魅力がありましたが、イケメン男子と自惚れている男子(鈴木伸之)に魅力がなくただ髪の色が茶髪なだけで、地味な日下部くん(吉沢亮)の方が実はずっときれいな顔立ちをしていました。これからがたのしみです。
 高校生が主役の作品を見ていていつも感じるのですが、「勉強はいつしているの?」高校生なら少しは勉強しなさい!ついでにもうひとつ苦言を「ご主人様」とか「ついて来い」とか男だからって偉そうにするんじゃない!監督や製作者のみなさんもう少し社会の変化を勉強しなさい!
 タバコは、なし。無煙です。ここだけはほめてあげましょう。◯


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サブイボマスク

2016-06-15 | 2016日本語映画評


「サブイボマスク」 門馬直人監督 ☓

 ミュージシャン「ファンキー加藤」が寂れていく地方の商店街を活気付けるために奔走する青年団長を熱演しました。
 道半町(みちなかばまち)にシングルマザーとなってもどった雪(平愛梨)を迎えたのはとなり町に大きなショッピングモールができ寂れる一方の元気の無い町でした。同級生の春雄(ファンキー加藤)と自閉症の権助(小池徹平)は商店街に活気を取り戻すためライブを始めます。ある時、春雄はレスラーだった父の形見「サブイボマスク」を身につけることをひらめきます。マスクシンガーとして雪も協力しインターネットを利用し拡散させます。一気に道半町は有名になり商店街にも人が戻ってきますが、いいことばかりではありませんでした。
 地方が舞台の人情喜劇です。ファンキー加藤の歌が盛り上げています。また、春雄と権助は名作「ギルバート・グレイブ」のジョニー・デップとディカプリオを彷彿とさせました。(ちょっとほめすぎかな)もうひとつ、映画の内容とは直接関係ありませんが、封切り時にファンキー加藤の不倫騒動が持ち上がりそれが集客につながらず逆にハンディになってしまったようで残念なことでした。九州地震の被害を受けている大分県が舞台なので応援する意味でももっと皆さんに観てほしい作品です。
 「サブイボ」とは映画を見ていて理解したところでは「サブイ(寒い)時に出るイボ」つまり「鳥肌」「感動して鳥肌が立つ」という意味でしょう。(広辞苑にも出ていました。)
 タバコは、となり町の職員でゆるキャラのネギ男(後に悪役)が休憩時喫煙(☓)しました。


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64 ロクヨン 後編

2016-06-13 | 2016日本語映画評


「64 ロクヨン 後編」 瀬々敬久監督  ☓☓
 
 35,「64 ロクヨン 前編」の続きです。
 ざっくりと前編の流れの復習もあり、すんなり後編に入れました。
 「ロクヨン」と呼ばれた昭和64年の7日間に起きた誘拐殺人事件があと1年で時効になるという平成14年に「ロクヨン」を模倣する誘拐事件が起きました。犯人は「ロクヨン」の関係者なのでしょうか、それとも警察内部の隠蔽体質への内部告発をするための狂言なのでしょうか、前編よりはずっと面白い展開でした。相変わらず警察広報と記者クラブとの派手な応酬に加え、今作では「地方の記者対中央の記者」、「警務部対刑事部」、「キャリア対ノンキャリア」など男たちのどろどろとした対立が内容のほとんどでした。そんな中で真犯人を静かに追い詰めていた被害者役の永瀬正敏が珍しくタバコも吸わずいい演技をしていました。もうひとつ小田和正のテーマ曲が内容とは全く違って穏やかで落ち着いていました。声を荒げて自己主張する男より小田さんの方がずっと人の心を動かします。
 タバコは、前編同様警察も記者たちも喫煙していました。ただ、主役級は佐藤浩市と奥田瑛二が1回手にしていたくらいで、エキストラの皆さんが吸わされていました。お気の毒です。(☓☓)


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デッドプール

2016-06-11 | 2016外国語映画評


「デッドプール」 R15+  ティム ミラー監督  米  △

 「Xメン」シリーズのスピンオフ作品です。自己中の「アンチヒーロー」が恋人を救うため戦います。
 ウェイド(ライアン レイノルズ)は悪いやつを懲らしめカネを稼いでいましたが、ある時、ヴァネッサ(モリーナ バッカリン)と出会い結婚を決意します。しかし、末期がんに侵されていることがわかります。失意のウェイドをある民間の研究組織が「ガンを治す人体実験をしてみないかと。」誘います。その人体改造で不死身の肉体を手に入れますが、見た目は醜く変わっていました。赤いコスチュームとマスクで顔と肉体を隠し「デッドプール」となり、だましたフランシスに対し復讐を誓うのでした。
 ヴァネッサと出会った時の「子供時代の不幸自慢」は悲惨です。また、人間の価値が「見た目」なのか「心」なのか、「おバカ映画」と自称していますが結構深い問いかけもしています。アクションシーンのストップモーションが大変良く出来ていました。オープニングとエンドのクレジットがそれぞれ工夫されています。明るくなるまで席を立たないこと。
 タバコは、ならず者がたむろしているバーで周囲の客が喫煙していました。(△)「子供時代の不幸自慢」のなかで二人に共通していた虐待のひとつが「タバコの火を押し付けられる」でした。


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