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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「家なき子 希望の歌声」 アントワーヌ プロシエ監督 仏 ○

2021-02-27 | 2021映画評


「家なき子 希望の歌声」 アントワーヌ プロシエ監督 仏 ○

 フランス児童文学の名作を実写映画化しました。
 11歳のレミ(マロム パキン)は南フランスの田舎で母と二人貧しいながらも幸せに暮らしていました。パリに出稼ぎに行っていた父親が怪我をして働けなくなり戻ってきます。父親は拾い子だったレミを旅芸人の親方ヴィタリス(ダニエル オートゥイユ)に売ってしまいます。レミは親方と芸をする犬のカピ、猿のジョイクールとの旅暮らしが始まります。親方はレミの歌の才能を見出しただけでなく文字を教え別れた母親に手紙を書くこともできるようになるのでした。ある時お金持ちのイギリス人から車椅子の娘リーズの誕生パーティーに芸を披露する機会があり、レミとリーズはお互いに打ち解けあうようにます。その出会いがきっかけとなりレミの本当の両親と出会うのですが・・・。

 原作は子どもの頃から知っていましたが、記憶のイメージを裏切らない映像化でした。英仏を舞台にした時代劇として楽しめます。「氏より育ち」の逆(血は争えない?)なのがちょっとひっかりますが、そういう物語だからしかたありませんね・・・。
レミ役の少年が「今だけできる役」を幸運にも好演しているのはもちろんですが、もしかしてそれ以上なのが犬のカピです。パルムドッグ賞まちがいなし!
冒頭のホラーのような出だしが意外で面白く、また、ラストのレミのセリフをお聴き逃しないよう。

タバコは、なし。無煙です。


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「ライアーXライアー」 耶雲哉治(やくもさいじ)監督 ○

2021-02-25 | 2021映画評


「ライアーXライアー」 耶雲哉治(やくもさいじ)監督 ○

 金田一蓮十郎原作のコミックを実写映画化しました。
 大学生の湊(森七菜)には両親の再婚で同年齢ながら義理の弟となった透(松村北斗)がいます。湊は地味ですが、透は子どもの頃からモテモテでした。なぜか同じ大学に入学しましたが、「近寄らない」という念書を書かせていました。
 ある日、湊は友人に頼まれ女子高生ギャルに変装し渋谷で撮影モデルをしている時、透と出会い一方的に恋をされます。成り行きで「みな」と名乗りその場は切り抜けますがその後も女子高生となって付き合ってしまうのでした。大学生の湊は「日本史同好会」の活動で幼馴染の烏丸(小関裕太)と出会い告白されます。「みな」と透、湊と烏丸、そして湊と透の複雑な関係は一体どうなるのでしょうか。

 タイトルから嘘をついているのは一人ではないことから、ラストは予想できその上そのとおりになるという意外性のない内容です。また、いくら変装しているからと言っても別人と思うわけない、ありえない、やっぱりコミックの世界です。日本史同好会の部室とメンバーが面白くそこだけが救いでした。(映画ドットコムの評価が「4.1」ってこれもありえない!)
 勉強になったのはエンドロールのスタッフに「コロナ担当」という人が3人もいたことです。映画業界もコロナに負けず頑張って欲しいとエールを送りたいです。

 タバコは、なし。無煙です。合コンシーンなどもありましたが、無煙でした。「コロナ対策」上もこれからは喫煙シーンはありえない、かもしれません。ひとことアドヴァイスさせていただけば、撮影中の喫煙所も喫煙時はマスクを外すため三密を避ける指導をよろしくおねがいします。


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「モンテッソーリ 子どもの家」 アレクサンドロ ムロ監督 仏 ○ ☆

2021-02-22 | 2021映画評


「モンテッソーリ 子どもの家」 アレクサンドロ ムロ監督 仏 ○ ☆

 イタリア人マリア モンテッソーリが20世紀初頭に始めた「モンテッソーリ メソッド」による幼児教育法に乗っ取り現在フランス最古のモンテッソーリ幼稚園を2年3ヶ月追ったドキュメンタリーです。

 監督自身に子どもが生まれ育児法としてモンテッソーリ法を知り取材をはじめました。
 ルーベにある幼稚園では2歳半から6歳までの幼児を1クラスにしてさまざまなモンテッソーリ教具の中静かに教育をしています。「子どもはお仕事が好き」ということで、包丁を使ったりハサミを使ってお花を生けたり子どもたちはやりたいことを自ら選んで始めます。中には何も見つからず友達がしていることをだまって見ていたり、ただウロウロしていたりする子も、眠くなってうたた寝をしている子もいます。何をしてもいいのですが、じゃまをしたり大声を出したりする子はいません。教師も声を出しません。教師はここぞという時にしっかり子どもの手助けをし、そのときは他の子が話しかけても「今はこの子だけ」と一人の子に集中します。その結果子どもも集中して取り組めるようになるのです。

 教具を含め環境整備がきちんとされていてうらやましい限りです。人が生きることに大切なことは6歳までに身につける、という提言はそのとおりでしょう。教育関係者や子育て孫育てをしている人には是非見てほしい作品です。(☆)「集中」は大事!

 タバコは、なし。無煙です。


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「羊飼いと風船」 ツマツェテン監督 中国 ✗

2021-02-19 | 2021映画評


「羊飼いと風船」 ツマツェテン監督 中国 ✗

 チベットの草原を舞台に祖父、ドルカルとタルギュの夫婦、3人の子どもたち、そしてたくさんの羊とともに暮らす人々の生活を描きました。
 寄宿学校が夏休みとなり尼寺にいる母親の妹とともに長男が草原地帯の家族のもとに帰省しました。妹は教師との恋愛のトラブルで尼僧になったのでした。迎えに行った学校で偶然相手の男と再会し「僕たちのことを書いた」と小説を渡されます。姉はその本をストーブに投げ込んでしまいます。一方一人っ子政策がこのあたりまで浸透し家族計画が奨励される中、コンドームを子どもたちが風船にして遊んでしまい、ドルカルは4人目を妊娠してしまいます。さて、どうしたらいいのでしょうか。

 時代設定がよくわからないのですが、馬はバイクに変わっていますが、トラクターが移動に使われ車はまだ普及していません。携帯電話はありますが、まだみんながもっているほどでもない・・・。という時代です。
 この作品でも妻と夫が言い争いになったとき負けそうになった夫は妻を叩いてしまいます。その結果は取り返せないことになります。チベットも力で女性を言いなりにできる時代は終わっているようです。
 もうひとつ、大変興味深かった習慣は、羊を売るときに相手と民族衣装の袖の中で指を使って売値の交渉をしていました。日本でもフグの取引などで今も似たようなことをしています。取引の民俗学としてどのあたりまでこの習慣が広がっているのか調べたら面白そうです。

 タバコは、夫が喫煙者で4人目を生むかどうか悩んでいたとき「煙草も酒もやめるから」と言います。字幕の「煙草」は「タバコ」にしましょう。外来語はカタカナで。また、男性教師も喫煙者でした。(✗)


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「すばらしき世界」 西川美和監督 ✗

2021-02-18 | 2021映画評


「すばらしき世界」 西川美和監督 ✗

 人生の半分を刑務所で過ごしていた男の社会復帰を描いた佐木隆三の「身分帳」を原案に西川美和が脚本を書きました。
 元ヤクザの三上(役所広司)は刑期を終え出所します。身元引受人の庄司(橋爪功)の助けで部屋や仕事を探します。テレビディレクターの吉澤(長澤まさみ)はライターの津乃田(仲野太賀)にカメラをもたせ「生き別れの母親を探してあげる」と言って三上の取材を始めます。三上は健康を害していることもあり仕事は見つからず生活保護を受けながら奮闘するのですが、時に彼の一本気さが裏目に出て暴力を奮ってしまうのでした。

 弁護士の庄司夫妻、生活保護担当者(北村有起哉)、万引誤認逮捕したスーパーの店長(六角精児)などが三上と関わる中で彼の人間性を認め親身に相談に乗ってアドヴァイスする行動が「すばらしい」悪人はほとんど登場しないのですが、意外な職場に嫌な奴がいます。ドラマの展開上仕方がないのですが「サイテーにイヤな奴」でした。
 梶芽衣子(庄司の妻)キムラ緑子(極道の妻)のベテランふたりが存在感のある演技でした。長澤まさみもちょっとイヤな奴を好演しました。
 難を言えばタイトルからラストが想像できてしまうこと。細かいことでもうひとつ、自転車はあそこに置くと盗まれます。部屋の前まで運ぶともっと現実的でした。

 タバコは、津乃田が喫煙者、またチンピラが喫煙していました。(✗)


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「燃ゆる女の肖像」 PG12 セリーヌ シエマ監督 仏 ✗✗

2021-02-15 | 2021映画評


「燃ゆる女の肖像」 PG12 セリーヌ シエマ監督 仏 ✗✗

 18世紀、フランスブルゴーニュ地方の孤島を舞台に肖像画家とそのモデルとなる女性との短い恋を描きました。
 画家のマリアンヌは見合い用の肖像画を依頼され孤島のお屋敷に着きます。女主人から娘のエロイーズの肖像画をミラノのお相手に5日後に送る必要があること、しかし、本人は結婚を嫌がり先に来た男性の肖像画家は絵を描くことを断念したこと、そのためとりあえず散歩の相手をしながら極秘に絵を書いてほしいと言われます。侍女のソフィ(ルアナ バイラミ)からはじつはエロイーズの姉が結婚相手だったのだが死んでしまい急遽妹のエロイーズが候補となったことを知らされます。ふたりは音楽や文学の話をするうちにお互いを理解しあいます。事実を知ったエロイーズは一応完成をした肖像画を見て「これは自分ではない」と批判し、きちんとモデルになるので書き直してほしいと言います。女主人が島を離れている間3人は女子校の合宿のように楽しい時を過ごし難題も片付けるのでした。

 男性の登場人物は皆無ですが、見えない存在として見合いの相手、ソフィの秘密の相手などが存在はします。男性の偏った判断から解放された女性たちの自由で結構したたかで楽しい5日間が描かれています。恋は終わり残酷な再会もしますが、演じた俳優それぞれが素晴らしくまた、厳しい自然や村の小さな祭りでの心に響く拍手だけが伴奏の歌(これも女性だけ)が印象的です。

 ジェンダー的には数年後マリアンヌが展覧会で好評を得た作品ですが、自分の名前ではなくやはり画家だった父親の名前を使っていたのは女性の名前ではきっと不利だったのでしょう。

 タバコは、画家のマリアンヌが屋敷に着いた晩にパイプをふかします。(✗)また、二人が仲良くなってからエロイーズから「タバコはある?」と聞かれふたりで喫煙します。でもエロイーズは修道院にいたのでタバコなど吸ったこともないのになんでいきなり興味を持つのかちょっと疑問です。(✗)


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「ファーストラヴ」 堤幸彦監督 ○ 角川 ☆

2021-02-13 | 2021映画評


「ファーストラヴ」 堤幸彦監督 ○ 角川 ☆

 島本理生の直木賞受賞サスペンス小説を北川景子主演で実写映画化しました。
 父親を殺害した容疑で娘の環菜(芳根京子)が逮捕されました。その事件に興味を持った公認心理師の由紀(北川景子)は担当弁護士庵野迦葉(中村倫也)に相談の上環菜に面接します。環菜は精神的に混乱していましたが、彼女の不安定さに対し由紀自身もどこか共感する思いを感じていました。庵野とともに環菜の生育歴を知る人から過去に何が起きたか取材を始めます。その結果さまざまなおぞましい事実が浮き上がってくるのでした。環菜は本当に父親を殺したのでしょうか。

 父親、母親、それぞれが問題を抱えていながら見ないふりをし続けていたために一番弱い立場の子どもが犠牲となっています。それは環菜だけでなく庵野も由紀もその被害者のひとりです。また、異常な行為をだまって受け入れてきた側にも責任はあるといえます。ジェンダーの問題を含め多くの問いかけのある作品です。
 北川景子の演技が光っています。過去に傷を持つ由紀を支える夫我們を窪塚洋介が穏やかに好演しています。高岡早紀、木村佳乃のベテランふたりが豪華に脇を固めて見ごたえのある作品にしました。

 タバコは、なし。無煙です。


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「ミッドナイト・ファミリー」 ルーク ローレンツェン監督 米メキシコ合作 ✗✗

2021-02-11 | 2021映画評


「ミッドナイト・ファミリー」 ルーク ローレンツェン監督 米メキシコ合作 ✗✗

 メキシコシティで闇救急を稼業にする一家の姿を追ったドキュメンタリーです。
 人口900万人のメキシコシティには公共の救急車が45台未満しかありません。そこで民間の救急車の需要が高くオチョア一家も「闇で」救急車を走らせています。救急要請をキャッチするとかっ飛ばして現場に向かいます。ライバルの救急車を強引に追い抜いてとにかく一番乗りを目指します。せっかく患者をつかんでも料金が支払えない場合もあります。その上警官には賄賂を払わなくてはならず夜中中一家で働いていてもいつもまともな食事すらできないのでした。

 公共の医療が不十分なだけでなく警察官もお金で動く、救急要請者はデートDVの被害者、ドラッグ中毒の父親に虐待された乳児など社会が抱えるたくさん問題があぶり出されます。国民皆保険を守らなければと考えさせられます。

 タバコは、ちょっとメタボで薬を飲んでいる父親をはじめ成人の男性が喫煙していました。(✗)


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「私たちの青春、台湾」 フー ユー監督 台湾 ✗✗

2021-02-10 | 2021映画評


「私たちの青春、台湾」 フー ユー監督 台湾 ✗✗

 2014年に台湾で学生を中心にした「ひまわり運動」のリーダーと中国人留学生で人気ブロガーの二人を追ったドキュメンタリー作品です。
 学生を中心にした社会運動が広がり2014年3月18日には立法府を占拠しました。リーダーとなったチェン ウェインは中国本土に行ったり、香港の民主活動家に会いに行ったりと活動の幅を広げ後には選挙に立候補することにもなります。一方彼らの活動をずっと近くで見ながらブログという手法で公開していた人気ブロガーの中国からの留学生ツァイ ボーイーは中国にいる家族から反対されながらも社会活動に参加していました。
 ところが、それぞれに思いも寄らないできごとが起きるのでした。

 「青春の思い出はほろ苦い」というのが定説ですが、それにしてもちょっと痛すぎる展開となりました。だからといってなにもせずに傍観していることは問題の解決にはなりません。苦くても痛くても黙っていないで行動を起こさなくては・・・。と客観的には青春という年齢ではない筆者ですが改めて考えました。でも「痴漢」はだめだな。

 タバコは、チェン ウェインはじめ男性活動家の何人かが喫煙していました。(✗✗)
 

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「さんかく窓の外側は夜」 PG12 森ガキ侑大(もりがき ゆきひろ)監督 ○ 松竹

2021-02-08 | 2021映画評


「さんかく窓の外側は夜」 PG12 森ガキ侑大(もりがき ゆきひろ)監督 ○ 松竹

 ヤマシタトモコ原作のホラーコミックを実写映画化しました。
 子どもの頃から幽霊が見えることで変人扱いされていた三角(志尊淳 しそん じゅん)は働いていた書店で霊媒師の冷川(岡田将生)に出会い一緒に除霊をしないかとリクルートされます。仕事は主に刑事の半澤(滝藤賢一)から持ち込まれ早速連続殺人事件の捜査協力を依頼されます。一方呪いの力がある女子高校生ヒウラエリカ(平手友梨奈)はある男に指示され女性弁護士(北川景子)に呪いをかけ始末していました。
 呪いで社会を混乱させる集団と除霊師コンビの戦いが始まるのでした。

 進行中の連続殺人事件と冷川と半澤が出会うきっかけとなった宗教団体の大量殺人事件の謎解きが組み込まれちょっと複雑でその上「呪い」が目に見える恐ろしい姿で現れます。鍵となる万華鏡の映像が美しくちょっと気持ちが休まります。
 この作品の鍵は「呪いをかけるとかけたものにその分蓄積される」つまり誰かに「死ね」というとその言葉が自分の中に澱として溜まっていきいつか自身を破壊する、ということでしょうか。
 町を歩くエキストラのみなさんが全員黒の服で画面を統一し妙に落ち着いていました。

 タバコは、なし。無煙です。(○)


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