「サバカン SABAKAN」 金沢知樹監督 ☓☓
1980年代の長崎を舞台に少年二人のひと夏の体験を描きました。
作家の久田(草なぎ剛)は編集者から重宝なゴーストライターとして扱われていましたが、そんな自分に嫌気もありました。そんなときふっとあの夏の思い出が頭をよぎりました。
小学5年生の久田(番家一路)はケンカばかりしている仲の良い両親(尾野真千子、竹原ピストル)と弟の4人賑やかに暮らしていました。夏休みに同級生の貧しい竹本(原田琥之佑)から「イルカを見に行こう」と誘われ自転車に二人乗りをして冒険の旅にでかけます。途中みかん山のじいさん(岩松了)に追いかけられたり不良に絡まれたり、溺れそうになって謎の若い女性に助けられたりします。
そのときに寿司屋の握り寿司のサンプルを見て久田は「食べてみたいなあ」とつぶやきます。それを聞いた竹本は「今度作ってやる」と言い、久田は竹本の家を訪れます。見た目はオンボロでも中は小綺麗な竹本の家で厳かに振る舞われたのがなんとサバ缶の寿司でした。また、竹本の家は漁師の父親は亡くなり、母(貫地谷しほり)が一人で5人の子を育てていることを知ります。
仲良くなった二人ですが別れは突然訪れるのでした。
ふたりの少年が印象的な演技をしています。どちらもこれからが楽しみです。登場するちょっと変わった人々が映画を楽しくしています。タイトルが出るまでの冒頭の音楽(大島ミチル)がいいです。両親役はあの二人しか思い浮かばないほど適役です。「どうして僕を選んだのか?」という久田の問への竹本の答えが胸に沁みます。
感動的な作品ですが、いくらなんでも竹本くん可哀想過ぎるのでは。(脚本 金沢知樹、萩森淳)
エンドロールの後おまけの場面あります。明るくなるまで席を立たないように。
タバコは、父親の竹原が子ども二人の前で喫煙2回ほどしました。(☓)屋外の場面でしたが子どもの前では虐待になります。(☓)セクハラが一般化したように「スモハラ(スモークハラスメント)」もいずれ問題になってきます。竹原もタバコ露出が多いけれどいつまでも吸っていると歌が歌えなくなりますよ。