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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

少女は自転車にのって

2014-02-25 | 2015以前の映画評


「少女は自転車にのって」 ハイファ アル マンスール監督 サウジアラビア ×

 10歳の少女マジダが女性の行動には様々な制限がある社会で「自転車に乗りたい」という思いをなんとか達成しようとする姿をしたたかにそしてキュートに映画化しました。サウジ初の女性監督の作品です。
 マジダは男の子の友達アブダラと自転車の競争がしたいのですが、母親は「女の子が自転車なんて」ととりあってくれません。800リアルの自転車を買うために学校で催される「コーラン暗唱大会」に1000リアルの賞金目当てに応募します。それまでは問題児のワジダでしたが、「心を入れ替えて」コーランの練習に励むのでした。
 自転車や自動車に乗れない女性たちは行動が制限され仕事の場も限られます。母親はそんな生活を不便に思いながらも「そういうもの」と受け入れています。髪もショートにしたいけど「パパが長い髪が好みだから」、条件のいい職場も男性と一緒に働くのは「パパが嫉妬するから」とパパのせいにしてあきらめています。しかしそのパパも結局は男の子を生めないからと第二夫人のもとへ去ってしまいます。そんな母親を直接非難することはしませんが、ワジダは彼女なりに新しい生き方を切り開いて行くところが共感の持てる作品です。
 タバコは、夫とうまくいかなくなった母親がベランダで喫煙します。女性の行動に制限が多いイスラム社会ですが喫煙には寛容なのでしょうか。また、悩んだときには「タバコ」という発想も世界共通の刷り込みですね。

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土竜の唄

2014-02-22 | 2015以前の映画評


「土竜の唄」 三池崇史監督 ××

 正義感が空回りして問題を起こしてばかりいる警官の菊川(生田斗真)は退職を宣告され、なんと暴力団に潜入調査を命じられます。俗称パピヨン(堤慎一)と兄弟の杯を交わして幹部に近づいて行きます。果たして無事大物を逮捕することができるのでしょうか。
 組長の実の息子月原(山田孝之)が組では禁止されている薬物の取引をしていますがその現場を押さえることが、薬物被害を心から憎んでいる菊川にとっての一大使命でした。パピヨンは関西の組との抗争で大けがをし、不気味な月原と相棒の関係となります。その間には暴力場面が度々あり、「あまちゃん」で人気の宮藤官九郎脚本らしい笑いのネタはありますが、暴力団と笑いは結びつきにくいのか、それほど笑えない作品となりました。
 タバコは、菊川の警察での上司役の遠藤憲一が数回喫煙(×)、声が勝負の遠藤にはのどを大切にしてほしいものです。また、ヤクザ役の堤、上地が喫煙(×)しました。


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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

2014-02-21 | 2015以前の映画評


「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」 ジム ジャームッシュ監督 米英独 △

 世紀を超えて愛し合っている吸血鬼のアダム(トム ヒドルストン)とイヴ(ティルダ スウィントン)の日常をユーモアと現代文明への皮肉も込めて描いています。主役の二人の美貌とスタイルで映画史上最も美しい吸血鬼が誕生しました。
 デトロイトで音楽活動をしているアダムの元へ遠距離恋愛をしていたイヴがモロッコのタンジールからたずねてきます。ふたりで再会を喜びましたが、悪名高い妹のエヴァ(ミア ワシコウスカ)が現れます。ロマンチックなふたりの生活はぶち壊しになるのでした。
 21世紀の吸血鬼は原則的には人を襲うことはしません。血液は医者と取引をし、血液型もばっちり合った血液を手に入れていたり、吸血鬼なのにりんごマークのスマホを使いこなしていたり、クスリと笑える小ネタも散りばめられています。また、20世紀に繁栄したデトロイトも廃墟となってしまっていたり、21世紀は水が原因で戦争になるだろうと予想していたり、吸血鬼の時代を見る目はなかなか的確です。アダムが音楽家ということもありテーマ曲だけでなくレバノンの女性歌手などの音楽も印象的です。
 タバコはタンジールのカフェで他のテーブルの客が喫煙していました。(△)なお、「最近の血液は気をつけないと体に悪い。」という表現があり、喫煙者の血液は吸血鬼も好きではないようです。

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麦子さんと

2014-02-20 | 2015以前の映画評


「麦子さんと」 吉田恵輔監督 ××

 アニメの声優を目指し、アルバイトでお金を貯めている麦子(堀北真希)は兄(松田龍平)と暮らしています。そこへ顔も覚えていない母親(余貴美子)が急に現れ同居することになりました。しかし、末期がんだった母親はあっけなく死んでしまいます。兄は頼りにならず、麦子が納骨のため故郷に一人で向かうのでした。そこで知ったのは母親が自分とそっくりで、なんとアイドルを目指して上京したということでした。
 母親と麦子が似ているからと言っていい大人が大騒ぎし過ぎです。その上、いくら母親の若かった頃を知ったとはいえ長い間逢いにも来なかった親を簡単に許せるとは思えません。話がうまくでき過ぎです。余貴美子ほか中年の俳優が好演していましたがいまひとつ説得力のない作品となりました。
 タバコは、兄の松田が小さなキッチンの換気扇の下で喫煙していましたが、その程度のことで受動喫煙の害が防げると思ったら大間違いです。(×)また、禁煙補助剤のCMに出演していたタクシー運転手役の温水洋一が乗車の前に喫煙している遠景が数回映りましたが、吸っているかいないかはともかく、居酒屋のテーブルの上にタバコと安物のライターを置いて、タバコの宣伝をしていて、そういうことは人としての義に欠けているのではないかと思いました。(×)
 なお、劇中歌の「赤いスイトピー」は、歌詞のように「タバコの匂いのシャツに寄り添って」いるとタバコを吸わなくても受動喫煙で肺がんなどのタバコ病に罹患すると言う「赤いスイトピー症候群」の語源となった歌です。


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ハロー!純一

2014-02-18 | 2015以前の映画評


「ハロー!純一」 石井克人監督 ××

 小学校3年生の純一のクラスにミニスカートの教育実習生(満島ひかり)がやってきたことで繰り広げられる珍騒動のお話です。
 純一(加藤亜門)は仲良しの6人組でいつも一緒にいます。純一はクラスの前田さん(芽奈)から借りた消しゴムが返せない気弱な性格です。一方、仲間の倉本が母親のために万引きをしたことで、倉本のためにみんなであることを計画するのでした。
 小学生は無料と言う「史上初の大作戦」だそうですが、子役たちの演技に自然さがなく大げさで途中イライラさせられます。その上、中学生が小学生をいじめたり大人たちはすぐに暴力をふるうし、無料でも小学生に見せたくない作品です。後半は一応物語の面白さはありますが、中途半端になってしまいました。前の席で観ていた人は眠りをし、目が覚めたとおもったら立ち上がって出て行ってしまいました。その程度の作品ということでしょうか。
 タバコは大問題で、実習生の満島が校舎の裏でたびたび喫煙します。(×)その上、子役の加藤が近くに来てもタバコをわざわざ近づけ、虐待をしていました。(×)学校敷地内禁煙のルールも守れない実習生と言うのはいかがなものでしょうか。なお、そのタバコのせいか満島がどうみても大学生に見えず、場末のスナックのママにしか見えませんでした。タバコを吸い続けると歌も歌えなくなりますよ。

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ハンナ・アーレント

2014-02-18 | 2015以前の映画評


「ハンナ・アーレント」 マルガレーテ フォン トロッタ監督 独仏ルクセ ××××

 ユダヤ人の哲学者ハンナがナチスの戦犯アイヒマンの裁判をレポートし、その内容にユダヤ人社会から厳しい避難を受けたのでした。実話に基づいた映画化です。
 理解ある夫や友人たちに囲まれ順調な研究生活をしていたハンナ(バルバラ スコヴァ)ですが、アイヒマンの裁判傍聴レポートは「アイヒマンは何も考えていない、命令のままに虐殺をしていた小役人にすぎない。」と論評します。その主張は、「根源的な悪」ではなく「悪の凡庸さ」という言葉に置き換えられ、「思考すること」の必要性を訴えるのでした。ところが生涯の友と思っていた人や大学からも批判を受けハンナは孤立しますが、信念は決して曲げないのでした。
 ハンナの行動そのものの評価というより、今を生きる人々にも多くの「思考のきっかけ」を与えてくれたことが大ヒットの理由だと思います。世間に迎合した記事を書かず、脅されたり孤立したりしても主張を曲げない生き方はなかなかできることではありません。社会の様々な問題と闘っている人々に勇気を与えているのかもしれません。もし、ハンナと同じことを男性の学者が主張したらどうなっていたのでしょうね。
 タバコは、60年代とはいえほとんどの場面でタバコを吸っているモクモク作品でした。(××)夫や友人も喫煙し(×)、夫は脳動脈破裂で倒れますがそれでもなんとか生還します。しかしながら退院後もまだ喫煙を止めませんでした。(×)唯一アメリカ人の友人ふたりがドイツ人たちが喫煙するテーブルからはなれ「煙ったいわよね。」と言った一言だけが救いでした。なお、ハンナは心臓発作により69歳でこの世を去りました。
 ハンナの分析を「タバコ問題」に置き換えると、「根源的な悪は、財務省とタバコ会社幹部そしてタバコ族議員たち」そして「凡庸な悪は、騙されていることに気づかずタバコの有害物質を振りまいている喫煙者たち」ということでしょうか。 


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ビフォア・ミッドナイト

2014-02-15 | 2015以前の映画評


「ビフォア・ミッドナイト」PG12 リチャード リンクレイター監督 米 ×

 18年前「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」で出会い、9年前「ビフォア・サンセット」で再会した恋人たちの今を3作とも同じ監督、主演も同じイーサン ホークとジュリー デルビーが演じています。世界の映画の中でも多分初めての試みではないでしょうか。
 6週間の夏休みをギリシャの避暑地で父親ジェシー(イーサン ホーク)と過ごした息子をアメリカの別れた妻のもとへ返すために空港へやって来た父と子のあまりかみあっていない会話から始まります。その後、現在の妻と双子の娘たちとともに滞在していた別荘へ帰る車の中で今度は延々と夫婦の会話が続きます。夫婦の会話は別の場面でも延々と繰り返され、脚本があるのかアドリブなのかわかりませんが本当に会話だけで成り立っている作品と言えます。アメリカ、フランスでも女が子育てをしながら仕事をすることはなかなかしんどいことのようでした。そんな言いたい放題のふたりにどんな夜がくるのでしょうか。
 タバコは、別荘の持ち主夫婦がくわえタバコで食事を準備し、みんなで食事をしているときにもその夫婦は平気で喫煙していました。(×)ギリシャは喫煙率が高いという噂通りでした。ちなみに子どもたちはその場にはいませんでしたが。 

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メキシカン・スーツケース

2014-02-14 | 2015以前の映画評


「メキシカン・スーツケース」 トリージャ ジフ監督 西 メキシコ △

 2007年にメキシコで見つかった3つの箱の中には、70年前ロバート キャパらが撮影したスペイン内戦のネガが入っていました。ネガの発見をきっかけにスペイン内戦とメキシコに亡命したスペイン人たちを追ったドキュメンタリーです。その貴重な写真はいつしか「メキシカン・スーツケース」と呼ばれるようになりました。キャパと仲間のゲルダ タローとデヴィッド シーモアの写真も含まれ、3人の写真家の足跡と亡命したスペイン人の記憶を重ね、過去から学ぶことの大切さを再認識させられます。マイケル ナイマンの音楽が大変効果的でした。
 タバコは、メキシコ人の証言者のサッカー仲間がひとりタバコを持っていました。(△)過去の写真には意外にもほとんど映っていませんでした。亡命する人々はタバコを吸う余裕はなかったのでしょうね。

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ニシノユキヒコの恋と冒険

2014-02-13 | 2015以前の映画評


「ニシノユキヒコの恋と冒険」 井口奈己監督 ○

 川上弘美原作。見た目も性格も経済的にも問題がなく、その上女性に対して常に優しいニシノ(竹野内豊)のそばにはいつも女たちが取り巻いていました。しかし、うまくいきそうになりながらも女の方から去って行きニシノは孤独でもありました。そんなニシノの人生を今旬の女優たちが競演し、RとかPGとは全く無縁のゆるーい作品にしました。麻生久美子、木村文乃、尾野真千子、成海璃子、本田翼他に狂言回し役として中村ゆりかなどが魅力を発揮しています。また、湘南の景色や犬、猫、その他の小動物がゆるさを強調していました。ニシノをはじめ登場人物が経済的に満ち足りているようで社会的な問題提起とかはまったくありませんが、たまにはのんびり見る映画もいいかもしれません。エンドロールのイラストもいい雰囲気でした。
 タバコはなし。無煙です。(○)なんと、横浜の名映画館ジャック&ベティがこぎれいに変身して登場していましたが、いつも置いてある薄汚い灰皿はありませんでした。ない方がずっとおしゃれなのに・・・。やればできるね!ジャック&ベティ!
 なお、井口監督は前作の「人のセックスを笑うな」で汚れた灰皿賞でした。今回は俳優スタッフをタバコの害に曝さず大変良かったです。

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危険な関係

2014-02-12 | 2015以前の映画評


「危険な関係」 ホ ジノ監督 ×××

 時を超え何回か映画化されている18世紀に書かれたフランスの名作「危険な関係」が原作です。舞台は1931年の上海です。富裕層がパーティーに明け暮れる中、女性実業家のジユ(セシリア チャン)は自分を捨てて16歳の小娘を選んだ男に復讐するために、プレイボーイのイーファン(チャン ドンゴン)に小娘を誘惑するように頼みます。しかし、イーファンは遠い親戚の貞淑な未亡人フェンユー(チャン ツイイー)に興味を持ちます。そしてジユとイーファンはフェンユーを口説けるかどうか賭けをしますがその賭けは思わぬ方向に展開するのでした。
 中国香港韓国のスターが競演(日本のスターが入っていないのが寂しいです。)するだけでなく、豪華な衣装とインテリアなど見所は盛りだくさんです。でも、恋愛はゲームにしてはいけませんね。
 タバコは、主役のジユとイーファンがたびたび喫煙(×)。また、ふたりがタバコの火をやり取りする思わせぶりな演出もありました。(×)周囲でも使用人などが喫煙(×)し、モクモクでした。タバコの演出に気を使う前に、もっと気を使うところがありましたね。ラストでイーファンの右手に血がついていなかったのです。その前の場面ではドアにふれた右手が血だらけだったのにおかしいです。こういうところにもっと気を使ってほしいものです。


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