無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

東京オアシス

2012-01-30 | 2015以前の映画評


「東京オアシス」 松本佳奈、中村佳代監督 ○ 

 小林聡美演ずる女優の「トウコ」は何かから逃げていますが、行く先々で出会う人(加瀬亮、原田知世、黒木華)との会話を通して、もう一度新たな気持ちで歩みだす勇気を取り戻します。
 淡々とした内容でアクション(加瀬亮が回転レシーブは見せるけど)もなく、恋や愛ということばも、もちろんハダカもなく暴力もありません。たまにはこういうおだやかな作品も新鮮です。ただ、難を言えば冒頭の車につけたカメラで映した映像が延々と続きちょっと酔いそうでした。
 タバコはコンビニの場面でマイルドセブンのポスターが半分映ったほかはタバコフリー無煙でした。映画館のロビーの「禁煙」という表示がかなり長い時間映っていました。JTのCMに登場している森岡龍と禁煙表示が並んで映っているのはなかなかいい場面でした。
 

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世界のCMフェスティバル 2011 in OKINAWA

2012-01-30 | 2015以前の映画評


「世界のCMフェスティバル 2011 in OKINAWA」 ジャンクリスチャン=ブーヴィエ製作 仏 ○

世界の傑作CMを上映するフランス生まれのイベントです。思わず笑ったり、考えさせられたり、何のCMなのか最後になってびっくりしたりします。日本ではちょっと下品な表現が他の国では許されていたり、たかがCMですが世界は広いなと再確認できます。
 個人的にはアムネスティの死刑廃止を訴える作品や、動物愛護の団体などの企業ではないNGO、NPOの作品がよかったです。なお、2010年現在の死刑廃止国は139か国、死刑存置国は58か国です。
 日本の桐たんすの一瞬芸的な作品やパイロットボールペンの生物進化をモチーフにしたシンプルな作品、そして、特別上映の九州新幹線の市民参加型の壮大な作品もよかったです。
 そしてベストワンはなんといっても「反タバコ団体」のCMです。タバコを直接非難するのではなく「グローバルな大企業だけど多くの人を殺している企業には就職したいとだれも思わない」という切り口で迫り興味深い内容でした。
 どの作品にもタバコはでてきませんでした。当然といえば当然でしょうが。
 


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さすらいの女神たち

2012-01-28 | 2015以前の映画評


「さすらいの女神たち」 マチュー=アマルリック 仏 ××××

 テレビプロデューサーのジョアキムはトラブルを起こし仕事を失い、アメリカに渡っていましたが、数年後「バーレスクダンサー」を引き連れフランスの港町を興行しながらめぐります。ショーダンサーの舞台裏などをからめながらジョアキムの別居している子供たちや昔の女とのことなどが少しずつ明かされていきます。ダンサーたちはそんなジョアキムとは関係なくショーを盛り上げます。パリに凱旋したかったジョアキムの夢はかなうのでしょうか。
 現役のダンサーたちのこっけいでセクシーで他人の目をものともしない大胆さに圧倒されてしまいます。ダンサーたちが自分の芸に誇りを持ち、お互いを尊重し合っているところはジョアキムだけでなく観客も救われます。
 タバコはジョアキムが常に喫煙(×)ダンサーたちも喫煙(×)子供の前でも喫煙(×)病院でも喫煙(×)と、たいへん喫煙シーンの多い作品でした。ジョアキムを演じたのは監督自身ですが、途中走りながら咳をしていました。COPDを予言しているのでしょうか。
 

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ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~

2012-01-26 | 2015以前の映画評


「ゲーテの恋 ~君に捧ぐ『若きウェルテルの悩み』~」 フィリップ=シュテルツェル監督 
  独 ○ ☆

 1774年若きゲーテは詩を書いていましたが認められず父親から裁判所の書生として働くよう促され、田舎の町へ移ります。そこで、シャルロッテに出会います。二人は恋に落ちますがシャルロッテは父親が選んだ男と婚約してしまいます。恋に破れたゲーテはその思いのたけを「若きウエルテルの悩み」として書き上げたのでした。
 18世紀を再現した重厚な美術や衣装も見どころです。最近はどこの国の話でも英語になってしまい興ざめすることも多いのですがしっかりドイツ語というのもいいですね。ハリウッド映画のアクションと暴力とCGの洪水に食傷ぎみの人にはお勧めです。
 タバコは時代的には流通していたと思われますが、無煙です。その点も評価できます。


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ヒミズ

2012-01-25 | 2015以前の映画評


「ヒミズ」 園子温監督 ×××

 中学3年の住田祐一(染谷将太)は貸ボート屋を営んでいますが、母親は男と遊び、時折あらわれる父親は暴力をふるい、「お前は死ね」と繰り返します。同級生の茶沢景子(二階堂ふみ)は住田の自称ストーカーで彼のことが心配でたまりません。その景子も母親から虐待を受けていました。父親が作った600万円の借金をやくざに取り立てられますが、住田がボート屋の周辺に住むことを許していた震災でホームレスになった男が住田の未来のために600万円を用意します。しかし、弾みで父親を殺してしまった住田は未来を捨て「世の中のために」屑のような人間を殺そうと徘徊をするのでした。ふたりに未来はあるのでしょうか。
 津波の現場から始まる映像はボート屋周辺の場面でも常に暴力がつきまとい、通り魔的犯罪も描かれ、緊張感のある場面が続きます。疲れる作品ですが、そのおかげでラストの感動もひとしおです。園監督が「希望」ということばを知っていたんですね。
 タバコは周囲の大人たちがたびたび喫煙しています。チンピラややくざももちろん喫煙します。名前を出しきれないほどです。ただ、ハッピーな場面では誰も喫煙しなかったのでタバコの本質を表しているともいえます。でも俳優の皆さんは本当に気の毒ですね。

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マイウェイ 12000キロの真実

2012-01-24 | 2015以前の映画評


8、「マイウェイ 12000キロの真実」 カン=ジェギュ監督 韓 □

 1928年日本が占領していたソウルで日本人の辰雄と朝鮮人使用人の息子ジュンシクは出会います。ふたりはともに走ることが大好きでした。夢はオリンピックに出ること。しかし、爆破事件が起きて辰雄はジュンシクに憎しみを持ってしまいます。そして二人が出会ったのは戦場でした。皇国軍の冷酷な上官となった辰雄(オダギリジョー)は強制的に日本軍の兵士となったジュンシク(チャン=ドンゴン)と再会をします。ノモンハンでのソ連軍との死闘の末ふたりは捕虜となり、その後ソ連軍兵士として戦います。しかし今度はドイツ軍との戦い結局敗れてドイツ軍兵士となりノルマンディーにたどり着くのでした。ふたりは子どもの頃の夢だったオリンピックのマラソン選手として出場することはできるのでしょうか。
 韓国映画史上最高の25億円が投じられ、240日の撮影と7000人のスタッフがかかわったというスケールの大きい作品です。特に戦闘シーンがものすごいです。ここまでやらなくてもいいのではないかという気もします。
 タバコは兵士が一服しているとバンと撃たれてしまう、という場面がありました。時代的にはもっと喫煙率は高かったと思いますが、タバコがなくてもまったく問題はありませんでした。タバコだけ時代を反映させてモクモクで中身はどうでもいいようなドラマを制作しているどこかの国の皆さんにはこの作品を観て反省していただきたいものです。

 また、辰雄は日本軍の上官の時は退却を許さず逃げようとする兵士を射殺していましたが、同じことをソ連軍の上官がする姿を見て深く反省をし生き方を変えます。つまり、「人間は変わる」ということを監督は表現したかったのだと思います。喫煙者や禁煙運動を誹謗中傷する輩もいつか「変わる」可能性があると信じてかかわっていきたいものです。


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サウダーヂ

2012-01-23 | 2015以前の映画評


6、「サウダーヂ」 富田克也監督 ×××××∞

 甲府を舞台に、土方、外国人労働者、HIPHOPの若者グループなどが絡み合って繰り広げる過酷な日常を描いています。不況の波は容赦なく押し寄せ、土方の仕事も先細り、外国人労働者は失業し帰国せざるを得ず、ホステスのタイ人女性は国籍問題で悩み、唯一豪華なパーティを催すのは政治家だけという、この国の地方都市の現実を鋭く描いています。
 タバコの映らない場面はないくらいモクモクでした。特に土建屋がくわえタバコで仕事をするのはいかがなものでしょうか。甘ったれているから仕事がなくなるんじゃないの、とも思えます。ブラジル人たちも女性を含めほとんどが喫煙者でした。ホステスたちも客商売なんだから客の前で堂々とタバコを吸うんじゃないの、プロだったら。ラップを歌う若者諸君も歌を歌うならのどを大切にしないといけません。タバコを吸ってる場合じゃないでしょ。パーティ会場でも吸っていましたが、今は禁煙が当たり前です。
 タバコを吸うから貧しいのか、貧しいからタバコを吸うのか考えさせられます。タバコ会社の罠に嵌められていることだけはまぎれもない事実です。何本も吸わされた俳優のみなさんお気の毒様です。

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百合子、ダスヴィダーニヤ

2012-01-23 | 2015以前の映画評


5、「百合子、ダスヴィダーニヤ」 浜野佐知監督 ×

 新進女性作家である中条百合子(一十三十一 ひとみとい)は夫(大杉漣)と19歳の時に結婚しましたが、「女を愛する女」湯浅芳子(菜葉菜)と出会い二人は女性同士ながらも愛し合います。三人は東京と百合子の祖母が住む郡山市を往復しながら愛憎劇を繰り広げるのでした。
 登場人物は少なく舞台を観ているような演出で上等な文芸作品です。女性監督が描く女性は女性の観客には無理なく共感できます。吉岡しげ美の音楽が効果的でした。
ちなみに中条百合子は芳子とモスクワで7年暮らした後共産党員の宮本賢治と結婚し、宮本百合子となります。
 タバコは「男のように女を愛する」という芳子が当時の男のようにタバコを吸います。しかし、手に持っているだけで実際には吸っていません。2回目は灰皿にタバコを押し付けて消す場面でこの時も口にはしていません。受動喫煙の被害はありますが、能動喫煙はさせられていないのでその点は評価できます。でも、タバコを使わなくても演出上問題があったとは思えませんが。


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瞳は静かに

2012-01-22 | 2015以前の映画評


「瞳は静かに」 ブスタマンテ監督 アルゼンチン ×× ☆☆

 1977年軍事政権下のアルゼンチンが舞台です。8歳のアンドレスは母親の突然の死で、兄とともに祖母と父親と暮らし始めます。大人たちは母親の遺品をなぜか焼いて処分してしまいます。「大人の話に口を出すな」と叱られますが、アンドレスは大人たちを静かに観察し会話を盗みききし、何が起こっているのかを探ろうとするのでした。ある夜アンドレスは窓から恐ろしい光景を目にするのでした。
 静かで穏やかな街にも軍事政権の秘密拠点があり市民を見張っていた当時の寒々とした光景が大人たちの静かな目の動きなどから察することができます。アンドレスを演じた子役が映画初出演とは思えない演技を見せます。祖母や父親役も名演技です。アメリカ以外の海外の作品は選りすぐりが多くハズレがないですね。
 タバコは77年ということもあり怪しげな男たちが喫煙したり、病院内でも喫煙していました。また、子供にタバコを買いに行かせる場面もありましたが、今では考えられないことですね。子供がほしがるからとライターを誕生日のプレゼントにあげるのもありえませんが、実はこのライターが重要な小道具となります。ということで秀作ですがタバコ的にはちょっと問題有りの作品です。

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はさみ

2012-01-22 | 2015以前の映画評


「はさみ」 光石冨士朗監督 ××
 
 理容美容学校が舞台の教育をテーマにした映画のひとつです。若者が悩みや迷いを持ちながら技術を磨く姿とそれを支える指導者を描いています。個々の問題はひきこもりや、学費未払いなど、時代を反映したものなのですが、もっとそれぞれがうまくからまるとおもしろくなったかもしれません。ただ、今度美容院に行くときは今まではシャンプーにしてもカットにしてもされるままでしたが、映画で見た訓練の様子を思い出して興味深く感じることと思います。どの職業も一人前になるにはたいへんですね。
 タバコは、さすがに学校内や指導者たちは喫煙しませんでしたが、プロの美容師たちが休憩時間に喫煙したり、居酒屋では周りがモクモクだったり、駅前の喫煙コーナーが映ったりしました。
 プロの美容師としてもちろん技術は必要ですが、客商売なんですからタバコくさいのはもってのほかですね。神奈川では店内は禁煙ですが、美容師が外で喫煙する姿も見られます。そういうところには絶対に行きませんね。サービスとはなにかも勉強してほしいものです。

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