無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ラブ&ピース

2015-06-30 | 2015以前の映画評


「ラブ&ピース」 園子温監督 ☓☓ PPあれこれいろいろ

 職場では「ばか」と言われ、「廃棄」シールを背中に貼られ、いじめられているサラリーマンが、カメと出会ったことで人生が大きく変わっていくというファンタジーです。
 鈴木良一(長谷川博己)は職場では一人前に扱われず下を向いて生きています。ある日、カメを買ったことがきっかけとなり、良一の人生は大きく変わっていきます。まず、夢だったロックシンガーとなり、密かに恋をしていた職場の同僚裕子(麻生久美子)とも付き合えるようになります。実はカメの不思議なチカラが良一にパワーを与えていたのでした。良一の人生はどうなるのでしょうか。
 音楽あり、おもちゃがしゃべるファンタジーでもあり、ペットやおもちゃを大切にしようという教訓的な話なのか、実は反戦的なのか、結局は怪獣映画なの?と盛りだくさんでいくらなんでももう少し内容を厳選してひとつのエピソードをもっと丁寧に撮って欲しかったと思います。おもちゃのしゃべりの場面が長すぎで口の動きと吹き替えがずれていてたるんでいました。監督がやりたいことを全部押し込んでしまったような作品でした。とりあえず、長谷川博己のカメレオン俳優ぶりはお見事でした。
 タバコは、主役級の俳優は喫煙しませんが、脇役のバンドのメンバーが喫煙させられ(☓)、音楽業界は歌舞伎界同様未だに喫煙対策が遅れている様子が伺えました。また、タバコのパッケージがいろいろ使われたり、冒頭のテレビ番組内で討論をしている茂木、津田、水道橋らがみんなタバコ会社の関係者だったりとちょっとイヤーな感じでした。(☓)笑えたのは、エンドロールで「動物を虐待していません。」と流れましたが、人間にはタバコを吸わせて虐待しているのに、人間は動物ではないのかな。


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メイズ・ランナー

2015-06-18 | 2015以前の映画評


「メイズ・ランナー」 ウェス ボール監督 米 ◯

 ベストセラー小説の映画化です。
 高い壁に囲まれた小さなコロニーに月に一度送り込まれるランナーのひとりとしてトーマス(デュラン オブライエン)がやってきます。名前以外の過去の記憶は消されたメンバーたちから高い壁が迷路になっていること、扉が開くのは昼間だけで中には恐ろしい魔物がいることなどを教えられます。迷路の出口を探してランナーたちは走り続けますが、犠牲者も次々出るのでした。そして最後のランナーとして初めて女性のランナーが送り込まれます。その女性はトーマスを知っていたのです。秩序が保たれていたコロニーが分裂し、脱出を目指すグループはトーマスらを中心に走り始めるのでした。
 何かの実験なのだろうとはすぐに解りますが、なぜかれらが送られたのか、この迷路を解くことにどんな意味があるのかは次回2作を観なければわかりません。が「もういいや」と思わせるのは魔物が「エイリアン」から殆ど変わっていないことです。強いて言えばサソリ系とでもいいましょうか、どうしても発想が貧困なのは否めません。その上2時間観た観客にもう少し「なるほどそうなのか」という達成感のようなご褒美が殆ど無くて何だかわからずまだ続くらしいというのはちょっとしんどいですね。
 タバコは、なし。無煙です。 


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シンデレラ

2015-06-18 | 2015以前の映画評


「シンデレラ」 ケネス ブラナー監督 米 ◯ 

 42,に続いてこちらもディズニーの作品です。名作アニメーション映画「シンデレラ」の実写版です。時代とともにシンデレラ像も少し変化しました。
 物語の基本は誰もが知っている展開なのですが、演出が少し変わり、シンデレラは嘆いてばかりのか弱い女性ではありません。ある日、愛馬にまたがり疾走してストレスを発散していましたが、その時に森のなかで王子と出会います。当然のことながら二人は恋に落ちます。その後の話は皆さんご存知のとおりです。
 「トゥモローランド」では1964年と未来世界を再現し、この作品ではおとぎ話の世界を完璧に再現しました。舞踏会の衣装の華やかなこと、かぼちゃが馬車に、ネズミが馬に、トカゲが人間にそしてシンデレラが美しいドレスを纏う場面は、「さすがディズニー」と繰り返すしか言葉がみつかりません。継母役のケイト ブランシェットもシンデレラに負けず魅力的でした。吹き替え版で見たのは失敗でした。ケイトの声が聞きたかった。残念。
 「勇気とやさしさ」で人生を切り開いていく物語なのに、宣伝用のチラシのコピーが「運命を信じる、すべての勇気ある女性へ」って書いてあるのですが、ちょっと違うのではないかと思いました。「勇気と優しさで人生を切り開くすべての女性に」ですよね。
 タバコは、なし。無煙です。


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トゥモローランド

2015-06-17 | 2015以前の映画評


「トゥモローランド」 ブラッド バード監督 ◯ ☆

 ウォルト・ディズニーの最大の謎、そして最高のプロジェクトが実現したSFアドベンチャー作品です。
 1964年、万国博に湧くニューヨークへ大きな荷物を抱えた少年フランクがやってきます。彼は「発明館」へ行き、不思議な少女アテナ(ラフィー キャシディ)からピンバッジをもらい、「私についてきて」と言われます。スモールワールドのボートに乗って辿り着いた先は「トゥモローランド」でした。
 20年後、ケイシーはやはりひょんなことからピンバッジを手にし「トゥモローランド」にたどり着くのでした。
 さすがディズニー、さすがハリウッド、やることの規模が違います。1964年の輝いていた頃のアメリカを再現した場面は見ものです。久しぶりに心地よく、痛快な、そして勇気が湧いてくる希望の映画と出会いました。「未来を諦めない人」だけがもらえるピンバッジを本物は無理でも気持ちだけでも身につけて地球の未来を考えた行動を取りたいものです。アテナ役のラフィー嬢がジョージ クルーニー(おとなになったフランク役)も食われてしまいそうな名演技を見せてくれました。老若男女誰でも楽しめます。言葉が大変きれいで英語の勉強にもなります。
 タバコは、なし。無煙です。その点からもファミリーにおすすめの秀作です。(☆)


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海街diary

2015-06-16 | 2015以前の映画評


「海街diary」 是枝裕和監督 ◯ ☆

 家族を捨てた父が残した妹と一緒に暮らすことになった姉妹の日常を鎌倉を舞台に描きました。原作は吉田秋生のベストセラーコミックです。
 長女幸(綾瀬はるか)次女佳乃(長澤まさみ)三女千佳(夏帆)は父親も母親も家を捨て出て行ってしまい、3人で暮らしていました。そこへ父親が亡くなった知らせが入り、父の残した腹違いの妹すず(広瀬すず)と出会います。実母はすでに亡くなっている妹すずを鎌倉の家に引き取って4人で暮らすことにします。それぞれが個人的には問題を抱えぶつかり合いながらも家族となっていくのでした。
 脇役まで豪華なキャストで舞台の鎌倉の自然も豊かで文句のつけようがない作品です。言いにくいのですが、長澤まさみのお肌がちょっと気になりました。
 タバコはなし。無煙です。海外の映画祭に出品する作品としては当然のことですね。ただ、自販機が一度映りました。しかしながら、禁煙マークは病院内や駅などで数回映りましたし、いつもは喫煙シーンの多い役者たちも今回はすがすがしく演じていて好感がもてました。こうした無煙映画を受動喫煙防止条例のある神奈川を舞台に撮っていただけるのはうれしいですね。 


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寄生獣 完結編

2015-06-15 | 2015以前の映画評


「寄生獣 完結編」 PG12 山崎貴監督 △

 昨年公開された「前編」に続く「完結編」です。
 人間を捕食する寄生生物はその後も勢力を拡大していきました。寄生生物の黒幕広川(北村一輝)が市長となって市民への影響力を増し、ネットワークを広げていましたが、寄生生物のミギーと一体となっている新一(染谷将太)は母親の復讐のため寄生生物と闘いを挑みます。寄生生物の田宮良子(深津絵里)は高い知能で寄生生物中のリーダーでしたが、人間の子どもを産んだことで冷酷な性格が変化していました。一方、田宮によって作られた最強の寄生生物後藤(浅野忠信)とその部下三木(ピエール瀧)が新一とミギーに立ちはだかるのでした。新一を愛する里美(橋本愛)には一体何ができるのでしょうか。
 広川のセリフ「人間こそ地球を蝕む最強の寄生生物ではないか。」という問いかけに対し、私たちは行動を改めなければならないのではないでしょうか。また、「人間とはなにか」という深い問いかけもあり「完結編」を観てこの作品の意味が伝わってきます。間接的ながらも、放射能の恐ろしさもさりげなく表現しています。「前編」の血しぶきシーンでこりてしまった人も是非「完結編」も観てほしいです。
 タバコは、寄生生物を洗い出す警察での面通しの場面で喫煙している人がいました。(△)警察署内で簡単に喫煙できるのかちょっと疑問です。


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イザイホウ

2015-06-12 | 2015以前の映画評


「イザイホウ」 1967年 野村岳也監督 △ ☆

 沖縄本島から5キロ離れた久高島で1966年に行われた神事イザイホウの記録映画です。
 久高島は神が降臨した地と言われ今でも対岸にある斎場御嶽から多くの観光客が拝んでいる聖地です。そこでは従来男は海人として海に出、女は海に出た男を守るために神となって祈りを捧げ日常は畑を守って生きていました。当時は、土地はすべてみんなのもので原始共産制社会でした。午年に行われていたイザイホウは30歳から41歳までの「島で生まれ島で育った女性」が神になる神事で、全国では多くの祭りが観光化されて残されましたが、イザイホウはその後1978年を最後に消滅してしまいました。そのため当時の風俗を知る上でも大変貴重な記録映画です。(☆)長い間監督自身があまりにも神的なので封印していたそうです。筆者もずっと観たかったのですがなかなか機会がなくやっと観ることが出来ました。アミュー厚木に感謝です。
 タバコは船着き場の場面でチラリと映りました。(△)


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予告犯

2015-06-12 | 2015以前の映画評


「予告犯」 中村義洋監督 ☓ ☆

 新聞紙をかぶってネット上で予告をしてから、法では裁かれない見逃れている罪を犯した者に制裁をする「シンブンシ」グループとそれを追う権力側の人々を描いています。
 はじめは食中毒事件を起こしながら反省をしない食品会社の工場で火災が発生、「シンブンシ」からはネット上で予告があり、警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官吉野絵里香(戸田恵梨香)は捜査に乗り出します。しかし、その操作をあざ笑うかのごとく次の事件も発生、とうとう政治家までターゲととなり、公安までもが出てきます。一方、「シンブンシ」のメンバーら(生田斗真、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々)はブラック企業で非人間的な仕打ちを受けたり求職活動をしても奴隷のような仕事をさせられたりしていたのです。はたして「シンブンシ」が行っていることは「悪」なのでしょうか。
 職場のいじめ、臓器売買、子どもの貧困などさまざまな現代社会の矛盾が織り込まれています。実際多くの事件を起こしているのは、「無職」とか「生活のため」が原因で、安心して働ける職場があれば犯罪者にならずにすんだ人がほとんどなのではないでしょうか。社会派エンターテイメントとして大変良く出来た作品です。(☆)ネタバレになりますが、奥田ひとりが罪をかぶり、メンバーを救ったラストは「アテルイ」を彷彿とさせ感動的でした。
 タバコは、ハローワークに来ている求職者たちが喫煙所で喫煙(△)。どうして、どこのハローワークにも外に喫煙所があるのでしょうか。また、脇役ですが本田博太郎が喫煙(△)、求職者の喫煙問題は深刻です。「喫煙者だから職がないのか、職がないから喫煙するのか。」


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新宿スワン

2015-06-12 | 2015以前の映画評


「新宿スワン」 PG12 園子温監督 ☓☓☓☓☓・・・ PPいろいろ
 
 新宿歌舞伎町でスカウトとして生きていこうと決めた男を取り巻く女を食い物にする男たちの馬鹿な闘いを描いています。
 白鳥龍彦(綾野剛)は金も仕事もなく歌舞伎町をさまよっていて真虎(伊勢谷友介)と出会います。真虎の指導でスカウトとなり、「自分がスカウトした女には幸せになってもらう。」と思いますが、もともと堅気の世界ではないので暴力や薬物で女性たちを支配しているのでした。その上2つの組がシマの覇権を取り合って血なまぐさい闘いが続くのでした。
 この作品になにか意味とか意義があるのでしょうか?最近の鈴木おさむ脚本には映画に対する愛が全く感じられないのが大変残念です。少し休んで充電したほうがいいのではないでしょうか。(大きなお世話ですけどね。)「予告犯」のようなすばらしい社会派エンターテイメントは無理でも多少は「この作品をみてよかった。」と思える何かが欲しいものです。
 タバコは、伊勢谷をはじめ山田孝之、村上淳、豊原功補などそろそろ健康問題が出そうな年齢の俳優まで喫煙させられていてお気の毒なことです。(☓☓☓☓☓)脇役の女性たちも喫煙させられていました。当然のことながら、PPもかなりひどく意図的に宣伝している場面が数えきれないほどでした。ちなみに「スワン」は「タバコを吸わん」の語呂合わせから「禁煙」「無煙」のイメージキャラとして活躍している存在です。白鳥が黒鳥になってしまいました。


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夫婦フーフー日記

2015-06-12 | 2015以前の映画評


「夫婦フーフー日記」 前田弘二監督  ☓☓

 17年間友達でいて、やっと結婚したのもつかの間妻にがんが見つかり長男を出産後9ヶ月で亡くなってしまったという悲しいお話で闘病ブログが原作です。
 コウタ(佐々木蔵之介)は長い間グループの仲間だったユーコ(永作博美)とやっと結婚します。そして妊娠がわかり直後に直腸がんであることも発覚し、闘病生活が始まります。作家志望のコウタを常に「書け!」と励ましていたユーコと自分自身を励ますために闘病ブログを発表し続けるのでした。ユーコは亡くなりますがその後はなんと幽霊らしくないユーコが現れコウタを励ますのでした。
 闘病記といえば泣けるドラマとなりがちですが、原作にはないリアルな幽霊を登場させることで笑える場面も多く泣けるコメディとなりました。
 気になるのは妻のことを「ヨメ」と表現していることです。関西のお笑い界などの人がよく使っていますが、「嫁」というのは現憲法下では差別表現なのではないでしょうか。婚姻は両性の合意でなされ、家に女が嫁ぐわけではないのです。もっと素敵な言葉を探してほしいものです。
 タバコは、最近の作品としてはかなりタバコ露出が多い作品で、主演の佐々木、スナックを経営している義理の兄役の杉本哲太が喫煙、(☓)居酒屋やなどでも周囲で喫煙する人が多く、現在に近くなるほど周囲の喫煙率が高くなるというJTの統計とは逆の喫煙率なのが奇妙でした。(☓)ユーコはハンバーガーが大好きで肉食と受動喫煙でがんが発生するという警告的な作品とも言えます。


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