無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

バードマン あるいは 無知がもたらす予期せぬ奇跡

2015-04-24 | 2015以前の映画評


「バードマン あるいは 無知がもたらす予期せぬ奇跡」 
              アレハンドロ G イニャリトゥ監督 米 ☓☓☓

 米アカデミー賞をはじめさまざまな賞に輝いた作品です。 
 かつてヒーロー映画の主役を演じ一斉を風靡していたリーガンですが、今は失意の中にいました。やっと再起をかけたブロードウェイでの舞台で演出主演を進めますが、トラブルが次々と起きるのでした。ドラッグ依存の娘はリハビリ中ながらもいつも家にいなかった父親の舞台を裏で支えようと務めます。また、別れた妻も心配で楽屋を訪ねてきます。リーガンはいまさらながらも自分が家族をないがしろにしていたことに気づくのでした。はたして無事再起できるのでしょうか。
 シリアスでもあり、コメディでもあり、ファンタジーの要素もあり、劇中劇も楽しめ、いろいろ楽しめたので、賞を総なめにしたのかも知れません。
 タバコは、劇の上での相手役の男優が喫煙者で、ベランダで喫煙数回(☓)、劇中では(60年代の話)女優2名が喫煙(☓)、リーガンもイライラした時に大道具のスタッフからタバコをもらって喫煙し(☓)、タバコを吸うために劇場の裏手から外に出たところオートロックで閉めだされ、その上ガウンがドアに挟まってしまいパンツ一丁でブロードウエイを歩くことになってしまいます。これがSNS上で盛り上がり・・・。という顛末になるのですが、タバコを使わなくてもなんとかなるのではないでしょうか。タバコ産業とは関わっていません、とありましたが、アカデミー賞をとる作品は喫煙場面が多いですね。


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さよなら歌舞伎町

2015-04-22 | 2015以前の映画評


「さよなら歌舞伎町」R15 廣木隆一監督 ☓☓☓

 新宿歌舞伎町のラブホテルを主な舞台に、数組の男女の一日を描きました。
 主人公は「一流ホテルのスタッフ」と嘘を付いているラブホの店長徹(染谷将太)。ミュージシャンを目指す沙耶(前田敦子)とくらしています。今日もいつもの退屈な一日が始まりました。そして、彼の店を利用するいろいろな人たちが現れます。明日母親の元へ帰国する韓国人のデリヘル嬢(イ ウンウ)とその彼、AVビデオの撮影に女優として現れた妹、仕事のため好きでもない男と来た沙耶、逃亡犯のホテルスタッフ(南果歩)、不倫の刑事カップル、などのさまざま人生模様が一日の間に繰り広げられます。大震災も忘れられ、ヘイトスピーチが襲い、何事もないかのように時間が過ぎていく都会の中で、それぞれが愛おしい人生を生きているのでした。
 裸になる女優さんたちのおっぱいが大きいことにびっくり、存在感がありました。前田の歌にはがっかり、あれではプロのミュージシャンになれるわけはないでしょう。上映前にわざわざ映画館のスタッフが弾き語りがあると紹介していたので期待したのですが・・・。
 タバコは、染谷数回(☓)イと南、大森南朋が1回(☓)その他灰皿やタバコのパッケージなどあちこちに散りばめられていました。(☓)
 
 なお、この作品はアミュー厚木(神奈川県厚木市)という最近知った映画館で見ました。封切り作品ではなく数ヶ月遅れでメジャー以外の作品を上映しています。見逃した話題作をスクリーンで鑑賞できる機会が増え嬉しい事です。
 ただ、この映画館は古いビルの9階にあり、エレベーター前が喫煙所となっています。この喫煙所は煙が漏れ漏れでエレベーターを待っている間受動喫煙の被害をかなり受けます。なんとか改善してほしいものです。


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女神は二度微笑む

2015-04-22 | 2015以前の映画評


「女神は二度微笑む」 スジョイ ゴーシュ監督 インド ☓! ◎逆PP ☆☆☆

 踊らない、歌わない、インド映画界の本領発揮極上のサスペンスエンターテインメント作品です。
 コルカタの地下鉄毒ガス事件から2年後、失踪した夫を探すため身重のヴィディヤ(ヴィディヤー バーラン)はひとりロンドンからコルカタへやってきます。「夫を探している」美しく身重な彼女は警察も親切に協力をするのですが、夫の名前は職場にも宿泊先にも不思議なことに記載など何もなく、その代わりに瓜二つの男ダムジの存在が浮上するのでした。危険人物のダムジにたどり着くと、国家情報局のエージェントが捜索に介入し、その上ヴィディヤに情報を提供した人物が次々殺されてしまうのでした。果たしてヴィディヤは夫と再会できるのでしょうか。
 予測不能なミステリーです。誰もが「二度見たくなる」どんでん返しが最高です。勇敢なヒロインに拍手。
 ハリウッドでリメイク決定とか、でもどんでん返しはどうするのかな。
 タバコ的にも大変興味深い作品で、オープニングで「動物を虐待していません。」に続き、「喫煙は健康に有害です。」とあり、さすがタバコ規制が進んだインドです。喫煙場面は、国家情報局の嫌なやつ(敵ではないのですが)が「建物内は禁煙」と注意されても、タバコを吸います。(☓)ヴィディヤが「妊婦なのよ、」と抗議しても聞き入れません。ニコチン依存症の症状そのもので、この男はいつも落ち着きがなくイライラしていました。警察署の入り口に禁煙マークがあるのですが。


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君が生きた証

2015-04-22 | 2015以前の映画評


「君が生きた証」 ウィリアム H メイシー監督 米 △

 突然の銃乱射事件で息子とともに人生も失ってしまった父親が、息子が残した歌をうたう事で再生される物語です。
 やり手のサムは大きな契約を取り付け、息子のジョシュと祝杯をあげようとレストランで待ちますが、テレビではジョシュの通う大学での銃乱射事件の速報が流れていました。
 ジョシュを亡くして2年後、会社もやめ荒んだボート暮らしをしているサムのもとに別れた妻が息子の遺品を届けてきます。その中にはジョシュが残した歌詞ノートとCDがありました。いつしかサムもその曲を歌うようになり、場末のライブバーでの飛び入り演奏をします。その歌声と曲に魅了された青年といつしかバンドを組むことになります。喝采を浴びるバンドに成長しますが、サムには人前で喝采を浴びる訳にはいかない過去があるのでした。
 35に続き、こちらも後半になって「そうだったのか」と意表をつかれる作品です。外国語の作品は選ばれて上映されるだけあってハズレが少ないと実感した2本でした。
 名優が名監督になりました。
 タバコは、オクラホマ州のバーは禁煙になっていないのかバーの客が喫煙していました。また、マリファナを回している場面もちらりとありました。(△)


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ソロモンの偽証 後篇・裁判

2015-04-21 | 2015以前の映画評


「ソロモンの偽証 後篇・裁判」 成島出監督 ☓☓☓

 16、の後篇です。冒頭で「前篇」のダイジェストが上映されるので、後篇だけでも一応ストーリーは理解できます。
 校内裁判が主な場面となりますが、裁判を巡って我が子を守るために愚かな行動をとってしまう母親(永作博美)や冷やかし半分のメディアに対し、裁判の準備を進める藤野涼子(藤野涼子)ら生徒たちは整然と立ち向かいます。一方、亡くなった生徒から浴びせられた言葉で我が子が「死のうと思っていた。」という事実を突きつけられた涼子の両親(佐々木蔵之介、夏川結衣)は「親にとって都合のいいところしか子供を見ていなかった。」と気付かされるのでした。
 5日間の裁判でいくつもの嘘と真実が明らかにされ、最終的に立ち会ったすべての人々が得たものは一体何だったのでしょうか。
 「前篇」でも感じたことですが、オーディションで選ばれた若い才能がこれからどう育っていくのか楽しみな作品です。将来は「チームソロモンのひとり」という冠がつくことになるのではないでしょうか。松竹は映画界に大きな財産を残したといえるでしょう。(拍手!)
 タバコは、父親の佐々木蔵之介がキッチンの換気扇の近くで喫煙(☓)、換気扇の下で吸っても受動喫煙の被害は防げません。悪役の記者が喫煙(☓)。また、エキストラの喫煙が目立ちました。(☓)外に出る口実に「タバコ吸ってくる」と言わせるなど大変気になる場面がありました。ただ、前篇では未成年者に喫煙させていましたが、後篇ではタバコをもみ消すだけにしていたので一応は配慮しているのかとも思えました。


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イントゥ・ザ・ウッズ

2015-04-10 | 2015以前の映画評


「イントゥ・ザ・ウッズ」 ロブ マーシャル監督 米英 ◯ 

 「シンデレラ」や「赤ずきん」などみんなが知っているおとぎ話をミックスして「めでたしめでたし」のその後を描いたミュージカルです。
 子供を授からないパン屋の夫婦には実は隣の魔女(メリル ストリープ)の呪いがかけられていたのです。その呪いを解くためには、「赤いマント」(赤ずきん)、「白い雌牛」(ジャックと豆の木)、「トウモロコシのひげ色の髪の毛」(ラプンツェル)、そして「金の靴」(シンデレラ)とそれぞれのお話に登場する重要なアイテムを揃えて魔女に渡さねばならないのでした。そこでパン屋の夫婦は森へ出かけるのですが・・・。
 「WISH 願い」を叶えるためにそれぞれの主人公がとった行動を一つにまとめ、共通に対峙する「悪の存在」を登場させ、みんなで力を合わせて問題を解決するという、構想は面白いし歌や音楽も良かったのですが、いまひとつ説得力のない作品となってしまいました。もちろん「めでたしめでたし」で終わらないことは大人になれば誰もが経験的に学んでいることであえてそれを強調することが必要だったのかという、制作そのものへの疑問が湧いてしまう作品でした。キャストはそれぞれ好演しているのですが・・・。
 タバコは、なし。ディズニー映画です。


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暗殺教室

2015-04-09 | 2014年度無煙映画大賞


「暗殺教室」 羽住英一郎監督 ×

 人気コミックの実写映画化です。
 月を三日月型にしてしまった謎のタコ型超生物がなぜか名門中学校の「おちこぼれ3年E組」の担任になります。おちこぼれの生徒たちに課されたのは「タコ型の担任を暗殺すること。それも1年以内に達成しないと地球を破壊する。」ということでした。タコ型超生物はマッハ20の速さで攻撃をかわし、ヌルヌルとした触手を持ち暗殺を試みる生徒たちを翻弄しますが、実は「どんな生徒も見捨てない。」というすばらしい教育者でもあり、おちこぼれだった生徒たちも学力をつけていくのでした。一方、副担任は防衛庁の暗殺のプロ烏間(椎名桔平)で生徒たちに暗殺技術を指導していました。しかし、そこには邪魔をする防衛庁の鷹岡(高嶋政伸)やタコ型触手を持つ謎の転校生(加藤清史郎)が現れワケがわからなくなり、「つづく」となるのでした。
 タコ型生物の動きや表情がおもしろく、特撮と実写の融合が見どころと言えます。ストーリーは「つづく」なので評価はできませんが、前半を見る限り、「鷹岡」のエピソードはないほうがスッキリしたのではないかと思いますが、後半どうつながるのか、どうまとめるのか気になるところです。
 タバコは、悪役の高嶋政伸が喫煙し、吸殻を靴で踏み潰す場面がありました。(×)

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2014年度無煙映画大賞選考理由

2015-04-08 | 2014年度無煙映画大賞
  各賞の受賞理由を簡単に記します。

・「魔女の宅急便」 (無煙映画大賞作品賞)
 少女が目標に向かって様々な問題や困難を克服して成長してゆく姿をメルヘンタッチの映像で軽やかに描きました。
 
・榮倉奈々 (無煙映画大賞主演女優賞) 出演作品「わたしのハワイの歩きかた」
                       「ミラクル デビクロくんの恋と魔法」
 それぞれの作品で性格や仕事は異なるものの等身大の女性をのびのびと演じ、同年代の女性たちに共感を感じさせ明日への活力となりました。
     
・錦戸亮 (無煙映画大賞主演男優賞) 出演作品「抱きしめたい 真実の物語」
 車椅子の女性と出会い、悩みながらも二人で生きていくことを決めた青年を誠実に演じました。

・周防正行 (無煙映画大賞監督賞) 監督作品「舞妓はレディ」
 津軽から舞妓さんになるために京都の花街にきた少女が言語学者の協力で京言葉をマスターし、芸事にも必死に励む姿を通して、舞妓さんの世界を楽しく描きました。旦那衆も喫煙せず無煙の作品としたことに敬意を表します。また、かつては周防監督は映画の中でタバコを出していましたが2013年の「終の信託」に続き、この作品も無煙となっています。
 
・「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」 無煙映画大賞ファミリー賞 (行定勲監督)
 小学3年生のこっこが「人と違うことがかっこええ」と社会から疎外されがちな人々と屈託なく付き合う姿は多くの子ども達に見せたい内容でした。多くの子役が出演する作品を無煙にしたことは素晴らしいことです。

・「圧殺の海 沖縄・辺野古」 無煙映画大賞特別賞 (藤本幸久、影山あさ子監督)
 沖縄辺野古で行われている暴力的な権力行使の現状を命を張って撮影し続けている映画人魂に対し敬意を表します。この作品が一人でも多くの日本人が鑑賞し「日本の沖縄」を自分のこととして考えることを願っています。

<2014年 汚れた灰皿賞(モクモク賞)> (注3)
「ルパン三世」
「まほろ駅前狂騒曲」
「海を感じる時」R15
「そこのみにて光輝く」R15
「ゼウスの法廷」
  以上5作品を代表して、「ルパン三世」に無煙映画大賞汚れた灰皿賞を授与します。
<理由>主役の小栗旬と玉山鉄二がたびたび喫煙。また、喫煙規制の厳しいタイでも喫煙するなど問題のシーンが多かった。

過去の受賞歴(作品賞) 
2013年度「はじまりのみち」(原恵一監督)
2012年度「しあわせのパン」(三島有紀子監督)
2011年度「ツレがウツになりまして。」(佐々部清監督)
2010年度「アンダンテ ~稲の旋律~」(金田敬監督)
2009年度「おと なり」(熊澤尚人監督) 
2008年度「ハンサム★スーツ」(英勉監督)
2007年度「キサラギ」(佐藤祐市監督)
(2005年、2006年は該当作品なし)
2004年度「父と暮せば」(黒木和雄監督 宮沢りえ、原田芳雄出演)
        

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エイプリルフールズ

2015-04-08 | 2015以前の映画評


「エイプリルフールズ」 石川淳一監督 ××× PPピース

 エイプリルフールの日に7つの嘘の物語が交錯し、登場人物がものすごく多い作品です。
 4月1日、虚言癖がありセックス依存症ニセ医師(松坂桃李)が女を騙している場面から始まり、奇妙な誘拐事件、偽宮様夫婦、老婆の偽占い師などが次々と展開していきます。ニセ医師の子どもを妊娠し、臨月を迎えたコミュニケーション障害を持つ女がニセ医師のいるイタリアンレストランに乗り込んでドンパチをするのですが・・・。
 いくつかのエピソードはそれぞれつながりを見せ、ラストはみんな一応ハッピーにまとまります。現実的には簡単にピストルを撃つことなんかできないだろうし、観覧車の場面では後ろの景色が変わらないし、詰めの甘いところが気になりました。ただ、意外な役をみんな楽しそうに演じていて俳優さんたちの隠し芸大会と思えば許せるかな。
 タバコは、どうしょうもないバカ役の寺島進が、子役のいる側(×)やラーメン屋(×)で喫煙、ゲイのカップル役の窪田正孝が喫煙(×)しました。


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ジヌよさらば ~かむろば村~

2015-04-08 | 2015以前の映画評


「ジヌよさらば ~かむろば村~」 松尾スズキ監督 ×××× モクモク賞候補

 1円も使わないで生きて行く、と限界集落にやってきた若者を描きました。「ジヌ」というのは「ぜに」の方言です。
 元銀行マンのタケ(松田龍平)はお金にまつわる辛い経験から「お金恐怖症」になり、「お金を使わずに生きて行く」ため、東北の過疎の村へやってきました。村長の与三郎(阿部サダヲ)と妻の亜希子(松たか子)はあれこれ世話をしますが、村内には「神様」(西田敏行)や怪しい女子高生(二階堂ふみ)ヤクザ(荒川良々)がいます。そのうえ、村長の過去を知るおかしな男(松尾スズキ)がやってきて村は混乱するのでした。
 限界集落、高齢化率40%、といった社会を舞台に、「お金が全て」といった経済優先の社会構造にメスを入れるのかと思いきや、物語がまとまらずわけのわからない作品になってしまいました。全体的に村長がタケに「田舎をなめてるんじゃないよ。」と何回か言っていましたが、その言葉を「映画製作をなめてるんじゃないよ。」と監督に行ってやりたい出来でした。一から勉強しなおしなさい。誰が制作費を出したのか・・・。
 タバコは、冒頭の荒川の喫煙シーンから始まり村長が経営するスーパーの入り口にはタバコの自販機、タバコの看板があり、阿部、松尾、モロ師岡らが代わる代わる喫煙するタバコ宣伝映画でした。(××××)


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