無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

土竜の唄 香港狂騒曲

2016-12-31 | 2016日本語映画評


「土竜の唄 香港狂騒曲」 三池崇史監督 ☓☓☓☓

 「モグラ」と呼ばれている潜入捜査官と暴力団組織との闘いを描いた高橋のぼるのコミックが原作で、アクション・コメディ「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」の続編です。
 菊川(生田斗真)は潜入捜査官として暴力団のトップを逮捕するために組員となっています。しかし、新たな上司兜(瑛太)は暴力団などとの癒着を決して許さない「清廉潔白」をスローガンにしていました。菊川の警察での立場は微妙になります。一方、ヤクザの世界ではパピヨン(堤真一)に可愛がられ組頭に出世しました。組長轟(岩城滉一)のボディガードになり娘のかれん(本田翼)と出会います。ところが、この娘が組長に破門された「はぐれヤクザのモモンガ」(古田新太)に誘拐されてしまうのでした。モモンガは香港マフィアと組んでいて若い娘の人身売買オークションにかれんを引きずり出します。かれんを救い出すために菊川とパピヨンらは香港に乗り込みますがそこにたちはだかるのは意外な人物でした。
 女性マフィア役の菜々緒のお股開きとか生田のすっぽんぽんなどギリギリの場面はありますが、「G」の作品です。そのせいか劇場には中高生が目立っていました。そのあたりの演出が非常に巧みです。
 ヤクザ対警察となると男性中心になりがちですが、菜々緒と本田翼が健闘していました。特に菜々緒の「ナイスバディ」+「アクション」は見どころです。本田も「清純派女子高生」から脱皮しました。
 タバコは、古田新太が殆どの場面で喫煙し、(☓☓☓)それも一度に4本まとめて吸うなどの演出で「まともではない」ことを強調していました。このあたりの演出も非常に巧みです。また、菊川のセリフに「タバコは吸いません。」がありました。ちなみにノーヘルでバイクに乗る場面があり、それに対しては「バイクに乗るときはヘルメットを」というテロップがありましたが、もうひとつ「タバコは有害です。」も欲しかったです。次回はよろしくお願いします。古田以外は堤が1回その他周囲で何回か(☓)とそれほど多くはなく、ヤクザ映画でもモクモクではなくなったことは評価したいと思います。ただ、古田さんは仕事とは言えお気の毒なことです。この作品に出演するだけで「タバコ指数」が一気に急上昇ですね。


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ある天文学者の恋文

2016-12-31 | 2016外国語映画評


「ある天文学者の恋文」 ジュゼッペ トルナトーレ監督 伊 ◯

 「ニュー・シネマ・パラダイス」「鑑定士と顔のない依頼人」の名匠トルナトーレ監督がデジタル時代だからこそのリアルなファンタジーを描きました。
 天文学者のエド(ジェレミー アイアンズ)と教え子のエイミー(オルガ キュリレンコ)は恋人関係にありました。2ヶ月ほど出張に出たエドでしたが、エイミーの元へ突然訃報が届きます。現実を受け止められず、エイミーはエドを探しますが、そんなエイミーのもとにエドからの手紙やメッセージを録画したDVDが届くのでした。エイミーはエドの痕跡を追ってその謎を解こうとするのでした。
 イタリア映画ですが、英語の作品なのがなんとも残念です。興味深かったのはエイミーが映画のスタントのアルバイトをしていることで、いきなりアクションドラマになったり、さまざまな細工の様子が見られたり、ストーリーとは直接(間接的には関係が実はあるのですが)関係ない場面が面白かったです。
 手紙のトリックなどはなんとなく察することができるので驚く仕掛けはありませんでした。前作の「鑑定士と顔のない依頼人」が面白かったので期待していましたがちょっと拍子抜けでした。
 タバコは、なし。無煙です。87番ではずっとタバコを吸っていたジェレミーが今作では無煙でした。

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奇蹟がくれた数式

2016-12-29 | 2016外国語映画評


「奇蹟がくれた数式」 マシュー ブラウン監督 英 ☓☓☓

 「アインシュタインと並ぶ天才」とも称されたインド人数学者ラマヌジャンと、彼を見出したイギリス人数学者ハーディを描いた伝記映画です。
 1914年ケンブリッジ大のハーディ教授(ジェレミー アイアンズ)のもとにインドから1通の手紙が届きます。そこには素晴らしい数学的発見が書かれていました。独学で数式を発見しているラマヌジャン(デヴ パテル)を周囲の反対を押し切って大学に招聘します。あまりにも天才的なラマヌジャンはハーディ以外の教授から嫌われます。また、宗教の違いなどから差別をされます。一方、ラマヌジャンは実は結婚していて妻を呼び寄せたいもののある事情からそれができませんでした。
 時代は戦争の時代となり、ラマヌジャンも病魔に侵されていくのでした。
 「どうやって数式を発見したのか」という質問に「女神が教えてくれる」と答えるインド人は当時のイギリス人には理解を超えた存在だったため、その才能が十分に発揮されなかったことが残念です。
そういえば女子学生がひとりもいなかったけれどそういう意味でも差別的な時代だったのですね。
タバコは、ハーディ役のジェレミー アイアンがほとんどの場面で紙巻き、またはパイプで喫煙していました。(☓☓☓)ハーディと常に同じ部屋で研究をしていたからラマヌジャンが呼吸器系の病気になったのかもしれません。


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ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

2016-12-28 | 2016外国語映画評


「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」 ギャレス エドワーズ監督 ◯

 「スター・ウォーズ」のメインストーリー(サーガと呼ばれる)から派生した作品で、いわゆる物語の時間的には旧3部作の以前に起きた出来事です。
 凶悪な銀河帝国対反乱軍の戦闘が続くなか、帝国の秘密兵器の設計のために科学者の父親を拉致されてしまいます。そのときに母親は殺され、一人逃げた娘ジン(フェリシティ ジョーンズ)は成長し、反乱軍のスパイとして帝国の基地に侵入し、秘密兵器の設計図を盗み出す作戦に志願するのでした。惑星一つを破壊することも可能と言われる秘密兵器「デス・スター」を帝国の手から奪い取ることができるのでしょうか。
 「スター・ウォーズ」に関連する物語ではあるものの「サーガ」とは別のものなので、あの冒頭のオープニング・クロールはありません。おなじみのキャラクターもちょっとご挨拶程度に登場するだけです。もちろん音楽もあのテーマはごく一部で使われ「別のもの」であることをはっきりさせています。今後「別のもの」が制作できるかどうかはこの作品の成功にかかっていると思われます。(噂では次の主役はあのハン・ソロらしい。)
 感想としては、空中戦だけでなく、ジャングル内での戦闘シーンもあり、どうしても「ウォー」主体です。映像に新鮮さはありませんが、物語の部分は面白いです。ただ、音楽がにぎやかすぎ。もっと抑えた方が効果的なのではないでしょうか。
 これからは「年に一度はスター・ウォーズ」の時代になるのかもしれません。
 タバコは、なし。無煙です。
 

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ラサへの歩き方 祈りの2400km

2016-12-26 | 2016外国語映画評


「ラサへの歩き方 祈りの2400km」 チャン ヤン監督 中国 △

 チベットの小さな村から聖地ラサとカイラス山への2400キロを「五体投地」で巡礼の旅をする11人の老若男女の姿を描いたロードムービーです。
 様々な理由から巡礼の旅に出て、気象条件や事故に見舞われながらも、常に祈りを捧げ、時には笑ったり、歌ったり、お金が足りなくなると働いて稼いだり、他の人の分を「五体投地」してあげたり、11人が協力し合いながら1年を過ごす姿が描かれています。
 何が起きても動ずること無く、穏やかに解決してゆく姿は日本の競争社会の中で生きている我々には大変新鮮です。「祈ること」や「生きること」の意味を考えさせてくれます。
 タバコは、村の場面で喫煙する場面がありました。


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92歳のパリジェンヌ

2016-12-25 | 2016外国語映画評


「92歳のパリジェンヌ」 パスカル プサドゥー監督 仏 ◯

 小説家のノエル シャトレが書いた、92歳の母親が自らの人生を終える日を決め実行した経緯を表した小説「最期の教え」を映画化しました。
 92歳の誕生会に家族が集った席で、母親から2ヶ月後に自分で最後の日にすると宣言されます。娘も息子も動揺します。娘は母親をさまざまな形で説得しますが、「自分の意志で動けるうちに実行したい。」という母親の意思は固く、娘は苦しみながらも母親の決心を受け入れるのですが、息子の方は全く受け入れられないのでした。
 「階段が昇れない。」「荷物が持てない。」「車の運転ができない。」などのチェック項目全てに☓がついて最後を決心する姿はある意味では大変合理的です。フランスでは大きな社会問題となったようですが周辺国では安楽死が合法でいずれ日本国内でも議論となることでしょう。日本人にとってはこの「最期の教え」が「最初の教え」です。
 身近にいるアフリカ系の人々が要所要所で「白人社会」に対して「別の価値観」(カタカナ語では
オルタナティブ)を示していて興味深いものがありました。
 タバコは、なし。無煙です。
 

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太陽のめざめ

2016-12-16 | 2016外国語映画評


「太陽のめざめ」 R15+ エマニュエル ベルコ監督 仏  ☓☓☓☓☓

 社会の問題児となっている子供と判事の10年の心のふれあいを描きました。
 マロニーが初めて判事(カトリーヌ ドヌーヴ)のケースとして出会ったのは彼がまだ6歳のときでした。母親から侮辱的な言葉を浴びさられ「いないほうがいい」と置いて行かれたときでした。その後もマロニーはさまざまな問題行動を起こし判事の前に現れますが、教育係や施設の職員の献身的な関わりや判事の励ましを通してなんとか刑務所に入らずにすんでいました。恋をされたことがきっかけとなり一人の人間として成長してゆくのでした。
 フランスの社会で逆境に置かれた子どもたちを精神的に支えていこうという取り組みが描かれ、犯罪者にしないように、暴力を振るわれたり、暴言をはかれたりされても、諦めず子供を信じて向き合っていくスタッフたちが感動的です。ドヌーヴはもちろんのこと初主演のロッド パラドそして6歳のマロニーを演じた子役の名演技が冒頭からラストまで緊張感あふれる作品に貢献していました。
 更生施設が自然豊かな場所にあってそれだけで荒んだ心を癒やしているようでした。また、アラブ人、アフリカ人、アジア人、などさまざまな民族の子どもたちが平等に対応されていてまさに「自由、平等、博愛」の精神に満ちた作品です。実際ラストシーンで三色旗が誇り高く翻っていました。
 内容的には日本の子供関連の仕事をしている人に観てほしいのですが、唯一問題なのは、更正施設の時間割の中に「喫煙タイム」があって職員がタバコを配ってみんなでタバコを吸うことです。精神の安定をニコチンという薬物に頼っているようで、納得できない場面でした。
 タバコについては、他にも問題は多く、スタッフの喫煙率も高く、妊婦の前や子どもの前でも喫煙していて奇妙な感じでした。フィリップモリス社がドメスティック・バイオレンスをなくすオレンジリボン運動に資金援助している活動を彷彿とさせ、この作品全体に妙に嫌な感じを受けました。


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マダム・フローレンス!夢見る二人

2016-12-14 | 2016外国語映画評


「マダム・フローレンス!夢見る二人」 スティーブン フリアーズ監督 米 ☓☓NTS

 実力は伴わないものの音楽を愛する心では誰にも負けないマダムがカーネギーホールに挑戦した実際にあった物語です。
 フローレンス(メリル ストリープ)はソプラノ歌手が夢で友人たちを招いて小さなコンサートをしていました。夫のシンクレア(ヒュー グラント)は愛する妻のため批評家を買収したり、好意的な人集めをしたりして成功のために奔走します。戦争が深刻になりつつあった頃、復員した兵士たちを招いてカーネギーホールでコンサートをすることにします。伴奏のピアニストを選びレッスンを開始するのですが・・・。
 フローレンスの人には言えない苦しみを音楽だけが癒やしてくれたという告白場面は泣かせます。ただ、資金がたくさんある資産家だからできたこと、という限界は感じさせられました。カーネギーホールのアーカイブで一番人気というきっかけがあってこその作品です。
 フローレンスの窮地を救ったのが真逆のタイプの女性だったというのは最高の見せ場でした。
 タバコは、シンクレアがフローレンスのいないところでしばしば喫煙、(☓)シンクレアのガールフレンドも喫煙していました。(☓)


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RANMARU 神の舌を持つ男 蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編

2016-12-13 | 2016日本語映画評


「RANMARU 神の舌を持つ男 蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編」 堤幸彦監督 ◯

 舐めるだけで成分が分析できる「絶対舌感」という特殊能力を持つ蘭丸(向井理)が難事件を解決するミステリーコメディです。テレビドラマの劇場版。
 ひょんな事で山形県のさびれた温泉地で行き倒れになった蘭丸はキスをしても(人工呼吸)大丈夫だった女性医師りん(木村多江)に興味を持ちます。そして、その温泉地の宿ボヘミアンで祖父の職業だった三助として働くことにします。そこへ追いかけてきた光(木村文乃)と宮沢寛治(佐藤二朗)と合流します。道路陥没など奇妙な出来事が続いた矢先、地元の青年が死体で発見されます。奇妙な高齢者団体から嫌われているりんが犯人として疑われてしまいます。真犯人を突き止めるため蘭丸の調査が始まるのでした。
 「トリック」を思わせるコメディです。蘭丸役の向井が無垢なイメージで好演しています。「大船に乗ったつもり」と言いたいところを「戸塚に乗った・・・」という神奈川県民しか笑えないギャグなど堤らしい小ネタ満載です。それでも実は地球規模の環境問題を考えさせる内容となっていて、おバカっぽい作品ですが、筆者はこの手の「社会派コメディ」は評価します。
 タバコは、なし。無煙です。ただ、これも堤らしいギャグで「たばこは地元で買いましょう」という宣伝が何回か映りました。


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疾風ロンド

2016-12-03 | 2016日本語映画評


「疾風ロンド」 吉田照幸監督 ☓

 東野圭吾原作の犯罪ものをコミカルに描きました。
 大学の研究室から違法の生物兵器「K−55」が盗まれ、3億円が要求されます。研究所のしがない職員栗林(阿部寛)は所長命令で捜索にあたります。犯人は事故死してしまい交渉が不能になってしまいます。遺品の中から手がかりを探り、埋められた場所が雪の中と突き止めます。スノボをしている息子秀人(濱田龍臣)の助言を得て野沢スキー場へ向かいます。そこで、パトロール隊や秀人が親しくなった地元の中学生などの協力で捜索を続けますが、横取りを狙う人物が現れるのでした。
 三枚目役も巧みな阿部が「昭和のギャグ」で笑わせてくれます。ただ、生物兵器が「インスタントコーヒーの空き瓶」にしか見えない、落とすと割れてしまうような容器に入っているのはいくらコメディでもちょっと安易すぎます。ムロツヨシが面白いのですが、「スキーが得意」にはどうしても見えない、のもちょっと役足らずです。「SNOW WARS」の動画は笑えました。
 タバコは、冒頭の場面で所長役の柄本明が一度喫煙しました。(☓)ベテラン俳優なのに命をかけないといけないのでしょうか。お気の毒なことです。


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