無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ボヘミアン・ラプソディ

2018-11-23 | 2018外国語映画評


「ボヘミアン・ラプソディ」 ブライアン シンガー監督 ☓☓☓

 ロックバンド「クイーン」のヴォーカルで1991年に45歳の若さで亡くなったフレディ マーキュリー(ラミ マレック)の半生を描いたドラマです。現メンバーが音楽を担当し、フレディ自身の音声も加えられ名曲の数々が紹介されます。音楽ドラマとしても楽しめますが、それだけでなくパキスタン人であることや、口元のコンプレックス、そして複雑な性的嗜好などのフレディが抱えていたさまざまな苦悩を描きました。
 ラストのライブエイドはクイーンを知らず、そのうえロックファンでなくても感動する21分です。まさに音楽の力です。クラシック界のモーツァルトを描いた「アマデウス」と並ぶ音楽映画の名作です。
 タバコは、主役やメンバーが喫煙します。(☓☓☓)ただ、あの時代を描いていますが、ライブハウスなどの群衆の中では煙はなく、受動喫煙の被害は限定的でした。


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人魚の眠る家

2018-11-22 | 2018日本語映画評


「人魚の眠る家」 堤幸彦監督 ◯ ☆ 松竹

 東野圭吾原作のヒューマン小説を実写映画化しました。
 播磨薫子(篠原涼子)と和昌(西島秀俊)の夫婦には二人の子どもがいましたが、娘の小学校受験後に離婚することになっていました。そんな折、娘はプールの事故で脳死状態になるのでした。
ロボット研究の会社を経営する和昌は脳死状態の娘を科学の力でなんとかできないものかと部下の星野(坂口健太郎)に相談するのでした。はたして、科学は生命を操作することができるのでしょうか、それはしてもいいことなのでしょうか・・・。
 脳死、臓器移植、生命科学、人工知能、そして家族のそれぞれの愛の形といったさまざまなテーマを包括した作品です。篠原はこの作品が彼女の代表作となるであろう名演をしています。しかしながら、この作品も子役たちにしてやられたと思わざるをえない名演技をしています。子どもたちの演技を引き出した監督の手腕でしょう。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。
 

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菊とギロチン

2018-11-16 | 2018日本語映画評


「菊とギロチン」 R15+ 瀬々敬久監督 ☓☓☓☓

 大正末期、関東大震災の前後、軍国主義が社会を蹂躙していた時代、自由を求めるアナキストと同じく「自由」を求める女性たちが興行していた女相撲の姿を描いています。
 国家権力による締め付けが厳しくなる中、労働者の権利や真の自由を求める集会は警察の弾圧で中止されたり弁士が逮捕されたりしていました。一方、関東大震災では朝鮮人が自警団という組織に集団で暴力を受け殺されていました。
 女相撲には、暴力夫から逃げてきた「花菊」(木竜麻生)や朝鮮人、琉球人などが自分の力で生きようと切磋琢磨していました。
 あるとき、アナキストたちは女相撲を観てその生き方に興味を示しあれこれ関わるようになるのですが、結局どちらも時代の大きな波に押し流されていくのでした。
 監督の伝えたい思いがぎっしり詰まった3時間9分です。まさに軍備が増強され、大手を振ってはびこるヘイトが社会を暗く覆っている「今」を映し出した作品です。
 ただ、セリフがよく聞きとれず大変残念でした。試写会で初めて見る人がすべてのセリフをきちんと聞き取れないようなら、ぜひ字幕を入れてください。そうすれば聴覚障害者も楽しめます。
 タバコは、なぜか、主役のひとり東出昌大がほとんどの場面でわけもなく喫煙していました。タバコって軍事費のために専売をしていた過去があることをまさか知らないわけでもないでしょうが、この部分はちょっと違和感を感じました。監督にはぜひ「たばこ事業法」を読んで欲しいですね。 


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スマホを落としただけなのに

2018-11-15 | 2018日本語映画評


「スマホを落としただけなのに」 中田秀夫監督 ☓ 東宝

 志賀晃原作のミステリー小説を映画化しました。
 派遣社員の麻美(北川景子)は恋人の富田(田中圭)に電話をすると見知らぬ男が出て「このスマホを拾ったのでカフェに届けます。」と親切な対応を受けます。富田の代わりに受け取りに行ったあとから奇妙な出来事やトラブルが続きます。不安になった麻美はスマホのトラブル解決業者に相談します。一方、山中から女性の遺体が次々発見され被害者は皆髪が長く一部を切り取られていました。捜査にあたった加賀谷(千葉雄大)は得意のパソコンを駆使して犯人像を絞り込んでいくのですが・・・。
 ネット社会の情報漏えいの恐ろしさが主題になっているだけでなく、実はもうひとつ母子関係の歪みが織り込まれ興味深い作品となりました。ネタバレ厳禁なので詳しくは書けませんが、成田凌が良かった(どう良かったかは書けない、のが残念!)です。
 さすがの中田監督作品でした。
 タバコは、殺人被害者の娘を捨てたような母親が喫煙しました。(☓)マイナスイメージでした。


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華氏119

2018-11-07 | 2018外国語映画評


「華氏119」 マイケル ムーア監督 米 ◯

 アメリカのトランプ大統領誕生に至る経緯とその後の荒んだアメリカ社会、そしてかすかな希望をムーア監督独特の突撃取材を含めたドキュメンタリー作品です。
 本人もまさか本当になるとは思っていなかったアメリカ大統領。しかし、大群衆に囲まれると「いい気分」になってしまったのか、言いたい放題やりたい放題をしています。人間として「言ってはいけない事」「やってはいけないこと」も堂々と行うと誰も咎めず、行動言動はますますエスカレートしていきます。一方、対する民主党陣営も実は共和党陣営同様企業から献金を受け、生活者の立場にはありません。社会の格差は広がり収入だけでなく生存権すら格差が大きくなり環境破壊がすすむのでした。フリントという街で起きた水源汚染はまさに形を変えた民族浄化です。乗り込んできたオバマ大統領がとんでもない「大芝居」をうち、トランプもだめだけどオバマも大したことはできない。と絶望的になりますが、立ち上がった集団があるのでした。
 中間選挙を目前にムーア監督が「あきらめずとにかく投票をしよう」と強く呼びかけています。日本でも露骨さはアメリカほどではないかもしれませんが、同じようなことが起きています。日本の若者も「とにかく投票しよう!!」
 ちなみにアメリカ中間選挙は上院と下院がねじれ現象を起こす結果となり、今度は簡単には思い通りのことはできなくなりましたね、トランプさん。
 タバコは、なし。無煙です。


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ビブリア古書堂の事件手帖

2018-11-07 | 2018日本語映画評


「ビブリア古書堂の事件手帖」 三島有紀子監督 ☓☓ PPゴールデンバット 角川

 三上延の人気推理小説を実写映画化しました。
 五浦大輔(野村周平)は死んだ祖母が残した夏目漱石のサイン入りの古書を鑑定してもらうために「ビブリア古書店」を訪れます。店主の栞子(黒木華)は人見知りの性格ながら古書を手に取ると人が変わりその本に隠された秘密を解き明かすのでした。それがきっかけで大輔は古書店でアルバイトをすることになります。そんな折、太宰治の古書「晩年」をめぐりネット上でストーカーまがいの怪しい男が現れ栞子を脅迫するのでした。祖母の秘密と怪しい男を巡るいくつかの事件は関係があるのでしょうか・・・。
 オープニングからエンドロールまで全編に漂う「古書店」風の空気が本好きには心地よいのですが、栞子の推理が推理というほどのものでもなく、謎の人物はすぐに推測できてしまうので「事件手帖」というのはおおげさです。ただ、黒木華は何作か続けて公開されていますが、どの作品でもいい演技をしていますね。
 タバコは、1964年の場面で、小説家のたまご役の東出昌大が度々喫煙しました。(☓)小説家=喫煙者というのは陳腐です。食堂の親父も厨房で喫煙していましたが、当時は保健所から指導がなかったのでしょうか。(☓)ちなみに元恋人(夏帆)が妊娠していることに気づくと喫煙しようとして止めていました。
 筆者の個人的な「古書とタバコ」ネタですが、以前ネットで買った古本がタバコ臭くて困ったことがあり二度と古本は買わないことにしました。

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モリのいる場所

2018-11-02 | 2018日本語映画評


「モリのいる場所」 沖田修一監督 ☓☓ 日活

 伝説の画家熊谷守一(山崎努)と妻秀子(樹木希林)のほとんど家を出なかったというエピソードをもとに日常を描きました。フィクションです。
 昭和49年の東京、池袋が舞台です。多彩な植物が生い茂る庭を今日もモリは散歩にでかけます。アリや金魚など飽きずにいつまでも観察します。そんな姿を撮影するために写真家の藤田(加瀬亮)は助手とともに見守ります。一方、画家として有名であるがために来客が絶えません。妻の秀子は彼らとの応対に追われます。しかし、時代の波は閑静な地域にも押し寄せ隣にマンション建設の話が持ち上がるのでした。
 夫婦とその周囲の物語、庭にいる昆虫などの生物、そして庭の風景、が等分に表現されています。自然の描写とベテラン俳優の演技を超えた存在が見どころです。
 タバコは、モリがパイプを嗜んでいてその煙がモリの居場所を教えている演出が目立ちました。(☓)また、建設会社の職員(吹越満)が交渉に来ているのに勝手に喫煙したり、作業員が宴会で喫煙したりと、昭和らしいタバコの扱いでした。(☓)


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