無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「リスペクト」 リーズル トミー監督 米 ✗✗

2021-11-30 | 2021映画評


「リスペクト」 リーズル トミー監督 米 ✗✗

 アメリカ音楽のソウル界の女王アレサ フランクリンの生涯をジェニファー ハドソンが演じました。
 1952年教会の牧師の娘アレサは10歳、離婚してたまにしか会えない母親でしたが、歌う楽しさとなぜか「男のあしらい方」を教えられました。教会のパーティーで父親に促され、自慢の喉を披露しみんなから喝采を受けます。しかし、その後、寝室に男が入ってきて鍵をかけたのでした。
 数年後生まれた子どもは祖母に預け、歌うことに専念するアレサですが、レコード会社との契約をするしないやどこで活動するかで父親や恋人と揉めたり暴力を振るわれたりさんざんな目に会いアルコールに溺れていくのでした。

 キング牧師との親交があり、黒人解放運動との兼ね合いも父親や恋人と考えが異なり、自分の考えで生きることを決断するまでの闘いが悲壮です。しかしながら自らアルコールを絶ち再生した後の姿がすばらしいです。人種差別、性差別のひどい時代に振り払うかのように魂の声が観客を圧倒します。
思わず拍手(音を出さないようにですけど)しました。

 タバコは、時代を反映してか関係者の喫煙率が高かったです。本人も1,2度タバコを持つ場面がありました。




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「劇場版 きのう何食べた?」 中江和仁監督 ○ 東宝

2021-11-28 | 2021映画評


「劇場版 きのう何食べた?」 中江和仁監督 ○ 東宝

 よしながふみの人気漫画でドラマとしても好評の作品を実写映画化しました。
 雇われ弁護士の筧史朗(西島秀俊)と美容師の矢吹健二(内野聖陽)は二人で食べる夕食を大切に生活しています。史朗から誕生日に京都旅行をプレゼントされた賢二でしたがあまりに豪華で幸せすぎて「これは何か隠し事がある?」と勝手に詮索しあれこれ妄想します。一件落着後今度は賢二が隠れて病院へ行ったりするので史朗がハラハラさせられます。その上友達のゲイカップルからも相談を受けたり、そんなこんながあれこれ起きつつもいつもおいしい料理を食べ幸せなのですが・・・。

 見どころは内野聖陽の演技です。ちょっとやりすぎ感もありますが、いつものイメージをひっくり返す名演技です。
 内容的には、両親との考え方の相違は厳しいものがあり、子どもが期待できないことへの心の負担なども描かれ、夢物語にしなかったところが現実的で好感を持てます。
 「売り」になっている料理ですが、撮影(柴崎幸三)が巧みで料理番組顔負けの見事な映像です。特にハーゲンダッツアイスクリーム(バニラ 筆者も好き)を溶かさずに撮影していましたが、どんな裏ワザを使ったのか興味のあるところです。
ただ、調味料にこだわりがなく、上白糖を山程使うのは今どき筆者の周囲には誰もいません。醤油や味醂などもペット入りのもので化学物質たっぷりって感じでした。料理番組じゃないからまあいいけれど。次回作があるならそのあたりにも気を使ってほしいです。

 タバコは、なし。無煙です。


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「そして、バトンは渡された」 前田哲監督 ○

2021-11-27 | 2021映画評


「そして、バトンは渡された」 前田哲監督 ○

 瀬尾まいこ原作の血がつながらない人が親としてひとりの少女を育てる本屋大賞受賞作を実写映画化しました。
 高校生の優子(永野芽郁)は4回名前が変わり、今は森宮さん(田中圭)と二人暮らしです。合唱大会の伴奏をすることになり練習に励んでいました。ともに伴奏者となった早瀬くん(岡田健史)のピアノに感動する日々でした。 
一方、泣き虫の「みいたん」(稲垣来泉)はチョコレート工場で働く父(大森南朋)と二人暮らしでしたが素敵なお母さん梨花さん(石原さとみ)ができます。しかし、父がブラジルへ行くと言い出しみいたんは梨花さんと日本に残ることにしました。梨花さんは一緒にいると楽しいけれど子どもから見てもちょっと経済観念が普通ではないようでした。学校帰りにお屋敷から聞こえるピアノの音になぜかとても癒されみいたんもピアノを習いたいとおもうのですが・・・。

悪い人がひとりも登場しないし、犯罪的な場面もないほのぼの系の作品です。父親が何度か変わるということがひとつのドラマです。今の世の中では小説の世界でも、逆の展開で子どもがたらい回しにされこれでもかと不幸ばかりが続く内容の作品が溢れている中ちょっとした清涼剤効果があります。人の善意を信じたくなる作品です。
ただ、ジェンダー的には「ラストに夫にバトンを渡す」というのが今どきではないです。

タバコは、なし。無煙です。


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「ボクたちはみんな大人になれなかった」 PG12 森義仁監督 ✗✗✗✗✗PP

2021-11-20 | 2021映画評


「ボクたちはみんな大人になれなかった」 PG12 森義仁監督 ✗✗✗✗✗PP

人気作家燃え殻が2016年に出した小説を映画化しました。
 ネットフリックスと劇場公開が同時作品です。
 テレビ業界のテロップを作る会社員のボクこと佐藤(森山未來)は46歳、一緒に暮らす女性ともうまく行かずなんだかな日々を送っています。今日も仕事関係のパーティーに義理で出席しそこで懐かしいかつての仲間と再会したりうわさ話などを聞いたりするうちに彼の時間が過去に戻っていくのでした。1995年21歳だったボクはお菓子工場で働きながら作家を目指していました。雑誌の文通コーナーで音楽の趣味が近い女性(伊藤沙莉)と知り合い手紙を交わすうちに渋谷で会うことになったのですが・・・。

 時間が過去に戻っていく演出は面白いのですが、ちょっとした一言を聞き逃すと辻褄がわかりにくくなるのが残念です。その上大事なひとことがうまく聞き取れなかったりするので日本語の字幕スーパーを入れてほしいと何回か思いました。(スーパーを入れると映画関係者の仕事が増えて助かる人もきっといるのでは。)
 森山が21歳から46歳のそれぞれの時期の味わいをきちんと出していることが見どころです。東出昌大も状況は同じですがファッションが変わりわかりやすいけれど森山の場合は肌の艶とか無精髭の感じなどで微妙な年齢差を表していました。メイク担当はどなたでしょうか?
 電話を代表する小道具の変化も細かくできていましたが、1995年にあのポストはあったのかな?そこだけ疑問に思いました。
 映画ネタではシネマライズが懐かしかったですね。CGの担当者が睡眠時間を削って納期に合わせてがんばった成果かな。

 タバコは、多くの場面でほとんどの出演者が喫煙していてタバコ宣伝映画でしたね。特に森山は走る場面がありあんなにタバコを吸わされた後走ると死ぬのではないかと心配になりました。
 現在の場面では加熱式タバコを吸っているというのもある意味恐れ入りました。


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「人と仕事」 森ガキ侑大監督 ○

2021-11-16 | 2021映画評


「人と仕事」 森ガキ侑大監督 ○

 保育士を主人公にした映画製作中コロナの緊急事態宣言でストップし、制作そのものが頓挫、それならばとプロデューサー河村光庸(かわむらみつのぶ)のアイディアで主演俳優の有村架純、志尊淳ふたりにエッセンシャルワーカーの人々をインタビューしてもらい、重ねて自らの仕事への思いをインタビューした作品です。

 看護学校の学生から始まり、保育士、児相の職員などがコロナ下での自身の仕事について語りますが、コロナだからということよりもその仕事に皆さん誇りを持っていることが伝わり気持ちの良さがありました。特に土浦にある養護施設の卒業生と職員との関係が人間的でこういうところばかりならいいのになぁ・・・。と感じさせました。
 ただ、エッセンシャルワーカーも大切ですが、どうせだったら、映画関係者が仕事がなくなってどうしているのか今後映画にどう関わっていきたいかなどを登場させると別の意義がある作品になったかもしれません。

 タバコは、なし。無煙でした。


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「由宇子の天秤」 春本雄二郎監督 ✗✗

2021-11-15 | 2021映画評


「由宇子の天秤」 春本雄二郎監督 ✗✗

 ドキュメンタリー作品の映像ディレクターが他人の事件を扱うことと、翻って自分自身の事件を考えることに対しての心の天秤が揺れる姿を描きました。
 教師と生徒の恋愛トラブルがきっかけとなって当事者ふたりが死んでしまったその後の家族たちについてのドキュメンタリーを撮っている由宇子(瀧内公美)は仕事の条件が過酷な中でもスタッフたちからも信頼される仕事をしています。しかし、ふたりの死亡のあとマスコミがしつこい報道をしたことで内容としては「悪いのは過剰報道をしたメディア」というという結論ではオンエアできず、悪いのは学校という内容に編集するよう上層部から言われます。やってられない、と思っている折由宇子の父親(光石研)がなんと自分の塾の女子生徒(河合優実)と問題を起こしてしまうのでした。
 はたして、由宇子は「真実を伝える」ことができるのでしょうか・・・。

 「ドキュメンタリーの真実」が明らかにされる作品です。テレビドラマはすべて演出であることぐらい大人なら知っていたいものです。ドキュメンタリーという範疇の番組でさえ都合のいいように編集されるわけですから。映画とは関係ありませんが「リアルドラマ」が本当にリアルだと思ってネット上のバッシングを受けていた犠牲者を思うとバッシングをしていたのは愚かですが、製作者の責任が問われないのは納得できません。この作品を見ていてそんなことを考えました。
 また、「協力企業」にあのDHCが入っていましたが、ぜひ「ヘイトと企業」で次回作を期待します。

 タバコは、瀧内はじめ、光石ら主要な登場人物が喫煙者で、塾の室内でも喫煙していました。
「迷セリフ」に塾が入っている建物のベランダで女子生徒が後ろ向きでいるところへ瀧内演ずる先生がやってきて「一本ちょうだい。」といいます。タバコを一本かとびっくりしましたが、チョコチップスティックパンのことでした。


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「クーリエ 最高機密の運び屋」 ドミニク クック監督 英米合作 ✗✗✗

2021-11-14 | 2021映画評


「クーリエ 最高機密の運び屋」 ドミニク クック監督 英米合作 ✗✗✗

 1962年キューバ危機の時代、ソ連とアメリカを行き来し情報を取り次いだセールスマンを描いたスパイサスペンスです。
 冷戦時代いよいよ核のボタンをソ連が押すかもしれないと思われたときにアメリカの諜報機関はある普通のセールスマン・グレヴィル(ベネディクト カンバーバッチ)を情報の運び屋にします。一般人で何も訓練を受けていないグレヴィルでしたがスパイとして接触してきたソ連の高官ペレコフスキー(メラーブ ニニッゼ)の人間性と共感し、自身の役割を理解し、何度か情報を運ぶのでしたが・・・。

 ネタバレになりますがベネディクト カンバーバッチの身体を張った演技が見どころです。一般にはケネディさんのお手柄とされているキューバ危機回避ですが、その影にはこのような犠牲があったということを再確認させます。あのとき核が使われていたらと思うと、人類だけでなく地球環境のためにもこれからも決して使わせないようにしなければ・・・。

 タバコは、モクモク場面がたくさんある作品でしたが、なんと毒入りタバコが登場するのはかなりのマイナスイメージでした。


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「燃えよ剣」 原田眞人監督 ○

2021-11-02 | 2021映画評


「燃えよ剣」 原田眞人監督 ○

 新選組を描いた司馬遼太郎の小説を「関ヶ原」の岡田准一を再び主役に映画化しました。
 黒船が訪れた江戸末期佐幕派と倒幕派が混乱する中、多摩地方に生まれた土方歳三(岡田)は近藤勇(鈴木亮平)らと京都に上り徳川幕府の後ろ盾もあり剣に自信がある仲間を集め芹沢鴨(伊藤英明)を隊長に新選組として倒幕派から京都の治安を守るのでした。

 幕末の混乱期は一体誰と誰が喧嘩をしていて、誰が誰の仲間なのかよくわからないし、その上新選組もほんの数年で役割を終え、新選組という名前はよく聞き、土方、近藤、沖田総司(山田涼介)らも名前は知っていましたが一体何のために人を次々殺していったのかよくわかりませんでしたが、今作でなんとなく理解できました。会津と長州が仲が悪いのも納得です。
 テロが社会に蔓延していた時代を乗り越えないと民主的な国家にはならなかったのか・・・。

 タバコは、なし。無煙です。


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