無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「マスカレード・ナイト」 鈴木雅之監督 ○ 東宝

2021-09-23 | 2021映画評


「マスカレード・ナイト」 鈴木雅之監督 ○ 東宝

 東野圭吾原作の推理小説「マスカレード・ホテル」映画化第2作目です。
今回は大晦日に開催される「ホテルコルテシア東京」の仮装カウントダウンパーティ会場に犯人が現れるという設定です。
 警察に届いた奇妙な告発ファックスが発端となりマンションの一室で女性の死体が発見され、犯人は仮装パーティに現れるという予告が来たのです。「あいつを呼べ!」と呼ばれたのはご存知新田刑事(木村拓哉)。そして、コンシェルジュに昇進した山岸(長澤まさみ)が事件解決に挑みます。
 
 500人のすべてを疑うという警察の性悪説とすべてのお客様を守るという性善説のホテルスタッフがそれぞれの立場で次の事件を防ぐという位置づけが面白いです。賑やかしにあれこれわがままを要求する「手のかかるお客様」も登場します。にぎやかといえば仮装パーティなのでエキストラの皆さんもあれこれ手の混んだ仮装をしていて全体にゴージャスな作品となりました。
 一部ネタバレになりますが、性的マイノリティの人や「セカンドレイプ」が取り上げられ娯楽映画ですが社会性もチラッと伺えました。それに反して長澤まさみ演ずる山岸が「ホテルマン」と自称していることが気になりました。性別を限定しない言葉を探してほしいものです。
 次回作ではホテル内の縁の下を支える人びとを描いてほしいものです。

 タバコは、なし。無煙です。


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「パンケーキを毒見する」 内山雄人(うちやまたけと)監督 ○ 配給スターサンズ

2021-09-22 | 2021映画評


「パンケーキを毒見する」 内山雄人(うちやまたけと)監督 ○ 配給スターサンズ

 「新聞記者」の制作チームがいても立ってもいられず制作した作品です。
主役は第99代日本国総理大臣菅義偉です。本人には直接インタビューができるわけもなく周囲からも取材拒否の対応が続くなか、それでも自民党内にも取材に応じる人もいて国会中継という誰でもが見られる場面やニュース映像にアニメーション(べんぴねこ)を組み合わせ楽しみながら勉強する「政治バラエティ映画」に仕上げました。
政治家では自民党からは石破茂、村上誠一郎、立憲民主党の江田憲司、共産党の小池晃などが登場しメディアからは元朝日新聞の記者やしんぶん赤旗の記者などが登場します。

噛み合わない国会答弁は見れば見るほど国民はなめられているなと腹が立ってきます。もうすぐ「過去の人」になってしまいますが、この作品のおかげで「菅総理の時代」がいつまでも語り継がれることは映画冥利につきるのではないでしょうか。
パンケーキをごちそうになって「いつもごくろうさん」と労われるとそれだけで追求する気が失せてしまうという人間の弱さみたいなことも描かれます。「タダ飯を食うな!」という戒めです。

タバコは、なし。無煙です。2021年無煙映画賞特別賞候補です。


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「浜の朝日の嘘つきどもと」 タナダユキ監督 ☓☓

2021-09-11 | 2021映画評


「浜の朝日の嘘つきどもと」 タナダユキ監督 ☓☓

 福島中央テレビ開局50周年記念作品です。
 南相馬に古くからある映画館「朝日座」は経営が成り立たなくなり閉館を決めます。そして支配人の森田(柳家喬太郎)はフィルムを燃やすことにしました。そこへスーツケースを引きずりながら若い女性茂木莉子(高畑充希)が突然現れます。彼女は遠い親戚で「ここを閉めてはいけない」という遺言を伝えに来たというのです。すでに不動産屋(甲本雅裕)と売る契約していて借金の返済だけでなくキャンセル料まで用意しなければならないのでした。しかし、莉子には恩人の映画が大好きだった教師田中茉莉子(大久保佳代子)との約束がありました。はたして朝日座の運命はいかに。

 茂木莉子は震災で家族がバラバラになってしまったつらい過去があり、救ってくれた教師が映画の配給会社にも務めていたことなど、震災と映画館の話はありますが、原発の話はほとんどスルーされていたようでそのあたりはちょっと物足りなさがあります。
 また、ネタバレになりますが買取を予定していた方の飯舘出身の人の構想に「朝日座」も乗っかってしまうという方法が現実的で将来的にも安定経営ができるのではないかと思います。
 良かったのは、ベトナム人役の佐野弘樹のたどたどしい日本語と「マリコチャーン、カワイイ」のセリフ、そして相手役の大久保がベテランとしての実力を発揮していました。
 パンフレットの「映画を作った人たち」の紹介方法と「私の二本だて」がほのぼのしていました。
 ところで、南相馬では普通に馬がお散歩しているのでしょうか?

 タバコは、喬太郎師匠が喫煙していました。(☓)メタボで喫煙・・・コロナ重症化のリスクが高いですね。師匠のファンとして言わせてもらえば、「高座に専念してください。」ですね。
 教師役の大久保佳代子は喫煙者の設定でしたが手にするだけで口には運びませんでした。でも病院の屋上でこっそり喫煙は(☓)


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「科捜研の女 劇場版」 兼崎涼介監督 ○

2021-09-10 | 2021映画評


「科捜研の女 劇場版」 兼崎涼介監督 ○

 京都府警察の科学捜査で難事件の真犯人を割り出す20年以上続く人気テレビドラマ初の劇場版です。
 京都の医科大学で女性医師が屋上から転落死します。同僚の医師がその前に「助けて!」という声をきいていました。科学捜査研究所の榊マリコ(沢口靖子)のもとに捜査が依頼され各種検査などが行われますが、自殺ということになります。ところが、国内外で同じような科学者の転落死が続き再調査をするのでした。そこで一人の新薬を開発した科学者加賀野(佐々木蔵之介)が浮上してきます。

 20年の間に登場した懐かしい面々が次々紹介されちょっと慌ただしさや現実離れした場面はありますが、科学捜査のあれこれが結構本物っぽく描かれそれだけでも面白い作品です。
 ちょっとネタバレかもしれませんが、映画会社が謎解きのお手伝いをするところは京都の伝統でしょうか。

 タバコは、なし。無煙です。


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