
「ハケンアニメ」 吉野耕平監督 ☓
アニメ業界を描いた辻村深月の小説を映画化しました。
憧れのアニメ監督になるため地方公務員の職を投げ売って、業界に飛び込んだ斉藤瞳(吉岡里帆)は初監督作品で、天才監督と言われている王子千晴(中村倫也)とアニメ業界の覇権をかけて闘うことになります。実は天才と言われてはいるものの王子はこだわりが強く、わがままで破天荒な行動が災いしこのところ仕事をしていませんでした。その王子をプロデューサーの有科(尾野真千子)は会社の上部を説得し復活させようとします。ところが王子は雲隠れしてしまいます。一方斎藤はくせ者プロデューサー行城(柄本佑)や周囲とぶつかり合いながらも自身の子どもの頃からの夢に向かいめげながらも王子との決戦に臨むのですが・・・。
タイトルだけで予想したのはアニメ業界で働く派遣社員のブラック労働を描いているのかと勘違いしていましたが、覇権争いの話でしたよ。斎藤と行城、王子と有科の組み合わせが対照的で面白いです。ブルーとピンクの色使いもわかりやすかったです。細部を支えている人々を描いていることも評価できます。ポーカーフェイスの柄本がラストのおまけシーンで見せるあの動きが彼の人間性をよく表していました。クレジットが終わっても明るくなるまで席を立たないように!
ただ、ラスト近くの王子と有科のタクシー内での会話はないほうがよかったかな。雰囲気だけで十分だったと思います。
タバコは、ちょっといやなやつ二人が非常階段で喫煙しました。でも、漫画家全員喫煙者、の時代はすっかり様変わりしましたね。