無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ドライヴ

2012-03-31 | 2015以前の映画評


「ドライブ」 ニコラス ウィンディング レフン監督 米 ×

 職業は修理工でカースタントですがアルバイトに強盗の逃走係をしていた「ドライバー」(ライアン ゴズリング)は車の故障がきっかけで隣人の母子と出会います。孤独な「ドライバー」は恋心を抱きますが服役していた夫が出所してきます。夫は刑務所の中で借金まみれとなり再び危ない仕事に戻っていきます。母子を救いたい「ドライバー」は自分の命をかけて二人を救おうとするのでした。
 カーチェイスは地味ですがそれがかえって現実感があります。ただ、悪い奴らを懲らしめる場面がちょっと残酷すぎました。(R15)
 主演のライアン ゴズリングはこのところ出演作が次々公開されている売れっ子ですが、この作品では静かで顔の表情だけで微妙な演技がよくできていました。
 タバコは主人公の「ドライバー」は吸いませんが、脇で何人かが喫煙していました。(×)また、セリフの中に「覚せい剤かカフェインかニコチンがいるか?」とあり、ニコチンすなわちタバコを覚せい剤と同列に扱っていました。

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おかえり、はやぶさ

2012-03-28 | 2015以前の映画評


「おかえり、はやぶさ」 本木克英監督 ○
 
 「はやぶさ」(堤幸彦監督□)、「はやぶさ 遥かなる帰還」(瀧本智行監督××)に続く、小惑星探査機はやぶさシリーズ第3弾です。はやぶさ計画を支える人々の中でも今回は宇宙が好きな少年風也(前田旺志郎)を登場させ大人のドラマに子供の視点を絡ませました。また、失敗した火星探査機のぞみの責任者で今は家に引きこもってしまった大橋(三浦友和)の息子JAXAの若手職員大橋(藤原竜也)を主役にし、父子のかかわりをストーリーの主軸にしました。
 タバコは一切なくタバコフリーです。手書きの禁煙マークなどもちらほら見られ無煙映画を意識したのでしょうか。子どもに焦点を当てただけに立派です。子どもでも理解しやすい宇宙やはやぶさの説明もわかりやすく春休みに親子で楽しむにはお勧めの作品です。


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生きているものはいないのか

2012-03-27 | 2015以前の映画評


「生きてるものはいないのか」 石井岳龍監督 ○

 前半は病院が併設された大学のキャンパスで都市伝説研究会のメンバーが病院地下のウィルス実験室の話をしていたり、大きな事故があって列車は止まっているという話や、カフェでは三角関係のもつれた話をしていたり、病院職員に医者が告白しようとしていたりと普通に起こり得る状態を描きつつ、でもちょっと笑えるような世界を紹介します。
後半は原因不明でなぜか次々と人が死んでいきます。ラストには一人残った若者(染谷将太)が沈む太陽を眺めている場面で終わります。その時、飛行機も鳥も地上に落ちていくのでした。
 奇妙な作品ですが、観客は原因不明で次々死んでいくことをそれぞれが勝手に解釈できる奥の深い作品ともいえます。たとえば放射能に汚染されているということはこの映画のようなのかもしれません。また、死んでいるのは肉体ではなく、心が死んでいるということを表現しているとも解釈できます。そういう意味ではおもしろい作品です。
 タバコはなし。無煙です

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海燕ホテル・ブルー

2012-03-27 | 2015以前の映画評


「海燕ホテル・ブルー」 若松孝二監督 ××× PPハイライト

 強盗傷害の事件を起こして7年服役していた幸男(地曳豪)は、服役後強盗の当日雲隠れした洋次を探します。伊豆大島へたどり着くと洋次はひとこともしゃべらない不思議な女梨花(片山瞳)とバーを営んでいました。幸男を殺そうとした洋次は逆に殺され幸男が洋次に代わって店を継ぐのでした。しばらくして警官が身元調査に来ますが梨花の記録が何もないと言います。その後いくつか事件は起きますが結局男たちはみんな死んでしまいます。最後に梨花が「愚かな者たち」と叫びます。
 原発事故に対するバーの客の叫びは監督の怒りでしょうか。また、荒涼とした荒野を走りさまよう幸男や梨花の姿は放射能で汚染された世界を表しているのでしょうか。
 梨花は長い髪に白いドレスで紫の傘をさし、時には豊満な肉体をさらけ出して男たちを狂わせます。その上、バーではいつもだまってタバコを吸っていました。それが実は観音菩薩の化身だったとは、ギャグなのか真面目なのかよくわかりません。制作意図もただ、片山瞳のデカパイを見せたかっただけにしか理解できませんでした。
 タバコはとにかく片山瞳の喫煙シーンが多く実に気の毒でした。それに観音菩薩が喫煙者っていうのは納得できません。「愚かな製作者たち」と叫びたいです。そのほかPPとしてハイライトが出てきました。

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僕達急行 A列車で行こう 

2012-03-26 | 2015以前の映画評


「僕達急行 A列車で行こう」 森田芳光監督 □

 鉄道ファンの小町(松山ケンイチ)と小玉(瑛太)はひょんなことから出会います。鉄道の話をしていれば幸せというふたりですが小町が転勤で博多に行ってしまいます。鉄工所を経営する父親の勧めでお見合いをした小玉ですが、断られてしまい気分転換に小町の元を訪れます。ふたりは鉄道ファンの筑後(ピエール瀧)と出会い意気投合します。実は筑後は小町の仕事上の相手だったのです。趣味が縁となって小町だけでなく鉄工所の跡継ぎの小玉にも仕事が回ってくることになるのでした。
 登場人物の名前がすべて列車の名前(たとえば、コマチ、コダマ、アズサ、ホクト、アマギなど)にするなど森田監督ならではの遊び心もたっぷりです。趣味を持つことが人生を豊かにするということを観客に伝えました。タバコはもちろん酒も飲まなかった森田監督(61歳)ですが、この作品が最後になってしまい大変残念です。これからもより一層映画界を煙害から守るために声を上げていきたいと思います。
 タバコは、ほとんど無煙だったのに、社長の接待に使うクラブで他の席の客がタバコを持っていたのが残念です。こういうちょっとしたシーンでのタバコにも気を使っていただきたいものです。


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ひろしま

2012-03-21 | 2015以前の映画評


「ひろしま」 関川秀雄監督 △

 1953年に完成しましたが公開ができず、「幻の名作」と言われていたそうです。昨年の福島第1原発事故をきっかけに上映運動が広がり、2012年3月11日浜松にて公開されました。
 物語は1945年8月6日の原爆投下後の悲惨な現実を再現し、放射能の恐ろしさを見る人に伝えています。
多くの広島市民がエキストラで参加し、資金は全国からの募金で制作されました。主演の月丘夢路さんはこの映画に主演したためしばらくはアメリカに入国を拒否されていました。それほど真実を表していたのです。
 現在デジタルリマスター版を製作中とのことですので、近い将来一般公開されることでしょう。その時には是非多くの人に見てもらいたい作品です。
 タバコは周囲の人々の中に時々喫煙者が映りました。


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種まく旅人 ~みのりの茶~

2012-03-21 | 2015以前の映画評


「種をまく旅人 ~みのりの茶~」 塩屋俊監督 ○ ☆ 無煙映画賞候補作

 デザイナーの仕事をしていたみのり(田中麗奈)は仕事をはずされ退職します。気分転換に父親の故郷大分県臼杵市の祖父(柄本明)の元を訪ねます。祖父は有機農法でお茶の栽培をしていました。ところが病気で倒れてしまい、みのりが茶畑の作業を引き継ぐことになります。祖父の知り合いの「金ちゃん」(陣内孝則)や役場の職員の応援もあり「みのりの茶」として売り出すようになるのでした。
 大企業が農業に参加することの是非や有機農業の難しさやも出てきます。また、市役所職員の有機農業に対する心の揺れややりがいなどの問題も提起され日本の農業を考えるきっかけになります。陣内の三枚目的面白さが発揮され笑いもあります。中央官庁の役と有機農業に取り組む役とをみごとに使い分けていました。
 タバコはなし。無煙です。有機農業の第一人者で喫煙者という人もいるので心配でしたが、陣内も柄本も喫煙しませんでした。青年会の総会や婦人会も無煙でした。臼杵市役所の小さな禁煙マークもしっかり映っていました。


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ヒューゴの不思議な発明

2012-03-19 | 2015以前の映画評


「ヒューゴの不思議な発明」 マーティン スコセッシ監督 米 ×

 1930年のパリ。時計職人の父親を火事で亡くしたヒューゴは飲んだくれの叔父に引き取られました。叔父さんは駅の時計台の管理を仕事にしていましたが、いつのまにかどこかへ雲隠れしてしまいました。残されたヒューゴは時計台の中で過ごしていました。ヒューゴの相手は父親が残した「機械人形」です。修理が終わり、あとはハート型の鍵穴に合う鍵を探さねばなりませんでした。駅の中にあるおもちゃ屋の老人ジョルジュと知り合いおもちゃの修理をするようになりました。ジョルジュに育てられているイサベラがなんとそのハートの鍵を持っていたのです。機械人形は何を知らせてくれるのでしょうか。
 時計台の大きな歯車を動かすいくつもの小さな歯車。「機会に無駄な部品がないように、社会にも無駄な人間なんていないんだ」というセリフがいいです。私たちもちいさな部品ですが社会を大きく動かす部品でもあるということを感じさせてくれます。
 タバコは飲んだくれの叔父さんが喫煙しました。駅の中の人々などは喫煙はしませんでした。

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僕等がいた 前篇

2012-03-19 | 2015以前の映画評


「僕等がいた 前篇」 三木孝浩監督 ○

 人気コミックの映画化です。釧路の高校を舞台にちょっと影のある元晴(生田斗真)に恋をした七美(吉高由里子)のふたりを中心に描いています。冒頭、大人になった七美が回想をする場面から始まる物語は多分この恋はハッピーエンドではなかったのだろうと想像できます。そのためか、高校時代元晴を想うの一途な七美が切なく見えます。
 おじさんおばさんにも、セーラー服や学生服が観客をその頃にタイムスリップさせ、あんな時代もあったよねと懐かしくさせる作品です。
 タバコはなし。無煙です。お祭りなどの場面もありましたがタバコはでませんでした。元晴の親友竹内の家も酒屋でしたがタバコは置いてありませんでした。店の入りのにスタンド灰皿がなければもっとよかったですね。ただ、三木監督は前作の「ソラニン」がタバコ宣伝映画でしたので今回は少しは反省したのかな・・・。
 また、原作があの「小学館」ですが、無煙でよかったです。後篇も無煙だといいのですが・・・。

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鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言

2012-03-17 | 2015以前の映画評


「鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言」 山崎佑次監督 ○

 法隆寺の宮大工の息子として生まれ、法隆寺だけでなく薬師寺の再建も棟梁として手掛けた匠の技を持つ西岡常一の晩年を追ったドキュメンタリーです。「千年の檜には千年のいのちがある。そのいのちを生かすのが宮大工の仕事」と弟子たちを指導していました。「木は鉄より強い」とも言い、効率だけを考えている現代文明に対して静かに抗う西岡の姿は「鬼」と評されていたようですが、鬼がいなくなった今日本建築は大丈夫なのでしょうか。
 宮大工の手によってきれいに巻き取られていく鉋のくずはまるで檜の香りが漂ってきそうです。日本は森林国です。木の文化を東北の再生にも生かせないものかと思いました。
 タバコはなし。本物の匠はタバコを吸いません。周りの人たちも吸っていませんでした。

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