無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ちはやふる 結び

2018-03-30 | 2018日本語映画評


「ちはやふる 結び」 小泉徳宏監督 ◯

 「ちはやふる 上の句」「ちはやふる 下の句」に続く末次由紀原作の競技かるたを巡るコミックの最終(たぶん)映画化です。
 瑞沢高校の3年生となった千早(広瀬すず)たちは「かるた部」存続のため新入生を必死で勧誘し、やっとそれぞれ個性的な2名が入部しました。一方、受験を前に太一(野村周平)はかるた部を退部するといい出します。全国大会を前に動揺が走るのでした。
 前作からのメンバーに加え新入生(佐野勇斗、優希美青)や「無敵の名人」周防(賀来賢人)が新鮮さを出しています。また、ライバルの詩暢(松岡茉優)が変わった角度から盛り上げています。
 百人一首の言葉だけでなくセリフの中にたくさんの「名言」が含まれていて中高生には人生を考えるヒントになるのではないでしょうか。脚本も小泉徳宏です。ラストもスッキリしています。エンドロールの美しさも必見ですね。
 タバコは、なし。無煙です。


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沈黙 立ち上がる慰安婦

2018-03-30 | 2018日本語映画評


「沈黙 立ち上がる慰安婦」 朴壽南監督 △

 旧日本軍が朝鮮半島で行ってきた好意を告発してきた在日3世の監督が、日本軍慰安婦の闘いを追いました。
 歴史から抹殺されようとしていた旧日本軍従軍慰安婦が日本政府に公式謝罪と補償を求め1994年14人が「被害者の会」を設立し、独自の闘いを始めました。その当時の映像と現在までのメンバーたちの姿をドキュメンタリー映画にまとめました。
 80歳を超えた監督自身が生涯をかけて被害者たちに寄り添っていた強い思いが作品に溢れています。また、「今作品にしなければならない。」という時代的必然性の高い作品です。
 タバコは、90年代の映像で座り込みをしている被害者たちを見張っている刑事が喫煙していました。マイナスイメージなので(△)です。


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曇天に笑う

2018-03-28 | 2018日本語映画評


「曇天に笑う」 本広克行監督 ◯

 コミックが原作。アニメ化、舞台化され今回は実写化しました。
 明治維新直後の琵琶湖畔大津が舞台です。300年に一度暴れ民衆を苦しめるオロチを巡って、曇神社の長男天火(福士蒼汰)、次男空丸、三男宙太郎の三兄弟が立ち向かいます。一方、明治維新国家権力のイヌ集団とオロチの力を利用しようとするかつての忍びの残党らと三つ巴の闘いとなるのでした。
 冒頭のお祭り場面は圧巻です。和太鼓集団、ヨサコイ集団などが画面いっぱいにぎやかに盛り上げています。この場面を見るだけで後はまあおまけのようなものですね。アクションはみどころの一つかもしれませんが、天火がいくらなんでも強すぎです。ひとりで何十人も相手にできるわけがないと思います。そういうところはコミックの面白さでもあり限界でもあるのかもしれません。衣装の奇抜さと音楽は印象的です。
 タバコは、ちらりとキセルのようなものが一度だけ映りましたが、悪役も喫煙せず◯です。


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トゥームレイダー ファースト・ミッション

2018-03-28 | 2018外国語映画評


「トゥームレイダー ファースト・ミッション」ローアルユートハウグ監督 米 ◯

 アクションアドベンチャーの世界的人気ゲームの映画化です。今回はアリシア・ヴィカンダーがララ・クロフトを演じます。
 7年前に秘密の島を目指したまま行方不明になった父親の残したノートを見つけたララは香港へ出かけ因縁のボートと出会います。そして、その船乗りとともに「日本のヒミコが埋葬されたという孤島」を目指します。命からがらたどり着いた島にはなんとヒミコの「宝」を求め別の組織がすでに奴隷を使って宝探しをしていました。ララと船乗りも奴隷になってしまうのですが・・・。
 予告では「普通の女の子」と紹介していましたが、体力抜群で弓矢の腕もあり「強くたくましく賢い女性」の大活躍です。ヒミコや「カラクリ」の技が謎を解く鍵となっています。父と娘のドラマとしても楽しめます。
 「ファースト・ミッション」ということは当然「セカンド」が期待されるところです。ラストで銃を手にしていましたが、「銃規制が盛り上がっている」時期なので次回作もぜひ「弓矢」で闘ってほしいものです。
 タバコは、なし。無煙です。


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去年の冬、きみと別れ

2018-03-12 | 2018日本語映画評


「去年の冬、きみと別れ」 瀧本智行監督 ◯ ☆

 中村文則原作のサスペンス小説を岩田剛典、斎藤工の競演で映画化しました。
 有名な写真家木原坂雄大(斎藤工)が関係した事件の真相を探る記事を出版社に持ち込んだ耶雲(岩田剛典)は編集者の小林(北村一輝)の助言を受けることになります。耶雲は小林と出会えたことを喜び度々記事についての意見を聴くようになります。実は耶雲は近々結婚を予定している婚約者百合子(山本美月)がいますが、取材が忙しく百合子とぶつかり合うようになります。そんな百合子に木原坂は近づくのでした。
 本作のチラシ通り「この罠にはまって」しまいました。最後まで読めない展開で、廃墟ホラー風の場面や黒猫などの状況設定もうまく最高のサスペンス映画です。また、上野耕路の音楽が作品に重厚さを醸し出しています。
 男女の絡みや、火事、殺人といった残酷な場面もありましたが、映倫区分「G」に収めたことで岩田ファンの中高生も鑑賞でき、観客動員にもつなげていると思いました。もちろん中高生だけでなく大人にも十分面白い作品でした。(☆)
 難を一つ言えば小林の青年時代を声だけでなく北村が演じられなかったのが残念です。
 タバコは、なし。吸い殻は映りましたが、無煙です。(◯)


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北の桜守

2018-03-11 | 2018日本語映画評


「北の桜守」 滝田洋二郎監督 ◯ ☆☆

 吉永小百合出演作120本目、「北の零年」「北のカナリアたち」に続く北の三部作の締めの作品です。樺太からの引揚者の辛苦と親子の愛情を描きました。
 1945年、樺太ではソ連が攻撃を開始し、多くの日本人が命からがら北海道へ向かいました。てつ(吉永小百合)は出征した夫(阿部寛)を残し息子二人を連れ、なんとか引揚船に乗ることができましたが・・・。
 70年代になり次男修二郎(堺雅人)はアメリカから帰国し札幌で日本初の24時間営業の店をオープンします。多忙を極めていましたが網走市役所から母親の件で連絡が入ります。15年ぶりに故郷に戻ると相変わらずの小屋住まいで少し老けたてつが彼を迎えました。そして、息子と母親の久しぶりの時間が流れるのですが、アメリカ育ちの妻(篠原涼子)は戸惑いを隠せないのでした。
 映画の中に舞台劇を取り入れた斬新な演出が大変効果的です。舞台経験がないという吉永でしたがケラリーノ・サンドロヴィッチの世界に溶け込んでいました。(☆)
 テーマの社会性、歴史性、親子や男女の人情など、さまざまな要素が取り入れられているだけでなく、「桜」を効果的に使い、美しく描きました。脇役の一人ひとりがそれぞれ名演技を見せています。その上、小椋佳の音楽が叙情感たっぷりに盛り上げました。サユリストだけでなく多くの人に観てほしい名作です。(☆)
 タバコは、手にする場面はありましたが、口にするまでは行かず、無煙でした。俳優の健康被害はありませんでした。
「たばこ」の看板が出ましたが、この時代の作品を無煙で演出した監督の力量に敬意を表しおまけの(◯)です。

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幼子われらに生まれ

2018-03-10 | 2018日本語映画評


「幼子われらに生まれ」 三島有紀子監督 ☓☓☓

 重松清原作の再婚した夫婦と子どもの関係を父親の視点で捉えた家族のドラマです。
 サラリーマンの田中(浅野忠信)は再婚した妻(田中麗奈)が妊娠し、妻の連れ子との関係がギクシャクします。田中自身も妊娠を受け入れかねています。その上、仕事も倉庫係に出向させられ踏んだり蹴ったりの状況です。幸せなのは前妻との間にできた娘と年に4回過ごす時間だけでした。そんな田中に次の難題が降りかかります。娘が「本当の父親に会いたい」と訴え、前妻の再婚相手は末期がんで余命がわずかとなるのでした。あれこれ奮闘する田中なのですが・・・。
 前妻(寺島しのぶ)との別れた経緯の中で、まるで夫婦別姓法案に反対している保守系の議員が言っているようなセリフを言う田中には全く共感できず、(職場で旧姓を使うな、家庭に入れ、子どもを生め、など)専業主婦の妻にも共感できず、感情移入がなかなかできない作品でした。どちらかというと、どうしょうもない前夫(宮藤官九郎)の「妻や子どもは煩わしいだけ」なんていう投げやりな言葉に結構説得力がありました。わずらわしい関係を続けることが生きることなのでしょうか。
 タバコは、大変残念なことに喫煙場面が多い作品でした。田中の職場の上司(☓)寺島しのぶ(☓)宮藤官九郎(☓)そして行き詰ったときに折角禁煙していたのに知らない人から一本もらって田中がじっくり喫煙する、という昭和の古典的喫煙場面(☓)もありました。脚本が荒井晴彦でタバコ大好きな人なので仕方がないかもしれませんが、宮藤も浅野もひとつまちがえば救急車のお世話になる年齢ですのでくれぐれも気をつけてほしいものです。
 広告のなかで、化粧品のDHCを大きく映していることにも「?」です。


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坂道のアポロン

2018-03-10 | 2018日本語映画評


「坂道のアポロン」 三木孝浩監督 ☓

 1960年代の佐世保を舞台にジャズでつながる友情を描きました。原作は小玉ユキのコミックです。
 家の事情で東京から佐世保の親戚に世話になり、転校してきた西見(知念侑李)は級長の律子(小松菜奈)、律子の幼馴染セン君(中川大志)の二人と出会います。そして、律子の父親が経営しているレコード店の地下にあるスタジオでジャズのセッションをするようになります。そんな折東京から帰省してきたジュン兄(ディーンフジオカ)がトランペットで加わり、3人は至福の時を過ごすのですが・・・。
 レコード盤、ビクターの犬、10円玉の公衆電話、三輪トラックなど60年代が小道具やファッションを含め再現されていました。観客は中高生の女子がほとんどでしたが(土曜日)中高年の方は懐かしく興味深かったのではないでしょうか。当時は佐世保に限らず米軍の基地がある街にはセン君のような子は珍しくはなかったかもしれませんね。
 近くの席の中学生くらいの女子は知念くんのファンらしく、彼の一挙手一投足にリアクションを
して泣いたり笑ったりにぎやかでした。ちょっとうるさくて迷惑しましたが、これだけ感情移入できるのは幸せなことよ、と羨ましくもなりました。
 タバコは、大学生のディーンフジオカが2回ほど手に持っていました。(☓)トランペットを吹く人がタバコ吸うのはトランペットを舐めてますね。


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ライオンは今夜死ぬ

2018-03-07 | 2018外国語映画評


「ライオンは今夜死ぬ」 諏訪敦彦監督 日仏合作 ◯

 往年の名優ジャン=ピエール ルネを主演に老いた俳優と映画ごっこをしている子どもたちとの交流を描きました。
 俳優のジャンは南フランスで映画の撮影をしていますが、死に向かう役にいまひとつ納得ができません。共演者のトラブルで撮影がストップしたので昔の友人を訪ねます。
 古い荒れ果てたお屋敷でジャンは元妻のジュリエットと出会います。そんな時、屋敷の中に映画撮影をしている子どもたちが勝手に入り込んできます。ジャンと彼らは次第に話を交わすようになり子どもたちの映画にジャンは出演するのでした。
 老人と子どもが映画を通して理解し合っていく、というストーリーは映画好きには理想的なお話です。ただ、訳ありの子どもの悩みをライオンだけで解決してしまうのはちょっと不親切ではないでしょうか。今一歩踏み込めると良かったと思います。
 タバコは、なし。無煙です。(◯)


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今夜、ロマンス劇場で

2018-03-03 | 2018日本語映画評


「今夜、ロマンス劇場で」 武内英樹監督 ☓☓

 映画監督を目指している青年が、大好きな昔の映画から飛び出してきたお姫様との不思議な出会いを描いたファンタジーです。
 助監督の健司(坂口健太郎)は忘れさられていた昔の映画を拾い出し、毎日のように馴染みの映画館で自主上映をしていました。そんなある日なんと映画の中から大好きなお姫様(綾瀬はるか)が出てきたのです。健司を「しもべ」として扱い威張っていますが、健司はそれでも美しいものを
次々見せるのでした。しかし、彼女にはある秘密があったのです。秘密を打ち明けられた健司はある行動に出るのですが・・・。
 映画好きには興味深い場面があれこれ登場し楽しい作品です。お姫様の衣装もおしゃれで見どころの一つです。自分とは異なる世界にいる人を愛する切なさと愛さずにはいられない抑えられない気持ちが感動です。アメリカ映画の「シェイプオブウォーター」でのラストの抱擁シーンに負けない美しく哀しい抱擁シーンが涙を誘います。
 タバコは、時代を反映してか、映画会社の社長(西岡徳馬)がパイプをいつも咥えていました。
売れっ子の男優(北村一輝)が何回か喫煙しました。(☓☓)その他周囲でちらほら喫煙者あり。ただ、映画館の館主(柄本明)は吸い殻があり喫煙者の設定でしたが実際には喫煙せず、よかったです。フィルムが焼けてしまうと困りますからね。


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