無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ある町の高い煙突

2019-07-27 | 2019日本語映画


「ある町の高い煙突」 松村克弥監督 △

 鉱山の煙害被害を受け、会社と交渉して煙突を建てさせた村民の闘いを描いた新田次郎原作の小説を地元が中心となって映画化しました。
 日露戦争後軍備の増強のため現在の日立市にあった鉱山は増産体制となり、排出される亜硫酸ガスのため畑や森林に被害が出ていました。地元の農民たちは、青年会を中心に交渉に臨みますが補償金で解決を迫られるのでした。青年会の代表となった地主の孫関根三郎(井手麻渡)は会社の窓口となっている加藤(渡辺大)に煙害を減らす方法はないのか交渉を重ねます。その結果、会社の御用学者がある最新式の方法を提案するのですが・・・。
 国家と闘う農村の人々の姿はいつの時代も変わらず、補償金で懐柔されたり分裂したりしますが、この作品が取り上げた問題は、会社側の人たちに志のある人が多かったことが幸いして解決を目指すことができた成功例です。悪役の斉藤洋介(株主)、御用学者役の大和田伸也が悪役らしく良かったです。
 原発問題にもこういう志がある人が登場してくれるといいのですが・・・。
 タバコは、冒頭では農民がキセルを使う場面がありましたが、行動するにあたって「青年会は禁酒、禁煙」と決まりました。この宣言も画期的ですね。また、セリフの中に「煙害」が多くタバコの「煙害」を思わせました。


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Diner ダイナー

2019-07-26 | 2019日本語映画


「Diner ダイナー」 蜷川実花監督 ☓☓

 平山夢明原作の同名小説を実写映画化しました。
 オオバカナコ(大城ティナ)はある事情から30万円の怪しいバイトに手を出したばかりに、闇の組織に売られ元殺し屋ボンベロ(藤原竜也)がシェフとして君臨するダイナーのウェイトレスになります。そこには個性的な殺し屋が訪れます。ボンベロ曰く「生かすも殺すも俺次第」とカナコの自由は全くありませんが、ひょんなことからボンベロが大切にしているあるものを人質にしてしまうのでした。一方、闇の世界では組織の勢力争いから一人のボスが消され後継者選びが白熱を帯びてくるのでした。はたしてカナコの命は?自由は?どうなるのでしょうか。
 赤が基調となった絢爛な色使いは相変わらずの監督好みですが、今作ではモノトーンとブルーを対象的に使い多少は幅が広がった気がします。「ダイナー」にしてはあんまり美味しそうなものが登場しなかったのが残念です。素材は溢れんばかりに映っていましたが・・・。
 個性的な殺し屋の皆さんメイクなどが過剰で誰が誰やらわからず、吹き出しの文字が一瞬では読めない変文字だったので初めての人が理解できるよう紹介してほしかったです。
 教訓、高額バイトには気をつけましょう。
 タバコは、こちらも毎度おなじみで、主役の藤原(☓)ほか殺し屋が数人喫煙していました。(☓)喫煙者のシェフって?


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天気の子

2019-07-25 | 2019日本語映画


「天気の子」 新海誠監督 ☓

 「君の名は。」が大ヒットした新海監督の第2作目です。
 離島から家出してきた帆高(声 醍醐虎汰朗)はフェリーで知り合ったちょっと怪しげな男須賀(声小栗旬)を訪ねます。魅力的な先輩夏美(声 本田翼)がいたこともあり住み込みで働き始めます。東京では連日雨が振り続けていました。そんな折仕事のネタとして「晴れ女」の陽菜(声 森七菜)と出会います。彼女は2歳年上で弟の凪(声 吉柳咲良)と二人暮らしで何かわけがありそうでした。
 前作でも「巫女」が物語の鍵を握っていましたが、今作でも「人柱」という超自然的な役割を担う存在が鍵となっています。
 「連日の雨」の東京が舞台なので「雨の表現」が見せ所でもある本作は、新海監督の本領発揮というところでしょうか。前作よりもわかりやすい内容でした。
 タバコは、繁華街のヤクザが喫煙していたことと、須賀が別れて暮らす喘息の娘に会うために禁煙していたり、うまくいかなくなると再び喫煙したり、結構タバコネタの多い作品でした。「喘息の孫に喫煙者の父親は会う資格がない。」という祖母の言葉はそのとおりです。全体的にはタバコはマイナスイメージでしたので(☓)。


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魂のゆくえ

2019-07-10 | 2019外国語映画


「魂のゆくえ」 ポール シュレイダー監督 米英豪合作 ○

 息子に対しての罪悪感に苦しむ教会の牧師が、若い夫婦の抱える問題と出会ったことから宗教とは、人生とは、を問い直す、監督自身の脚本による人間ドラマです。
 トラー牧師(イーサン ホーク)はひとり息子を「大義なき戦争=イラク戦争」に牧師として従軍させ戦死させてしまいました。妻はそれが原因で去り、自身も軍の牧師を辞め、今は歴史は古いものの信者の少ない小さな教会の牧師をしていました。ある時若い妊婦メアリー(アマンダ セイフライド)から夫が鬱になったので、話を聞いてほしいと相談を受けます。夫のマイケル(フィリップ エッティンガー)は環境保護団体に属していて、環境破壊が進むこの世界に子どもを生むのは罪悪だと妻の妊娠を否定的に捉えていました。特にマイケルは地元の大企業バルク社が環境を破壊していると糾弾していました。トラー牧師の世話をしている隣接の大教会はそのバルク社から多額の寄付を受けていたのです。トラー牧師は自分がすべきことを考えるのですが・・・。
 巨大企業の汚染物質によって破壊された「死んだ町」のようすはアメリカだけの問題ではありません。パーム油のための熱帯雨林の伐採、エビ養殖のためのマングローブの破壊など日本人にとっても生活そのものを考え直さなければならないことを問いかけています。
 しかし、だからといってテロ行為は許されることではありません。
 少しだけ希望の見える作品でした。
 タバコは、なし。無煙です。
 タバコといえば、先日ラジオのリポートで、「アメリカのバージニア州では葉タバコ栽培からひよこ豆栽培へと転換している。」という報告がありました。タバコの銘柄名にもなっているバージニアでも脱タバコなのですね。


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縄文にハマる人々

2019-07-09 | 2019日本語映画


「縄文にハマる人々」 山岡信貴監督 ○

 縄文時代の土器、土偶、精神世界に魅了された様々なジャンルの人々が自身の縄文への思いを熱く語るドキュメンタリー映画です。
 農耕が始まってたかだか二千年余、それ以前の1万年以上を「縄文文化」が東日本を中心に花開いていました。摩訶不思議な土器の文様の謎解きをし、追体験するために竪穴住居で生活し、アボリジニの研究から縄文時代を推察し、それぞれのやりかたで真剣にアプローチしている姿は「ハマる」という表現がぴったりです。
 結局謎は謎のままですが、だからこそ面白い縄文研究なのでしょう。
 音楽が賑やかすぎたのがちょっと耳障りでした。
 とりあえず、筆者が縄文人を尊敬している理由は、組織的な戦争がない時代だったということです。弥生時代以降戦争ばっかりしていますが、「戦争にハマる人々」はいったいどこから入ってきたのでしょう。
 タバコは、なし。無煙です。


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今日も嫌がらせ弁当

2019-07-08 | 2019日本語映画


「今日も嫌がらせ弁当」 塚本連平監督 ○ ショウゲイト

 シングルマザーが娘に作り続けたキャラ弁の人気ブログからエッセイにもなった同名作品を実写映画化しました。
 幼い頃は「ママと結婚する」と甘えていた次女双葉(芳根京子)も高校生の反抗期となり一言も口をききません。母親のかおり(篠原涼子)は腹立ちつつも忙しい時間を繰り合わせて毎朝楽しいキャラ弁を作っていました。八丈島の小さな高校ではみんなが注目するお弁当になっていました。八丈太鼓のメンバーで幼馴染の達雄(佐藤寛太)のことが気になる双葉ですが告白できずもやもやしていました。一方かおりのキャラ弁ブログを見て刺激され、シングルファーザーの岡野(佐藤隆太)は幼稚園児の息子のためにがんばってキャラ弁をつくり始めます。そのうちかおりともやりとりをするようになるのでした。ところが、頑張りすぎていたかおりは倒れてしまいます。母子の関係は?双葉と達雄は?どうなるのでしょう。そして、かおりと岡野は?
 キャラ弁がちょっと凝りすぎ。これでは働くお母さんには重荷になりそうです。「アホ弁(ふりかけでアホと書く)」とかタコウィンナーも目がなくてもいいのではとか思いました。四字熟語はいくらなんでもやりすぎでしょう。ま、だから映画になったのでしょうけど。
 八丈島の自然が美しく行ってみたくなります。エンドクレジットがとても可愛いです。その上ラストのラストが意味深で。途中で帰らないで明るくなるまで席についていましょうね。
 タバコは、なし。無煙です。(○)


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きみと、波にのれたら

2019-07-07 | 2019日本語映画


「きみと、波にのれたら」 湯浅政明監督 ○ 東宝

 海辺の街を舞台に描くちょっと切ないラブストーリーをアニメーション映画にしました。
 サーファーのひな子(声 川栄李奈)は引っ越してきた街で消防士の港(声 片寄涼太)と出会い二人は恋に落ちます。ところが、港は一人でサーフィンの練習をしているときに溺れた人を救助して自分が亡くなってしまいます。ひな子はすっかり落ち込んで海を見るのも辛く引っ越します。ところが、あるときふたりの思い出の歌を口ずさむと水の中に港が現れたのです。「ひな子のそばにいる」と約束したことを港は守ろうとしているのですが、港の妹からは「いい加減に受け入れなよ。お兄ちゃんは死んだんだよ。」と諭されます。ひな子は港の死を受け入れ立ち直ることはできるのでしょうか。
 「水の中に登場する恋人」という設定では実写映画はなかなか困難で、サーフィンの場面もアニメーションだからこそ可能な映像です。映像と音楽が躍動感ある場面を演出しています。
 また、「お仕事映画」の要素もあり、消防士の訓練や日頃の見回りなど「予防が一番の防火」と消火活動だけではない、人命救助の訓練なども練り込まれた脚本は単なるラブストーリーに終わらずよくできていました。
 声の出演者がアニメ声でなく映像世界に自然に溶け込んでいました。
 タバコは、なし。無煙です。(○)田舎の消防団には喫煙者もいますが、プロの消防士は喫煙者には体力的に無理でしょうね。また、火災の原因は放火を除けば常にタバコの火の不始末がトップです。防火のためにも禁煙にまさるものなし。


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X-MEN ダークフェニックス

2019-07-06 | 2019外国語映画


「X-MEN ダークフェニックス」 サイモン キンバーグ監督 米 ○

 マーベルコミック人気シリーズ「Xメン」の7作目。
 Xメンのリーダーやメンバーからの信頼も厚いジーン(ソフィー ターナー)でしたが、ある宇宙ミッションに参加し、謎の熱源体に触れたことがきっかけとなり、ダークな人格が表に出てしまいます。そのパワーは絶大でコントロールできないのでした。一方地球攻略を狙う地球外帝国軍がジーンのパワーを利用しようと近づいてくるのでした。
 どのように撮影されているのか想像もできませんが、破壊の映像がこれでもかという感じでリアルに表現されています。最近は女優も美しいだけでなく、アクションや宙吊りなどもこなさなくてはならず体力がいりますね。ジェシカ チャステインの悪役ヒーローは美しいだけにより不気味で良かったです。
 タバコは、なし。無煙です。(○)


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スパイダーマン ファー・フロム・ホーム

2019-07-05 | 2019外国語映画


「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」 ジョン ワッツ監督 米 ○NTS

 トム ホランドが主役を演じるスパイダーマンシリーズの第2作目。
 高校の研修旅行でベネチアを訪れているピーターらの前に突然水をコントロールするモンスターが現れ街は大混乱に陥ります。謎のヒーローミステリオ(ジェイク ギレンホール)がモンスターを追い払います。ピーターの上官でもあるフューリー(サミュエル J ジャクソン)にミステリオことベックを紹介します。信頼を寄せるピーターでしたが実は大きな罠が待っていたのでした。
 研修旅行で告白しようとしている高校生らしい思いと、正義を守らなければというスパイダーマンとしての責任感とに翻弄されるピーターがいじらしいです。
 クラスメートにはさまざまな子どもたちがいて多様性をアピールし、脳天気な教師のおかげで危機も危機として認識されずのどかです。ギスギスしていない教育現場はいい雰囲気で羨ましいですね。
 「アベンジャーズ」を観ていないとついていけなくなってしまったのが残念です。
 ラストにお楽しみがあるので明るくなるまで席を立たないように。
 タバコは、なし。無煙です。(○)


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凪待ち

2019-07-04 | 2019日本語映画


「凪待ち」 PG12 白石和彌監督 △ キノフィルムズ

 香取慎吾を主演に疫病神のような男の身辺で起きた殺人事件の真相を追うサスペンス・ドラマです。
 郁男(香取慎吾)は競輪にハマってギャンブル依存から抜け出ることができず、同棲相手の亜弓(西田尚美)と亜弓の娘美波(恒松祐里)とともに亜弓の実家に転がり込みます。漁師の父親は末期がんですが、入院を嫌い漁を続けています。郁男は印刷工場での仕事も決まり真面目に働こうとしていましたが、競輪場はなくても闇のノミ屋がありました。その上、亜弓の元夫に絡まれるのでした。一方定時制高校に通い始めた美波ですが、母親と諍いをした晩遅くなっても家に帰りませんでした。郁男と亜弓は探しに出ますが二人は車の中で口論となり郁男は亜弓を車から降ろし走り去ってしまいます。その後、亜弓は死体で発見されるのでした。
 ギャンブル依存のおどろおどろしさを香取が静かに演じています。「ヤバイ」とか「マズイ」と思いながらも金をすべてつぎ込んでしまうその姿は病気以外の何者でもありません。「カジノ」などもってのほかですね。
 曰く有りげな父親をさりげなく演じていた吉澤健がさすがでした。
 ラストは意外にもちょっとですが希望があり救われました。
 タバコは、ヤクザが喫煙していましたが、かなりのマイナスイメージでしたので△です。


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