
「終の信託」 周防正行監督 ○ ☆ 無煙映画大賞候補
呼吸器内科のエリート医師折井綾乃(草刈民代)は同僚の医師(浅野忠信)に振られ、自殺未遂事件を起こします。その時に心の支えとなったのは患者の江木秦三(役所広司)でした。江木は長いことぜんそくの持病に苦しめられ主治医の綾乃に「最後の時が来たら早く楽にしてほしい。」と託します。その後、心肺停止状態で救急搬送された江木はその時は一命を取り留めますが、延命の治療が始まるのでした。最後を託されていた綾乃は重大な決断をします。しかし、3年後にその処置が刑事事件に発展し、検察官塚原(大沢たかお)の厳しい追及を受けるのでした。
綾乃が検察庁に呼び出された場面から始まり待たされている間に過去を回想するという形でいきさつを説明した後、見せ場は塚原と綾乃の息詰まるような攻防の場面です。どちらにも賞をあげたい名場面です。草刈はもちろんのこと、憎たらしい検事の大沢と女ったらしの医師浅野のふたりの悪役(?)が好演していました。
タバコはなし。周防監督初の無煙映画です。