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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

金メダル男

2016-10-28 | 2016日本語映画評


「金メダル男」 内村光良監督 ◯ ☆

 ウッチャンナンチャンの内村が原作脚本監督をしています。1964年に生まれ一等賞を取ることを人生の目的にした男の半生をコメディタッチで描きました。
 秋田泉一(知念侑李)は運動会で一等になり、金メダルをもらったことがきっかけとなり、すべてのことに一等を取るべく努力して来ました。「塩尻の神童」と言われた泉一も高校に入学し女子が気になり始めると一等からは遠ざかってしまうのでした。心機一転東京に出た泉一は再び一等賞目指してチャレンジをします。
 おとなになってからの泉一を監督自らが演じ、いくつになっても夢を諦めない金メダル男を熱演しています。真からの悪人は一人も登場しないほのぼの系の作品ですが、知念の運動能力の良さや、内村のダンスなど見どころ満載です。妻役の木村多江もよくついていってます。いいタイミングでその時代ピッタリの音楽が流れます。また、内村の交際範囲が広いせいかちょっとした役に「おやっ」と思う俳優が登場し、贅沢な作品でもあります。
 タバコは、なし。無煙です。この点でも三世代で楽しめるおすすめの作品です。(☆)


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ふきげんな過去

2016-10-28 | 2016日本語映画評


「ふきげんな過去」 前田司郎監督 ☓☓☓

 品川の運河沿いにある安食堂を舞台に、18年ぶりに現れた母親と娘のぎこちない交流を描きました。監督のオリジナル脚本です。
 高校生の果子(二階堂ふみ)は面白くもない夏休みを過ごしています。そんな折、死んだと聞かされていた叔母の未来子(小泉今日子)が現れます。未来子は果子の部屋に居座り勝手なことを言ったりしたりしていました。未来子の母親もあまり歓迎せず早く出て行けと迫ります。何か理由があって潜伏していたことが少しずつ明らかにされます。父親や近所の人の話からどうも爆弾作りをしていたようなのでした。その上、果子を産みっぱなしで妹に預け、失踪していたのです。果子と未来子は理解し合えるのでしょうか。
 いつもイライラと不機嫌な果子、家族同士のちぐはぐな会話などが共感を拒んでいる作品です。爆弾を爆発させる意味がよくわからなく、最後まで何か未消化なものが残され、鑑賞後「不機嫌」になってしまういびつな作品でした。
 爆弾が高校生にも作れてしまうような展開は「宇都宮の事件」の後でしたら上映延期になっていたことでしょう。映倫では「G」ですが、これも「表現の自由」の範疇なのでしょうか。
 タバコは、小泉がたびたび喫煙し、「慢性的自殺」と言っていましたが、それをいうなら「緩慢な自殺」です。子役の前で喫煙するのは虐待、「表現の自由」より「子どもの生きる権利」のほうが大切です。子役の前での喫煙場面は絶対にやめてほしいです。映倫のスタッフはこういうところを指導すべきです。その他にも喫煙場面は多く、この点でも鑑賞後「不機嫌」になりました。(☓☓☓)


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セトウツミ

2016-10-28 | 2016日本語映画評


「セトウツミ」 大森立嗣監督 ◯ ☆

 性格の異なる男子高校生二人が放課後に交わす、止めどもない会話を描いた人気コミックの映画化です。
 勉強ができクールな内海(池松壮亮)はひょんなことから塾までの空き時間を、サッカー部を辞めた瀬戸(菅田将暉)とおしゃべりをして過ごすようになります。話題は、日常的なことや瀬戸が好きな同級生の樫村さん(中条あやみ)がらみの他愛のないことがらです。質のいい漫才を聞かされているようなやりとりです。
 春夏秋冬いくつかの小話に分けられ、それぞれ魅力的な登場人物が登場し、興味深いエピソードが完結しているところもきっぱりしていて好感が持てます。かすかな鈴の音で自分の母親が近づいて来ていることを察して小さくなる瀬戸くんが可愛かったです。また、二人で「何とかフクロウ」の真似をして口をすぼめるところも忘れられない場面でした。池松も菅田も今だからできる役どころを自然に演じていました。さすがです。でも高校生役はそろそろ見納めでしょうか。ピエロ役の宇野祥平が妙に存在感がありました。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。池松壮亮がタバコなしは好感がもてますね。
 

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すれちがいのダイアリーズ

2016-10-28 | 2016外国語映画評


「すれちがいのダイアリーズ」 ニティワット タラートーン監督 タイ ◯ ☆

 タイの山村の水上小学校を舞台に、新任の教師が前任者の日記を読んでいつしか心の交流をしていく物語です。
 タイの田舎のそのまた小さな分校に新任の教師ソーン(スクリット ウィセットケーオ)が派遣されます。電気も水も満足にない水上の小さな小学校で数名の生徒を前にソーンは悪戦苦闘します。そんなとき前任の教師エーン(チャーマン プンセサック)が残した日記を見つけます。そこにはソーンと同じように、孤独や教育への疑問、自分自身への鼓舞などが赤裸々に書かれていました。いつしかソーンはその日記に励まされ生徒に向かうようになるのでした。
 1年後、ソーンは学びなおすことにし学校を離れます。エーンは都会の学校では馴染めずソーンと入れ替わって再び分校に赴任します。そしてエーンもソーンが書き加えた日記の言葉に自身を見つめ直すのでした。
 都会と田舎の教育環境の違い、教師間の教育方法をめぐる意見の相違や、それぞれの恋人との関係が織り込まれた物語です。自然豊かな大河に浮かぶ水上小学校の風景も見どころです。アイドルスターのスクリットが映画初出演ながらソーン役を熱演しています。
 日本での田舎の子どもたちの教育環境の厳しさを考えるきっかけともなる教育映画でもあります。
 タバコは、なし。無煙です。タイのようなタバコ対策先進国では当然ですね。


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淵に立つ

2016-10-27 | 2016日本語映画評


「淵に立つ」 深田晃司監督 日仏合作 ☓

 カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門審査員賞受賞作です。脚本深田晃司。
 金属加工工場を営む利雄(古舘寛治)のもとへ昔の知り合い八坂(浅野忠信)が訪ねてきます。二人には何かいわくありげで、利雄は八坂を住み込みで雇います。妻の章江(筒井真理子)は初めは戸惑いますが、娘のオルガンの練習を八坂が見てくれたり、母と娘が通うキリスト教会へも一緒に出かけてくれたりする八坂に心を通わせていきます。しかし、あるとき八坂は娘を傷つけ消えてしまいます。8年間八坂を探し続けていた夫婦は意外なところから八坂の消息に関わる情報が入ってくるのでした。
 言葉も行動も丁寧で、オルガンも巧みにひく一方、利雄の前では豹変する八坂を浅野忠信が怪演しています。表向きは普通に幸せな家族が過去の秘密のせいで子どもまで巻き添えにして壊れてしまう怖い作品です。被害者のひとりでもある山上役の太賀がどことなくはかなげに演じていました。
 子どもには罪はないのに親の因果が子に報いっていうのはあまりに理不尽です。物語としては面白い展開ですが、もっと明るいラストにしてほしかったです。どうすればよかったって言うわけ八坂さん。「その後の淵に立つ」があるのでしょうか。
 タバコは、利雄と八坂が喫煙する場面が1度ありました。久しぶりにタバコを吸った八坂がむせた後「うまい」というのは、せっかく禁煙していたのに、お気の毒です。(☓)


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バースデーカード

2016-10-26 | 2016日本語映画評


「バースデーカード」 吉田康弘監督 ◯ ☆

 10歳の時に亡くなった母親と成長していく娘との心の交流を描きました。
 紀子(橋本愛)が自己紹介している場面から始まります。母親(宮崎あおい)の期待を裏切ってしまった子供時代、亡くなった母親からは20歳になるまで毎年バースデーカードが届き、小中学生の頃は嬉しかったものの大学生にもなると自分の人生に口出しされているようで読みたくなくなったこともあったことが描かれます。一方、母親の病室で見ていたパネルクイズに物知りの母親に出演してほしくて書いた応募ハガキが後に生かされます。そして結婚式の時には大きなサプライズがあるのでした。
 自然豊かな地方都市を背景に母親と娘そして父親(ユースケ・サンタマリア)と弟が絡んでの日常が美しく描かれる物語に、後半はパネルクイズの裏話が描かれ、こちらも結構新鮮です。どの場面でも音楽が大変効果的に流れていました。また、宮崎あおいがさまざまな手芸の技を巧みに見せてくれました。セーラー服がまだ似合っているのはさすがです。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。


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だれかの木琴

2016-10-26 | 2016日本語映画評


「だれかの木琴」 東陽一監督 ◯

 引っ越した先で初めて利用した美容院の男性美容師のストーカーになってしまう主婦を描きました。
 小夜子(常盤貴子)は髪をカットしてくれた海斗(池松壮亮)と名刺の交換をしたことがきっかけとなり営業メールにも返信し、メールのやり取りだけでなく2週間後には再びカットに訪れ、自宅まで訪れるようになります。それだけでなく海斗の恋人(佐津川愛美)が勤務するブティックまで客として押しかけドレスを購入するのでした。一方、夫(勝村政信)は夫で家庭を守りながらも女性との遊びの関係を楽しんでもいました。一人娘だけは母親の変化に気付き「家庭が壊れそう」と不安になるのでした。
 自分は仕事をしていないのに、用もない5万円以上するドレスをポンと買ってしまえる主婦って今時いるのかとか、妻も夫もやりたい放題ができるこの一家には経済的な問題は何もないのかという現実的な疑問は置いておいて、暇とお金があるけれど、何も目的がない主婦の空虚な気持ちは理解できるような気がしました。
 タバコは、なし。無煙です。池松壮亮がタバコを吸わないなんて、それだけでもすばらしい。(◯)


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太陽の蓋

2016-10-26 | 2016日本語映画評


「太陽の蓋」 佐藤太監督 ☓☓

 2011年3月11日、戦後最大の危機を迎えたときの、官邸、福島、東京をひとりの新聞記者を通して描きました。当時の政治家が実名で登場するジャーナリスティック・エンターテイメントだそうです。
 地震と津波の後、原発を動かしている電力会社(作品中は「東日電力」)と官邸のやり取り、そして福島に暮らす人々の情報がない中での避難活動、必死な対応をするフクシマの現場と東京の本店の幹部の無能ぶりと情報隠しが対象的に描かれていました。新聞記者の鍋島(北村有起哉)は記者を辞めた原発の専門家と連絡を取り原発がどうなっていくのかを知りますが記事にはできません。また、鍋島の幼い息子と妻は不安を抱えていますが連絡も思うようには取れません。福島では息子が原発作業員の一家も不安の中、わけも分からず強制的に避難させられ落ち着く間もなく再び避難先を移動させられていました。原発という「太陽」に蓋をすることはできるのでしょうか。
 東京電力を「東日電力」としたのは、その後東京電力のために「日本」の税金が使われていることを思えばなかなかのネーミングです。もっともこの作品自体は東電や当時の政治家たちを糾弾するという目的ではなく、その時の「人間ドラマ」を描くことが目的なので、被害者の立場から見れば不甲斐ない内容です。エンターテイメント作品の限界でしょうか。それでも5年以上が経って懲りずに再稼働がされていく今、「あの時」を思い出すきっかけになる価値はあると思います。
 タバコは、記者仲間役の大西信満がバーで喫煙(☓)、元記者役の菅田俊が登場するたびに喫煙していました。(☓)記者だったのにタバコの煙に含まれる放射性物質ポロニウムについては無知らしい。もしかしてこの作品の製作者や監督も原発と同じくらい危険なタバコについては勉強不足なのかもしれません。残念なことです。


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闇金ウシジマくん ザ・ファイナル

2016-10-25 | 2016日本語映画評


「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」 PG12 山口雅俊監督 ☓

 人気シリーズのファイナルです。
 今回は、社会的な背景としては「貧困ビジネス」と怪しい「多重債務法律事務所」を取り上げ、一方では丑嶋くんの過去が明らかになります。
 「カウカウファイナンス」にやってきたのは中学の同級生で丑嶋を「かおるちゃん」と呼ぶ男でした。彼は丑嶋の中学時代の同級生で、今は「誠愛寮」という場所で阿漕な兄弟に寄って集められた一文無しの男たちと奴隷のように働かせられていました。給料は食費や寮費を法外な料金でピンはねされ、そのうえ給料日には雀の涙ほどの現金が支給されますが、それも一日ギャンブルの開帳により再び一文無しにされてしまうのでした。実はその兄弟と丑嶋も中学生時代からの深い因縁があったのです。そして、「丑嶋殺す」と暴れるその兄弟の手に丑嶋は囚われてしまうのですが・・・。
 「誠愛寮」がやっていることはほとんど現実の社会の縮図で、権力者には要求も言えず、少ない給料からさまざまな税金をむしり取られ、その上娯楽としてはパチンコなどのギャンブルで憂さ晴らしをさせる労働者の姿そのものでした。
 暴力シーンは過激ですが、社会の様々な歪を娯楽のなかで考えさせてくれた「ウシジマくんシリーズ」がこれで終わりという潔さは評価しますがウシジマファンとしては寂しさもあります。
 タバコは、悪役三兄弟が喫煙、また、タバコの火を押し付けて拷問する場面もありタバコのマイナスイメージが強い作品です。(☓)
 

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永い言い訳

2016-10-20 | 2016日本語映画評


「永い言い訳」 西川美和監督 ☓

 西川監督自身が原作、脚本を書いています。突然妻を亡くした男が本当の自分を取り戻す物語です。
 小説家の津山(本木雅弘)は愛人との逢引中に妻をバス事故で亡くします。自身の執筆活動にも行き詰まっていた津山はふとしたことから妻と一緒に亡くなった妻の親友の子どもの世話をすることになります。子どもがいなかった津山にとって新鮮な驚きや面白さがあり今まで体験しなかった「頼られる存在」であることに心地よさも感じるようになりました。また、妻の別の面も知ることにもなりました。そんな時、子どもたちの前に女性が現れ津山の存在が危うくなるのでした。
 そのような長い道のりを経て津山は少しずつ真の感情を取り戻していきます。子役がうまいです。また、津山とは全く違うタイプの男性を竹原ピストルがいい味を出して演じていました。
 タバコは、津山の担当編集者役の池松壮亮が、津山と一緒にいるときに遠慮もなく車内やカフェでひとりだけ偉そうに喫煙していました。(☓)訳知り顔の生意気な若造にはタバコは「お似合い」かな。そういう意味ではマイナスイメージとなっています。


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