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「葡萄畑に帰ろう」 エルダル シェンゲラヤ監督 ジョージア ☓☓
権力の座につく時、振り落とされる時、それぞれの悲哀を描いた社会風刺コメディです。
政府の重要ポストにいるギオルギ(ニカ タヴァゼ)は、心地よい権力の座を満喫していました。温室まである立派な邸宅に、運転手付きの車、そしてお部屋を飾る素敵な贈り物の数々・・・。残念なことに妻を2年ほど前に亡くしましたが、新しい恋人もいて息子も可愛く娘はちょっと問題あるけど一応自立していて悩みなんて縁がありませんでした。ところが、選挙で野党が勝ってしまいたちまちギオルギはすべてを失ってしまったのでした。
「The Chair」という原題が物語をストレートに語っています。ラストで「椅子」が語るように古今東西つねに権力のもとで繰り返されてきた滑稽なドラマです。ただ、椅子が喋ったり置物が踊りだしたり、またオウムが先導したりとちょっとしたファンタジーを織り交ぜ楽しい作品となりました。
権力の座にいる皆さんにはこの作品をしっかり鑑賞して「明日は我が身」となっても良いよう弱者に優しい政治をしてほしいものです。
タバコは、ギアルグと同居している義理の姉が喫煙者で何回か喫煙。(☓)また、大臣を取材する記者が取材中に喫煙していました。(☓)