無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「るろうに剣心 最終章 The Final」 大友啓史監督 ✗✗✗

2021-05-30 | 2021映画評


「るろうに剣心 最終章 The Final」 大友啓史監督 ✗✗✗

 和月伸宏原作の人気コミック劇場版完結編2部作の「その1」
 幕末から明治となり世の中が平穏になりかけていた頃。上海からマフィアのボス縁(新田真剣佑)が乗り込んできます。じつは剣心(佐藤優)と過去に因縁があり「人誅」を目的とし上野山から砲撃で剣心らを狙ってくるのでした。神谷道場も襲われます。剣心は縁と対決をするのですが・・・。

 いつものように「ありえない」ちゃんばらアクションで後半には笑ってしまうほどでした。次から次へとちゃんばらが続き「物語はついで」って感じでした。

 タバコは、警察の江口洋介が登場するときから殆どの場面でタバコを咥えていてこちらも「ありえない」喫煙状況でした。そこまでしてタバコマネーが欲しいのかい?こちらも食傷気味で結構呆れて笑えます。いつもの「動物には危害をくわえていません。」って出ましたが、江口洋介は随分寿命が短くなったと思えますけど・・・。


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「いのちの停車場」 成島出監督 ○(おまけ)東映 ☆

2021-05-30 | 2021映画評


「いのちの停車場」 成島出監督 ○(おまけ)東映 ☆

 医師で小説家の南杏子原作の同名小説を吉永小百合主演で映画化しました。
 大学病院の救急救命の医師白石(吉永小百合)は、ある事情で故郷金沢の在宅診療所の医師となりました。医療の対象や内容が全く異なり戸惑いもありましたが所長の仙川(西田敏行)や父達郎(田中泯)の支え、そして白石を追って診療所の職員となった野呂(松坂桃李)看護師の星野(広瀬すず)の存在が励ましとなり悩みながらもさまざまな患者に誠意をもって診療をするのですが・・・。

 医療現場が対面しているさまざまな現実的難問が挿入される脚本で(脚本 平松恵美子)観客も自身に置き換え考えさせられる場面もあります。重いテーマですが、それだけではなく金沢の魅力がさり気なく紹介され訪れたくなります。モンゴル食堂のひょうひょうとしたマスターみなみらんぼう、患者や家族の泉谷しげる、小池栄子、伊勢谷友介などが個性的に盛り上げています。もちろんサユリストも満足できるよう美しい加賀友禅の着物姿の小百合さんも登場します。
 医療場面では「オヤっ?」と思う場面もありましたが、吉永小百合さんだからまあいいか。
 なお、録音(藤本賢一)が大変良く聞き取れないセリフがありませんでした。すばらしい!☆
 
 タバコは、末期の肺がん患者で芸者役の小池栄子が診療中に喫煙しようとしますが、白石医師に「タバコは止めないと・・・。」と言われ吸うのを止めました。高橋伴明監督の「痛くない死に方」(38番)では問題になった医師の対応とは違って最後まで人間としての尊厳を大切にしていてよかったです。

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「きまじめ楽隊とぼんやり戦争」 池田暁(いけだあきら)監督 ○ ☆ ビターズ・エンド

2021-05-20 | 2021映画評


「きまじめ楽隊とぼんやり戦争」 池田暁(いけだあきら)監督 ○ ☆ ビターズ・エンド

 不条理な社会の中でまじめに生きる人々の姿をまじめにおかしく描きました。
 戦前の田舎を思わせる架空の町津平では毎日まじめに川の対岸の町と戦争をしています。まじめな町では朝になると楽隊が人々を起こします。兵隊の露木(前原滉)は楽隊が通るとすっくと目覚め第一基地へ向かいます。きまじめな受付で名乗り、9時から5時まで川向うに銃を撃ちます。昼食は息子が兵隊で激戦地にいるちょっと妙な女将さん(片桐はいり)の食堂で食べます。夕食は煮物屋(嶋田久作)で一品だけのおかずを買って一人でまじめに食べます。あるとき川向うから音楽が聞こえるような気がします。そんな折、露木は所属が楽隊に変わります。楽隊員はかなり奇妙ですが露木はまじめにトランペットを練習し、川向うにいるトランペットを吹いている女性を遠見ながら確認するのですが・・・。

 直角に曲がる歩き方、感情のない話し方、奇妙な仕事の人々、何でも忘れてしまう市長さん(石橋蓮司)、泥棒をする(といっても煮物泥棒ですけど)市長の息子(清水尚弥)は奇妙なことに警官になりもうひとりの煮物泥棒三戸(中島広稀)は兵隊になります。三戸はなんと「誰も見たことがない恐ろしい対岸の町」へ泳いで往復し「普通の町だった」と知るのです。しかし、新しい大型兵器が開発され「ぼんやり戦争」がいつのまにか「悲惨な戦争」になっていく・・・。ぼんやりしているとお尻を蹴っ飛ばされますよ、とかなり鋭く警告しています。
 「ドナウ川のさざなみ」タイトルは知りませんがトルコの軍楽隊のあの有名なテーマ曲などが効果的です。
 
 個性的なキャストがきまじめに演技し大変印象的でした。面白い俳優さんがまだまだたくさんいるのですね。今後の活躍が楽しみです。

 タバコは、なし。無煙です。(○)


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「ブックセラーズ」 D・W ヤング監督 米 ○ ☆

2021-05-17 | 2021映画評


「ブックセラーズ」 D・W ヤング監督 米 ○ ☆

 世界最大規模のニューヨーク「ブックフェア」の裏側や、古書に関連するブックディーラー、書店主、コレクターなど伝説的人物や、有名作家の知られざる変名での作品やアートと競う希少品などが紹介されます。作家のフラン レポウィッツが進行役を務めます。

 有名古書店の店主たちはフェアの開かれる会場へたくさんの本を積めるだけ積んでバンで乗り入れ開店準備をします。売上がそれほどないと再び重たい本をパッキングしバンに積んで店に戻します。そして数日後にはまた次の会場へ移動する日々です。彼らの嘆きは会場にはシニア層しか訪れないこと、電子図書の普及が書店の閉店につながり、書店そのものが希少になってしまいました。その上ネットでどんな本でもすぐに手に入ります。
 しかし、それが本と読者にとって幸せなことなのでしょうか?

 書店や図書館は「知の森」という進行役の言葉が印象的です。進行役の作家は本に関していくつも心に残る思いを訴えています。たとえば、本に囲まれていると「本の持つエネルギー」が伝わってくると言います。ゴミ箱に本が捨てられていたりするのを見ると「まるで生首がそこにあるように思え心が締め付けられる。」と本当に悲しそうに話します。そして極めつけは「読者は本に選ばれている。」という名言です。たしかに「本に呼ばれる」ことは書店や図書館で無意識に感じるときが確かにあります。
 紙の書物にとって厳しい時代ながらも、地下鉄の中で紙の本を手にしているのはほとんどが二十代の若者だ、という事実もありちょっと希望を感じるラストでした。

 タバコは、なし。無煙です。(過去の写真などにパイプを手にしているものがありました。)


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