無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

マラヴィータ

2013-11-28 | 2015以前の映画評


「マラヴィータ」 PG12 リュック ベッソン監督 米仏 ××

 ノルマンディー地方の田舎町に越して来たアメリカ人のブレイク一家は一見普通の夫婦と娘息子の4人家族です。しかし、実態は元マフィアで家族共々FBIに証人保護の対象になっていて、マフィアに追われていたのです。
 一家4人がそれぞれ攻撃的でリュック ベッソンらしいドンパチもふんだんに見られます。暴力場面も多いのですが笑わせる場面もあり、妙に面白い作品です。ロバート デニーロとトミー リー ジョーンズのからみが絶妙です。アメリカ人を小馬鹿にするフランス人気質も笑わせます。
 タバコは、デニーロ、妻役のミシェル ファイファーなどが喫煙しました(××)。子どもたちが通う高校の場面で「タバコの裏取引を仕切っている」女子高生もいました。

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晴れのち晴れ、ときどき晴れ

2013-11-28 | 2015以前の映画評


「晴れのち晴れ、ときどき晴れ」 内片輝監督 △

 アクションスターになることを目指して高卒後上京した緒方定虎37歳(松本利夫)は夢破れ、その上借金取りに追われる身となり、故郷瀬戸内の港町牛窓へ帰ります。刀鍛冶の父親からは「敷居をまたぐことは許さん。」と追い出されてしまいます。幼なじみの家にいくと、そこには妹のイヅミが高校教師になっていました。一目惚れした定虎は彼女が担当している定時制に入学します。一方、同じ日に定虎の娘だという、美羽(宮崎香蓮)が「母親が死んで行くところがない。」と定虎を頼ってきます。突然で驚いた定虎は不承不承受け入れ、一緒に高校に通うことになるのでした。
 コメディアンとしての才能たっぷりの松本が笑わせてくれます。「フーテンの寅」を彷彿とさせる人情喜劇となりました。アクションスター志望という設定とラストで踊る「うらじゃ」の場面でエグザイルの「MATHU」としての魅力も発揮しています。瀬戸内の風景もきれいでした。
 タバコは、ほとんどなく無煙かと思いましたが、ラストで船の船長さんが画面の隅で喫煙していました。大変残念です(△)。細部にも目を配ってほしいものです。

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悪の法則

2013-11-28 | 2015以前の映画評
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「悪の法則」 R15 リドリー スコット監督 米 ×

 魅力的な恋人(ぺネロペ クルス)がいて、仕事も有能な弁護士(マイケル ファスべンダー)が出来心から裏社会のビジネスに関わるようになり破滅の道へ進んで行くというお話です。
 コロンビアからアメリカへ薬物を密輸する場面から始まり、運び屋の少年がバイクのスピード違反で捕まり、刑務所に入っている母親から弁護士に息子をなんとかしてほしいと依頼されます。一方、密輸している車を乗っ取ろうと別の組織も動き出します。一度悪の道に入ると手を引くのはなかなか大変なのでした。
 悪い奴らが結構哲学的で、名台詞が多いのはおもしろいです。男性客にはセクシーなキャメロン ディアスやぺネロペが受けるのでしょうね。ただし、男優がいまひとつクールじゃなくてちょっと見劣りしました。
 タバコは、南米の組織の関係者が何回か喫煙していました(×)。

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共喰い

2013-11-27 | 2015以前の映画評


「共喰い」 R15 青山真治監督 ×× PPホープ

 原作は田中慎弥の芥川賞受賞作です。
昭和63年、17歳の遠馬(菅田将暉)は父(光石研)とその愛人と暮らしています。別れた母(田中裕子)は川のほとりで魚屋を営んでいます。父親には暴力的な性癖があり、遠馬は恋人と神社の神輿倉に隠れて逢うたびに、自分にもその血が流れていることにおびえています。母は元夫の愛人が暴力の犠牲になっていることを知っていて、「最初に私が殺しておけば良かった。」と悔やんでいます。はたして遠馬は血の闇に打ち勝つことができるのでしょうか。
 タイトルの「共喰い」を映像で的確に表現した場面は映画ならでは、です。また、ラストの車(ネタバレになるのでどんな車かは秘密)のナンバーが「4122」(良い夫婦)というのはすごいシャレでした。これも映画だから表現できる深い意味ですね。
 タバコは、母親役の田中が何回かホープ(PP)を吸います(×)。それだけでなく高校生の遠馬に「吸うか」と勧める場面もあります(×)。遠馬が吸わないというところも時代の変化を表現していました。ホープ、すなわち「希望」を吸うという設定も皮肉ですね。また、昭和時代の地味なタバコの自動販売機が映りました。あの自販機と比べると最近の自販機がいかに広告塔になっているか平成生まれの若者にも理解できるかも。
 印象に残った場面は、母親は空襲で左腕の手首がなくしますが、魚屋を営むための特殊な義手を付けています。刑務所の中で訪ねて来た息子に向かって、「戦争を始めたあの家のあの人より先に死ねない。」とつぶやきます。もう一つ、神社の境内から刑事に連行されるとき、血で汚れているため鳥居をくぐりません。でもその前の場面では中庭でタバコを吹かし、境内を汚染させたことには無自覚でした。
 そして、川はすべてを飲み込み流して行くのでしょうか。


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今日子と修一の場合

2013-11-27 | 2015以前の映画評


「今日子と修一の場合」 奥田瑛二監督 ×× PPエコー

 3・11前後の今日子(安藤サクラ)と修一(柄本佑)のそれぞれを描いています。
 今日子は生活のため働きはじめた保険会社で性的暴力を体験し、それが原因で家を追い出され、スーツケースひとつで上京します。出会ったのは売春斡旋業のトオルでした。トオルの言いなりに働かされる今日子をあの地震が襲います。一方、修一は母親への暴力を止めようとした弾みで父親を殺してしまいます。刑期を終え刑務所から出所した修一は工場で働き始めますが、修一にもあの日が訪れます。二人に共通しているのはふるさとが流されてしまったということです。流された街を歩くことで新しい人生に向かって行くのでした。
 ふたりはほとんど関わらないという脚本が新鮮です。しかし、観客は二人を通してあの日を再考することになるのです。
 タバコは、売春組織の男と修一に嫌がらせをする工員がエコー(PP)を喫煙します(××)。スーパーバイザーの安藤和津さんはどういう助言をしたのでしょう?確かタバコの害については講演などでも話されていたのではないでしょうか。
 印象に残った場面は、冒頭の電車が交差するところと後半の今日子と修一が無言のまますれ違うところです。淡々とした孤独な人々の流れが津波に流された大地に漂っていました。

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もらとりあむタマ子

2013-11-26 | 2015以前の映画評


「もらとりあむタマ子」 山下敦弘(のぶひろ)監督 ○ ☆ 無煙映画大賞候補作

 23歳のタマ子(前田敦子)は大学卒業後甲府の実家に寄生しています。髪はボサボサ、ジャージで一日中漫画を読んでごろごろしています。一緒に暮らす父親(康すおん)はスポーツ店を営みながら三食を用意するだけでなく、家事のすべてをこなしています。タマ子は店も家事も手伝わず、父親から一言言われただけで逆ギレします。しかし、父親に女性の姿がちらつき始めるとタマ子は落ち着かず行動を開始するのですが・・・。
 前田が「もらとりあむタマ子」のイメージ通りの絶妙な演技をしています。モデルのオーディションを受けようと企んでいたときは温野菜しか食べなくて、それをあきらめるとまたガツガツ何でも食べるようになったり、はじめはストーブの給油を父親にやらせていたのを言われなくても自分でするようになったり、行動が微妙に変化して行く様子をさりげない行動で表現していて、脚本もよくできていますが、それ以上に前田が自然に動いていました。特にタマ子の洗濯物の干し方は最高です。タマ子に関わる中学生(伊東清矢)も「天然コケッコー」の岡田将生を彷彿させる名演技でした。前田とともにこれからが楽しみです(☆)。
 タバコはなし。無煙です。昨年「苦役列車」、一昨年「マイ・バック・ページ」と2年連続の「汚れた灰皿賞」の山下監督ですが、「山下君、きみもやればできるタイプ、じゃないか。」とほめてあげたいです。前田敦子は主演女優賞(?)
 印象に残った場面は、テレビを見ていたタマ子が「ダメだな!この国は」とつぶやくと、父親はダメなのはおまえもだといった顔をします。その表情がすごくいい。2度目には言葉に出していいますが。

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すべては君に逢えたから

2013-11-26 | 2015以前の映画評


「すべては君に逢えたから」 本木克英監督 ○ ☆ 無煙映画大賞候補作

 一日100万人以上が利用する東京駅周辺でクリスマスの時期を舞台に6つの物語が交錯します。
 施設で母親を待つ少女、その施設で働く職員、好きな人に告白できない女子学生、仕事が忙しくてなかなか逢えない遠距離のカップル、余命わずかと宣告された新幹線の運転士一家、49年前に待ち合わせた男が来なくて結局独身でケーキ屋を営む女性、そしてクリスマスをきっかけに出会ったイヴの恋人と、どの世代の観客にも共感できる物語が織り込まれています。クリスマスの時期には毎年関連した映画が発表され「歳時記映画」とも言えますが、脚本は大変良くできていて、子役からベテランまで好演していました。家族でもカップルでも楽しめる作品です(☆)。
 タバコはなし。無煙です。新幹線の禁煙マークが映りました。
 印象に残った場面は、時任がこどもに自分の病気を告白するシーンです。役者としての貫禄が出てきましたね。

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劇場版 スペック 結 漸ノ篇

2013-11-23 | 2015以前の映画評


「劇場版 スペック 結 漸ノ篇」 堤幸彦監督 ○

 警視庁特殊捜査官当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(せぶみたける 加瀬亮)が特殊能力スペックを持つ犯人に立ち向かう、というシリーズ物です。「結 クローズ」ということで最終回の「漸」つまり前半部分です。
 人類の中枢を支配する権力者たちが、邪魔者である「スペックホルダー」たちを撲滅させるため「シンプルプラン」と呼ばれる計画を実行しようとしていました。スペックを持つ者と持たざるものの全面的な戦いが始まろうとしていたのでした。
 以上だけを読むとおどろおどろしいイメージかもしれませんが、随所に笑いのネタが散りばめられ「わけはよくわからないけどなんだかおもしろい」世界です。竜雷太がコミカルながらも意味の深い台詞を残しています。後半を見ないと最終的な評価はできませんが・・・。
 タバコはなし。無煙です。

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燦燦 ーさんさんー

2013-11-23 | 2015以前の映画評


「燦燦 ーさんさんー」 外山文治監督 ○ ☆

 77歳のタエ(吉行和子)は夫に先だたれ、一人の生活にもなれ高齢者の仲間にも恵まれ充実した日々を送っていましたが、なにか物足りなさを感じていました。そこで「人生のラストパートナー」と出会うため婚活を始めたのでした。家族や周囲はあれこれ言いますし、なかでも夫の親友(宝田明)は大反対でした。紹介所ではタエのタイプの男性(山本學)と出会います。
 高齢者の婚活と言う現代的なテーマを実力者ばかりの俳優陣と、ちょっと厳しい現実も織り交ぜて単なるラブコメディでもなく、人生を考えさせる脚本で秀作に仕上がっています。老いることへのエールを感じさせます。唯一の若手俳優田川可奈美がベテランたちに負けずいい演技をしていました。難はオチが予想通りだったこと。
 タバコはなし。無煙です。ただし、病院の屋上のベンチ脇にスタンド灰皿がありました。病院内は敷地内禁煙が常識です。

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潔く柔く (きよくやわく)

2013-11-20 | 2015以前の映画評


「潔く柔く(きよくやわく)」 新城毅彦監督 ○ 無煙映画大賞候補作

 幼なじみのカンナ(長澤まさみ)とハルタ(高良健吾)。ハルタは15歳のとき、カンナがハルタの友達と花火を見に行った晩交通事故で亡くなってしまいます。ハルタの死を自分の責任だと罪悪感に苦しむカンナでした。8年後、映画宣伝会社に勤めるカンナは出版社で働く赤沢(岡田将生)と出会います。実は赤沢もつらい過去を引きずっていたのでした。お互いの過去と正面から向き合うための旅に二人は出るのでした。
 単純な胸キュンのラブストーリーではなく、なかなか重いテーマの作品でした。ところで、高良も長澤も高校生役はそろそろ卒業ではないでしょうか。
 タバコはなし。無煙です。レストランやバーの場面も多かったのですが、全く無煙でした。
 印象に残った場面は、岡田将生のいや~なよっぱらいの演技ですね。これでまた一皮むけてきたと言えるかな。

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