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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「名も無き世界のエンドロール」 佐藤祐市監督 ✗

2021-01-31 | 2021映画評


「名も無き世界のエンドロール」 佐藤祐市監督 ✗

 行成薫原作の小説を岩田剛典と新田真剣佑のダブル主演で映画化しました。
 小学生の頃から家庭環境が似ていたせいか仲良しだったキダとマコトとヨッチは高校生になった頃ヨッチとマコトが付き合い始め、キダはふたりを応援する立場になりました。おとなになってキダとマコトは車の修理工場で働いています。そこへ「犬を轢いて傷ついた高級車」を運転していた美しいわがままな女リサが登場したところからドラマは動き始めます。
 数年後、リサに近づくためマコトは表の世界で社長となり、キダ(岩田剛典)はマコト(新田真剣佑 あらた まっけんゆう)を社長にするために影の仕事をする裏社会でのし上がります。二人が果たそうとしていたこととは・・・。

 ネタバレになってしまいそうで詳しくは書けませんが(この作品の場合ネタバレ厳禁)、悪いことをしたやつはもっと深く反省する環境を与え本当に「悪いことをしてしまった」と悔いる時間こそが「罰」になるのではないかと思います。命の終わりで犯罪を終わりにすることに何か意味があるのか・・・。娯楽映画ですがそんなことも考えさせられる作品です。佐藤祐市監督の作品なので明るく楽しいドラマかなと期待していましたがちょっとしたサスペンスでした。

 タバコは、修理工場で岩田が何回か喫煙しました。(✗)


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「えんとつ町のプペル」 廣田祐介監督 ○ 東宝、吉本興業

2021-01-30 | 2021映画評


「えんとつ町のプペル」 廣田祐介監督 ○ 東宝、吉本興業

 お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣が33人のクリエーターとクラウドファンディングで資金を集め制作した絵本「えんとつ町のプペル」をアニメ映画化しました。

 お笑い業界用語だと「つかみ」っていうのかな、冒頭のプペルが登場するまでの映像が凄い!一気にアニメの世界に引きずり込まれます。続いて今度はアニメキャラそれもハロウィンで仮装して踊るにぎやかなチームダンスがこれまたお見事です。物語はいつも町中にある煙突から煙がもくもくと吐き出され頭上を煙が常に覆っている小さな町で、孤独な煙突掃除少年ルビッチ(声 芦田愛菜)がちょっと不思議なゴミ人間プペル(声 窪田正孝)と出会って始まります。町ではちょっと変わったことを言ったりしたりすると異端者とみなされ、すぐに密告され捉えられてしまいます。ルビッチの親方はプペルを匿うため地下にあるミシンの仕事場を与えます。そこは今は亡きルビッチの父のテーラーでした。そしてふたりはいつも父親が話していたまだ見たこともない星や青空を見るために行動を開始するのですが・・・。

 アニメだからといって子どもだけのものではありません。ストーリーもアニメーションも大人が見ても十分楽しめる、今の社会が抱えるさまざまな問題を考えさせる内容です。
 監視社会の不気味さを描いていますが特に(これよりネタバレ)権力のスパイが実は「身近にいる親切なおじさん」っていうのもすごく恐ろしい警告です。そしてひとりの(ここでは二人ですが)勇気ある行動は人々を揺り動かすという感動で締めくくります。親子で見ていろいろ話し合うテキストにおすすめです。
 ひとつ苦言を言わせてもらえば「男なんだから泣くな!」というセリフが何回かあったのが残念でした。「泣いてもいいけど最後まで諦めない!」とかに変えてほしいです。

 タバコは、なし。無煙です。吉本興業が製作なので心配だったけど無煙で大変素晴らしい。「鬼滅の刃」もいいけど「プペル」はもっといいかも・・・。「鬼滅」だけがアニメじゃない!ちなみに「鬼滅」も無煙です。アニメの世界では無煙が当たり前かな。


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「詩人の恋」 PG12 キム ヤンヒ監督 韓国 ✗✗

2021-01-29 | 2021映画評


「詩人の恋」 PG12 キム ヤンヒ監督 韓国 ✗✗

 うだつの上がらない詩人が美しい青年と出会ったことで人生を問い直す姿を自然豊かな済州島を舞台に描きました。
 詩人のテッキ(ヤン イクチュン)は詩の同人会でけなされ、ふてくされていたときに最近港にできたドーナツショップの美しい青年セユン(チョン カラム)を見かけ心がときめきます。一方妻ガンスン(チョン ヘジン)は稼ぎのないテッキの代わりに家計を担いつつも年齢的にラストチャンスと妊活を始めテッキは乏精子症と診断され人工授精を決意します。セユンの母親はほそぼそと商売をしていますが花札賭博にはまっていました。病気の父親はセユンが世話をしていていわゆるヤングケアラーだったのです。テッキはセヨンのことをあれこれ世話を焼き、妻はそれが気にいりません。三角関係の泥沼からどうやってはいあがっていくのでしょうか。

 詩人と青年と妻との三角関係を描きつつ、貧困家庭の子どもの辛い現実を描きました。ヤン イクチュンが勝ち気な妻にさんざんなことを言われても言い返せない気弱だけれど恋する思いを止められない一途な詩人をしみじみ演じました。「息もできない」「あゝ、荒野」と同じ人?と思うほどの演技力でした。(拍手パチパチ)
 個人的には舞台となった済州島に一度は行ってみたいと思っているのですが。当分無理かな。

 タバコは、妻が妊活で禁煙していたのにうまくいかず再煙(禁煙していたのにまた喫煙してしまうこと)したり、セユンが喫煙しラストではテッキまで喫煙するタバコ規制推進的には、ちょっと残念な作品でした。(✗✗)


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「新解釈・三国志」 福田雄一監督 ○

2021-01-28 | 2021映画評


「新解釈・三国志」 福田雄一監督 ○

 動乱の中国歴史の中でも全国統一をめぐる1800年前の「魏」「蜀」「呉」という三国の戦いを娯楽映画として描きました。

 蜀の将軍劉備玄徳(大泉洋)は争いはやる気がなく、脇を固める関羽(橋本さとし)張飛(高橋努)に励まされ諭されしながらいくさに勝つため、諸葛亮孔明(ムロツヨシ)のもとを訪ね軍師と成るよう説得します。こちらもあまり積極的ではないものの妻(橋本環奈)におしりを叩かれ軍師となります。そしてあれこれあって80万の軍勢の「魏」と赤壁の戦いへと向かうのでした。

 「三国志」はさまざまな解釈があるらしいので、この「新解釈」も問題はないのですが、問題があるとすれば歴史考証的に考えても「渡辺直美のあのダンス」はないのではないでしょうか。「ビヨンセのパクリ」でしたね。良かったのはワイヤーアクションを伴う殺陣の演出がコメディにしては見応えがありました。血しぶきが全く出ない歌舞伎風なのもいいですね。物語の展開はピコピコアニメで簡単に流し無駄に長くならなかったのもわかりやすくてよかったと思います。
 孔明の策は妻の入れ知恵だったというのも現代的解釈です。
 映画ドットコムの評価は低いのですが、「三国志」の入門映画としては子どもたちにもおすすめなのではないでしょうか。本物の役者が演ずるとコメディがちゃんとコメディになりますね。
 「ガイジン」というセリフがありましたが、「ガイジン」は差別用語になります。使わないほうがいいでしょう。
 いずれにせよ、「民のために平和な世にする」という劉備玄徳のことばはポイント高いです。

 タバコは、なし。無煙です。


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「戦車闘争」 辻豊史監督 ✗

2021-01-28 | 2021映画評


「戦車闘争」 辻豊史監督 ✗

 1972年ベトナム戦争真っ只中のときに、神奈川県相模原市の米軍基地で戦車の修理が行われていました。修理が終わると再びベトナムへ送るため横浜から輸送されるのでした。それに対して「人殺しの戦車を通らせない」と市民が基地近くや横浜の村雨橋付近で座り込みをした100日闘争に様々な立場で参加したり、影響を受けたりした人々の証言をドキュメンタリーで描きました。
 
 実際に座り込んだ立場の参加者による当時の分析と記憶に鮮明に残された出来事の紹介、対する立場の警官や機動隊員の証言、そして歴史的、法律的な立場から専門学者の解説と、現在の日本が抱える基地問題との関連性への追求が織り込まれています。

ほとんどの立場の人がまだ存命でしっかり証言をすることが出来、歴史的記録として価値があると思います。反対だった人は堂々とインタビューに応じているのに対し、機動隊員とか警官は酒を飲みながらだったりとか仮名だったりしていました。
 ただ、証言がぶつ切りで内容がわかっている人は面白い編集かもしれません、見ず知らずの出演者を観客は初めて見るわけですからもっと理解しやすい編集にしてほしかったです。また、インタビューの間に大きな音をかぶせわざわざ聞き取りづらくさせているのには困りました。

 ところで、登場した研究者が「ガルパン(戦車道を描いた女子が主人公のアニメでオタク系大ファンに結構支持されている正式にはガールズ&パンツアー)を楽しく見ることはできない。」と涙を浮かべながら言っていましたが、筆者もその気持はよくわかります。人殺しの道具がそんなにおもしろいか?って感じです。

 タバコは、証言者のひとり吉岡忍がインタビューの間喫煙していました。(✗)




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「大海原のソングライン」 ティム コール監督 台湾オーストラリア合作 ○ ☆☆

2021-01-27 | 2021映画評


「大海原のソングライン」 ティム コール監督 台湾オーストラリア合作 ○ ☆☆

 イースター島からマダガスカルまで5000年をかけて人々が移動し文字がない中でソングラインという音楽が16の島々をつないでいた姿を取材し録音しひとつの音楽にしました。

 アウトリガーカヌーが台湾のある人々によって工夫されおかげで遠く旅に出るとこが可能になりました。数百年、数千年をかけ人々はマダガスカルまで辿り着いたのです。言葉を持たない彼らは音楽で自らの歴史や思想信条を表現しました。それは今も引き継がれていて各地には「ソングライン」と「ダンス」が伝えられています。自然素材や漂流物で作られた楽器で奏でられ豊かな自然の美しさをおおらかに歌い上げます。

 マイクと録音機をもって各地に入り他の島の演奏者の音源を聞きながら自らの演奏をする姿は「リモートコンサート」を先取りしています。どの演者もすばらしいのですが個人的には熱帯の川の中でウォータードラムを叩き出す女性グループが感動でした。水を楽器にするなんてすごい!音だけでなく水の動きも美しくいつまでも見ていたいパフォーマンスでした。(☆)
 音楽とダンスの合間には、海洋汚染の問題が深刻なこと、気候変動で海流まで影響をうけていること、そして海水面の上昇、森林伐採で動物の居場所が破壊され生存が脅かされていることなどがテロップで紹介されます。私たちひとりひとりがどうすればよいのか考えさせられました。(☆)

 タバコは、なし。無煙です。(○)


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「脳天パラダイス」 R15+ 山本政志監督 ✗✗

2021-01-26 | 2021映画評


「脳天パラダイス」 R15+ 山本政志監督 ✗✗

 演劇ユニット「コンプソンズ」の金子鈴幸が脚本を手掛けた何でもありのめちゃくちゃムービーです。
 父(いとうせいこう)のギャンブルによる破産で豪邸を去りゆく笹谷一家の娘茜(小川未祐)が「パーティーをしましょう。誰でもどうぞ。」とSNSに流したところ、男を作って家出していた元妻(南果歩)を初め結婚式をしたいゲイカップルや茜の友人、訳もわからず参加した人々などがあつまってきます。そして、いつのまにか露天商が次々出店し縁日会場のようになるのでした。

 何でも構わず映像にしました、って感じで、結婚式やら葬式、お祭りその上、エロに寄生獣、マハラジャダンス風、時代劇風血しぶきとこれでもかと繰り出されますが、観客は途方に暮れ脳内が情報拒否状態でした。評価するほどの作品ではありませんが、評価の参考までに、観客7,8人の内3,4人が途中で退席してしまいました。その程度の作品でした。無意味な廃棄物が大量に発生し環境にも負荷の大きいことも気になりました。

 タバコは、南果歩が子役が近くにいるところで喫煙、また、違法薬物を自家栽培している男たちがお葬式の際お線香代わりに薬物の葉を使用し、みんなが反応してしまいました。


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「天外者(てんがらもん)」 田中光敏監督 ○

2021-01-22 | 2021映画評


「天外者(てんがらもん)」 田中光敏監督 ○

 江戸末期を舞台に主人公五代友厚(三浦春馬)ら時代の変わり目に立ち会って活躍した人々を描いたオリジナルストーリーです。(脚本 小松江里子)
 薩摩藩の士族の次男坊五代才覚(後の友厚)は子どもの頃から物作りに天才的な才能を持っていました。(さつま方言で「てんがらもん」)父親が命ぜられた「世界地図を地球儀にせよ」という殿からの命令にも子どもの才覚が難なくこなしていました。国内は各国からの通商の要求に攘夷か開国か対応を苦慮する中、五代は長崎で武器商人グラバーと交渉し独自の道を模索します。五代の周囲には坂本龍馬(三浦翔平)、のちの伊藤博文(森永悠希)、岩崎弥太郎(西川貴教)、そして遊女のはる(森川葵)が新しい時代を夢見ていました。

 男女の関係が現代的すぎるのと同様に女性が男と対等に会話をする場面にもちょっと時代的な違和感を感じました。そのあたりは気にせず、舞台が明治初期なだけの青春群像劇としてわりきってみればいいかもしれません。ただ、主人公の五代が一般にはあまり知られていないし、才覚が友厚、利助が伊藤、吉之助が西郷とかもわかりにくいのでキャプションを入れるとわかりやすかったのではないかと思います。
 エンドロール終了後におまけのメイキング映像があります。

 タバコはなし。無煙です。(○)


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「私をくいとめて」 大九明子監督 ✗

2021-01-20 | 2021映画評


「私をくいとめて」 大九明子監督 ✗

 綿矢りさ原作の小説を実写映画化しました。
 お一人様生活を満喫している31歳のみつ子(のん)は営業相手の多田(林遣都)と自宅が近かったこともありほのかな恋心を感じます。一人でいるときには脳内の「A」(声 中村倫也)とああだこうだと言い合ってこの淡い恋心をどう育てるか考えます。そんな折「おひとりさま満喫最高ランク」に位置づけられる「ひとり海外旅行」で学生時代の親友(橋本愛)が結婚して暮らすローマへでかけます。妊娠し夫や家族に囲まれた親友の姿にみつ子は感慨を深めます。はたして帰国後多田との関係はどうなるのでしょうか。

 脳内相談役Aとの笑える独白会話だけでなく、近所から聞こえるホーミーの歌声とか会社にいる奇妙な社員とか、近所のコロッケ屋さんなど、笑える小ネタも満載です。A役の中村の声がこれまた大変落ち着いていて心地よく響きます。結婚をあせって変な相手とうっかりデートしたあと自己嫌悪に陥る微妙な気持ちと、多田と二人でいるときのあせりながらもちょっと幸せな気持ちなど共感出来ました。主役ののんの演技が素晴らしい作品でした。

 タバコは、テーブルマークが協賛企業になっているせいかタバコの自販機とか看板が妙にしっかり映っていたり、コロッケ屋の近くで喫煙しているおやじがいたりタバコそのものの露出は少ないものの宣伝はしっかりしていました。ちなみにテーブルマークはJTの関連企業です。


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「ニューヨーク 親切なロシア料理店」 ロネ シェルフィグ監督 デンマーク、カナダ、スウェーデン、独、仏合作 ✗✗

2021-01-17 | 2021映画評


「ニューヨーク 親切なロシア料理店」 ロネ シェルフィグ監督 デンマーク、カナダ、スウェーデン、独、仏合作 ✗✗
 
老舗のレストランにさまざまな理由で関わったあれこれワケアリの人々を描きました。
 ニューヨーク、マンハッタンにある創業100年の老舗ロシア料理店「ウィンターパレス」は古いだけが取り柄で味は最低で缶詰のキャヴィアだけがおいしいというレストランです。集まるお客も暴力夫から命がけで逃れた母と息子、洗濯工場で犬を洗濯してしまおうとしたちょっとトンマな若者、看護師の仕事に疲れ切った教会ヴォランティアのセラピスト、そしてオーナーからレストランを任されたのは刑務所から出てきたばかりの青年マーク(タハール ラシム)でした。ひとりひとりそれぞれが一生懸命なのですが不器用なためか、社会の仕組みに問題があるのか、厳しい寒空の中行き場を探し放浪するかれらが辿り着いたのが・・・。

 冒頭はDV夫からこっそり母とふたりの息子が逃げ出すサスペンスタッチの場面です。憧れのニューヨークに辿り着いたものの無一文で着るものや食べるものもなくホームレスになってしまいます。彼らを巡って関わる人々はみんな表現のしかたは違うものの心優しくギスギス感がないことが救いです。「貧しい者同士助け合っていこうよ」という共助の美談に終わらず、暴力がきちんと裁かれるのが(ネタバレ)痛快です。

 タバコは、マークが喫煙者で何回か喫煙し子役の前でも喫煙する場面がありました。また、その他にも何回かマイナスイメージでの喫煙場面がありました。

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