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「オマージュ」 シン スウォン監督 韓国 ✗ タバコネタ
売れない映画監督が60年代の映画フィルムの修復作業を通し女性監督としてもう一度人生を見つめ直そうとする作品です。
映画監督のジワン(イ ジョンウン)は家事に非協力的な夫と息子に「仕事辞めたら?」と言われながらもいい脚本を書こうと頭を悩ませています。そんな彼女に、映画フィルムの修復の仕事が舞い込みます。ところが、ある部分が欠如していました。理由は「当時検閲が厳しかったから」ある場面がカットされていたのです。
なんとか、昔を知る人を訪ねフィルムを探すジワンですが・・・。
女性が仕事をするのは現在でも困難が伴うのにましてや60年代は女性は様々なことを犠牲にしないと仕事を続けることはできなった、ということを当時を知る人々からの証言で深く理解していきます。ジェンダー的には問題の多い韓国ですが日本も同じだなと考えさせられます。
なお、主役のイ ジョンウンは「パラサイト 半地下の家族」であの家政婦を演じていますが息子(タン ジュンサン)のセリフに「僕は仕事をしないでパラサイトになる。」とあり、わざわざ字幕の人が強調の点を打ってくれているのに観客は無反応で筆者一人手を叩いて笑ったらちょっと浮いてしまいました。「ここ笑うところよ。」とどこかの漫才師のセリフを言いたかった・・・。
タバコは、実は検閲の対象になった場面が「女がタバコを吸っている、とんでもない!」という理由でした。あるところからそのフィルムが見つかり延々と女優がタバコを吸う場面が流され喫煙が自由の象徴のような描かれ方でした。ニコチンから自由になろう、という現在にはちょっと馴染みません。