無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

家族の庭

2012-02-29 | 2015以前の映画評


「家族の庭」 マイク=リー監督 英 ×× 逆PP

 そろそろ定年のトムとジェリー夫妻は仕事も充実し週末には家庭菜園を楽しんでいます。息子も独立し時々菜園の手伝いもしてくれます。一方彼らのもとを訪れるのは人生にいろいろ問題を抱えた人たちです。夫妻の手作りの食事や会話をすることで癒されるのでした。
 出演者それぞれが好演していますが、特にジェリーの同僚のメアリー役のレスリー=マンヴィルが微妙な心の変化を繊細に演じています。ラストの彼女の表情は心に沁みます。
 タバコは、問題を抱えている人だけが喫煙者です。室内は当然禁煙で、外にいる時も「タバコを吸っていいかしら」と言うとみんながさあーっと離れていきます。そういう意味では喫煙シーンはありますが、マイナスのイメージが大変強く出ている作品です。タバコの宣伝というよりは逆の宣伝をしているので「逆PP」としました。

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アフロ田中

2012-02-21 | 2015以前の映画評


「アフロ田中」 松居大悟監督 ×××× PPホープ他いろいろ モクモク賞ノミネート

 小学館の人気コミックの映画化です。「彼女がいない歴=年齢」というアフロヘアの田中広(松田翔太)が彼女を求めて奮闘する姿を彼自身の独白を中心としたコメディにしました。高校時代に「結婚式には彼女を同伴で出席することを誓った5人のダメ仲間ですがついにそのうちの一人が結婚することになり、その日までに田中も彼女を作らなければならなくなりました。そんな時、隣に越してきたのがかわいい亜矢(佐々木希)でした。田中はあれこれ妄想はするのですが果たしてうまくゆくのでしょうか。
 不器用で正直者の田中は好感が持てるし、高校時代の仲間たちも高校生に見えないという問題はあるもののいい仲間関係を表していて青春コメディとして面白いと思います。しかしながら、あまりにもタバコ宣伝映画になってしまったのがとても残念です。主演の松田翔太(×)はじめ5人全員が喫煙者(×)というのは時代を反映していません。テーブルの上には様々な銘柄のタバコが並び、田中のちゃぶ台にはホープがフィルターを見せて並んで置いてあり、若者好みの灰皿まで宣伝(×)しています。職場でも休憩時間に喫煙しているし(×)、ただ、女性たちが喫煙しなかったことだけは救いです。
 神聖なるスクリーンをタバコの宣伝媒体にすることは止めていただきたいです。

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逆転裁判

2012-02-21 | 2015以前の映画評


「逆転裁判」 三池崇史監督 ×

 2001年にゲームボーイ版で発売された法廷バトルというジャンルのゲームの映画化です。20XX年凶悪犯罪の増加に対応して、政府は新たな司法制度「序審裁判」を導入します。わずか3日で判決を言い渡すという乱暴な制度でした。新米弁護士(成宮寛貴)がある殺人事件の弁護を担当しますが、彼の前には冷酷な検事(斎藤工)が立ちはだかるのでした。
 ゲームが原作なので登場人物の衣装や髪型が奇妙なのはまあ許せますが、物語の展開には今一つ工夫が欲しいところです。法廷が主舞台なので、検事弁護士双方が映像を使って傍聴者にもわかりやすく説明するという点は、これからの裁判の在り方を示していると思います。
 タバコは、法廷で被告人の女性がキセル(20XX年に存在するのか?)を加えて煙を吐くというシーンがあります。そのほかは警察の取調室で妖しい煙が1度ありました。

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はやぶさ 遥かなる帰還

2012-02-21 | 2015以前の映画評


「はやぶさ 遥かなる帰還」 瀧本智行監督 ××

 2010年に宇宙ファンを熱くした「はやぶさ帰還物語」の2作目です。2003年からのいくつかのトラブルを乗り越えて目的のサンプルリターンに成功しました。JAXAが全面的に協力したということです。
 タバコは、部品の見本を作っていた町工場の社長役の山崎勉が数回喫煙しました。(×)そのうちの2回は子役それもかわいい孫の前で平気で喫煙しました。(×)一般的には禁煙のきっかけに「孫ができたから」という人が多いので非現実的でした。ただ、いつも喫煙する江口洋介、吉岡秀隆が吸わなかったのは評価できます。


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メランコリア

2012-02-21 | 2015以前の映画評


「メランコリア」  ラース=フォン=トリアー監督 デンマーク、スウェーデン、仏、独 ○

 話は2つのパートに分かれています。パート1「ジャスティン」では妹ジャスティンの結婚披露宴のようすが描かれます。姉クレアの豪華な邸宅での盛大な披露宴ですが、なぜかジャスティンの気持ちは晴れません。せっかくのパーティーもあれこれトラブルが起き台無しに。そして、結局は夫とは別れてしまいます。パート2「クレア」では、心を病んだジャスティンをクレアは心配し屋敷に迎え入れます。
 その頃、惑星メランコリアが地球に近づいていました。地球の最後を前に心を病んでいたジャスティンはなぜか開放され元気を取り戻しますが、健康だったクレアやその夫の方が現実を前に精神が打ちのめされていくのでした。
 惑星が本当にぶつかってしまうという発想がハリウッドとは違います。ストーリーを楽しむよりも映像の美しさと荘厳な音楽を楽しむ作品です。
 タバコは出ません。無煙です。

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ものすごくうるさくてありえないほど近い

2012-02-21 | 2015以前の映画評


「ものすごくうるさくてありえないほど近い」 スティーブン=ダルドリー監督 米 ○ ☆

 9.11に最愛の父親を亡くした少年オスカー(トーマス=ホーン)はその死を受け入れることができません。父が残した1本の鍵になにかメッセージが残されていると信じたオスカーは鍵の袋に書いてあったブラックという名を手掛かりにニューヨーク中を探し回るのでした。最後にオスカーがたどり着いた先は・・・。
 身近な人の急な死を受け入れるためにはそれなりの儀式や手続きが必要です。オスカーが訪ねるブラックさんはみんな親身になって彼の話を聞いてくれました。実はそれにはあるしかけがあったのです。観てのお楽しみです。
 いつもは話をしない父と息子もこの映画を一緒に見るとお互いに心が通じるかもしれません。
 タバコはなし。ただ、「ここは禁煙だよ」というオスカーのセリフがあります。


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荒川アンダーザブリッジ

2012-02-19 | 2015以前の映画評


「荒川アンダーザブリッジ」 飯塚健監督 ×

 人気コミックの映画化です。大企業の御曹司市ノ宮行は厳しい父親一人の手で育てられました。一人前となった行に父が与えた仕事は荒川地域の開発のため河川敷に不法占拠している住民を追い出すことでした。行は勇んで挑みますが、「金星人」と名乗るニノや村長のカッパなど奇妙な人々と出会います。お金で何とかしようと考えている行に「世の中にはお金で買えないものもある」と住人達は行動で教えてくれるのでした。
 漫画チックな登場人物と軽いギャグが満載でちょっと吹き出したりクスッと笑ったり楽しい作品ですが、結構哲学的なセリフもあり考えさせる場面もあります。「しあわせのパン」とは手法は全く違いますが伝えたいことは近いです。エンディングの「スターダストトレイン」が聞かせます。
 タバコは、住人の一人「星」役の山田孝之が2回喫煙しました。(×)権力に逆らう人がタバコを吸ってたばこ税を納めるのってちょっとギャグっぽいですね。


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タイム

2012-02-19 | 2015以前の映画評


「タイム」 アンドリュー=ニコル監督 米 ○

 近未来、人の成長が25歳で止まりその後の時間は労働で稼ぐか誰かから譲ってもらうかローンで借りるかしないと時間切れで死んでしまいます。時間を操る富裕層は100年以上生きていますが、貧民層は毎日1分単位でやり取りをし、残り時間が長いと襲われて盗まれてしまいます。たった1秒足りずに母親を亡くしたウィルは富裕層の地域から貧民層の暮らす地域にやってきた男から
100年の時間をもらいます。そして、富裕層の地域に入り込み時間を取り戻す戦いを始めるのでした。
 25歳で成長が止まるという設定はおもしろいです。時間がお金と置き換えられ現在の時間に追われた生活を象徴しています。
 苦言をひとつ。吹き替え版で見ましたが女性の主人公の吹き替えが下手でイメージを台無しにしていました。もう絶対吹き替えでは見ないぞ。
 近未来にタバコはなし。無煙です。

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しあわせのパン

2012-02-16 | 2015以前の映画評


「しあわせのパン」 三島有紀子監督 ○ ☆☆☆

 東京から北海道に移住したりえさん(原田知世)と水島君(大泉洋)のふたりは湖が見える高台でパンカフェ「マーニ」を始めました。「マーニ」というのはちょっと哀しい訳ありのりえさんが大好きな絵本の主人公の少年の名前です。そんなパンカフェ「マーニ」には常連さんのほかに、ふられた女性や、母親が出て行ってしまった少女などが訪れます。ふたりはそれぞれが抱える哀しみに丁寧に作られた料理と焼きたてのパンで慰めるのでした。
 北海道の美しい自然を背景においしそうなパンと料理にほんとうの幸せとは何なのかを考えさせられます。丁寧な言葉使いやしぐさ、そしてやさしい音楽が心地よい作品です。ひつじのゾーファのナレーター(声 大橋あゆみ)も生きています。今年デビュー30周年を迎える原田知世が彼女の持ち味を充分生かした彼女でなければできない役どころでした。
 また、主題歌となった、矢野顕子と忌野清志郎の二人が歌う「ひとつだけ」がいつまでも心に残りました。
 いつも喫煙する中村嘉葎雄が喫煙するのではないか心配でしたが無煙でした。2012年早々に「無煙映画賞作品賞」及び「主演女優賞」ノミネート間違いなしの作品です。

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キツツキと雨

2012-02-16 | 2015以前の映画評


「キツツキと雨」 沖田修一監督 ××

 山村の森林組合で働く克彦(役所広司)はひょんなことから映画撮影の手伝いをする羽目になります。出会った若者幸一(小栗旬)は偶然にも息子と同じ名前で年齢も近く気弱な幸一と関わるうちにだんだんと映画撮影が他人ごとではなくなっていきます。そして、村人あげて撮影を応援することになり気弱だった幸一(実はその映画の監督)も本来の自分を取り戻していくのでした。克彦自身も幸一と接することで扱いあぐねていた息子の浩一(高良健吾)にもよりそえるようになるのでした。
 映画に出演するということが村人をワクワクさせ大イベントになっていく様子が楽しいです。映画撮影を映画にするというおもしろさもあります。主役の二人がほのぼのとしたいい演技を見せています。
 タバコは映画界の実情を描いているのか、俳優役の平田満や周辺のスタッフが休憩になると喫煙します。大御所俳優役の山崎勉はタバコは手にしますがライターの音だけ、また飲み屋のシーンではテーブルに置くだけでした。さすがにドクターストップがかかっているのでしょうか。森林組合の仲間役の伊武雅刀が咳をしながら喫煙、主役の克彦は「倒れた木に肺をつぶされてタバコは吸えなくなった」という設定です。

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