無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

東京家族

2013-01-23 | 2015以前の映画評



「東京家族」 山田洋次監督 ○ PP缶ピース

 2012年、世界の映画監督が選ぶ最も優れた映画の第1位になった「東京物語」をモチーフに山田洋次監督50周年記念の作品です。
 東京に住む子どもたちに会いに瀬戸内海の島から老いた両親(橋爪功、吉行和子)が上京します。子どもたちはかまってあげたくても仕事が忙しくなかなか相手になれません。両親はさみしくもありますが、仕方がないこととも思います。心の慰めになったのはフリーターの次男が結婚を約束している紀子(蒼井優)の存在でした。
 時代は現代に、次男はフリーターの設定ですが、基本的な物語は「東京物語」と変わりません。「東京物語」を観ている人はどうしても比較してしまう、というか「東京物語」の映像が頭に浮かんでしまいがちなのがちょっと残念です。登場人物はみなさん好演をしていましたが、真似をしないで独立した作品にしてもよかったのではないかと思います。
 タバコはなし。無煙です。山田洋次監督としては初めての快挙です。ただ、ひとつ残念なのは父親が訪ねた亡くなった友人の机の上に缶ピースが置いてあったことです。無煙ですがPPありという作品です。

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プリンセス カイウラニ

2013-01-21 | 2015以前の映画評


 「プリンセス カイウラニ」 マーク フォービー 米 ×
 
 ハワイのカラカウア王家の最後の王女カイウラニの物語です。19世紀の終わりごろハワイの利権に目を付けたアメリカ人の謀略で反王政派の反乱がおきます。安全を確保するため王女は父親の故郷イギリスに渡ります。偏見もある中、イギリス青年と恋に落ちます。そのころカラカウア王が亡くなり、ハワイに危機が迫っていました。カイウラニはアメリカ大統領にハワイ王朝の存在を認めされるため単身ハワイに戻るのでした。
 今も世界の各地でアメリカが行っている覇権主義のやりかたはこのころから変わっていないということがよくわかります。幸せに暮らす人々の生活をいつも自分たちだけの利益のためにぶち壊していくんですよね。ということがよくわかります。
 タバコはハワイを乗っ取ろうとたくらむ首謀者が1度パイプをくわえました。(×)悪役=喫煙者です。


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イラン式料理本

2013-01-21 | 2015以前の映画評


「イラン式料理本」 モハマド シルワーニ監督 イラン ○

 監督(男)の身近な7人の女性たちが作る料理の様子を、会話を交えながら定置カメラで撮りました。
母親、義理の母親、伯母、母親の友人は主婦歴が30年以上のベテラン。双子を育てながら大学に通っている妹と監督の妻、そしてもうすぐ100歳になる友人の母親。それぞれの伝統的な料理の作り方などを聞き出していきます。家族や料理について、監督からの問いかけに答えるという形で構成されたドキュメンタリーです。
 日本にいるとイランの情報と言えば軍事的なことが中心ですが、この映画では普通の庶民の生活が描かれています。嫁と姑の確執や、男と女の理不尽な役割分担への怒りや諦め、妻に対する夫たちの感謝の言葉や思いあがった態度などカメラは容赦なくとらえています。最後に監督も妹夫婦も離婚したということは妙に納得できてしまいます。
 料理という一点に絞ったことで宗教や民族を超えた家族の普遍的なドラマとなり、日本人にも共感され「山形ドキュメンタリー映画祭 市民賞」を受賞しました。
 タバコはなし。無煙です。当然のことながらアルコールもなしです

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カラカラ

2013-01-16 | 2015以前の映画評


「カラカラ」 クロード ガニオン監督 日加 ○ ☆

  元大学教授のピエール(ガブリエル アルカン)は気功の合宿のために沖縄に来ていましたが、合宿終了後那覇の観光に出ます。そこで純子(工藤夕貴)と出会います。意気投合したふたりですが、翌日夫婦げんかがきっかけで家出をした純子がピエールの通訳を兼ね旅に同行することになりました。ピエールは親友を亡くしたことがきっかけで何をしたらいいのかと目的を失っていました。それぞれ問題を抱えぶつかりあいながらも、沖縄の美しい自然のなかで自分自身を見つめなおしてゆくのでした。
 タイトルの「カラカラ」というのは泡盛をいれる容器のことで、空になると「カラカラ」と鳴る仕掛けがあります。出会った時のふたりの気持ち、それぞれの空虚さを表現しています。沖縄各地の美しい自然や人々が二人の気持ちを満たしたようです。
 タバコはなし。無煙です。いくつかの民宿や居酒屋での場面もありましたがタバコは出ませんでした。さすがカナダ人監督です。というかカナダでは当たり前ですかね。民宿の室内では禁煙表示がはっきりと映りました。
 沖縄が舞台で無煙だったということもあり☆をつけました。この映画を沖縄で観られてとてもうれしくなりました。 沖縄は先行上映で12日から、東京の公開は1月19日からです。
 無煙映画賞の候補です。

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ルーパー

2013-01-16 | 2015以前の映画評


「ルーパー」 ライアン ジョンソン監督 米 ×××

 主な舞台は今からおよそ30年後の2044年です。タイムマシンで未来から送られてくる者を処刑する「ルーパー」と呼ばれる非合法の暗殺者組織がありました。主人公のジョー(ジョゼフ ゴードン レヴィット)は薬物に依存しながらこの仕事をしていました。あるとき、なんと30年後の自分(ブルース ウィリス)が送られてきます。オールドジョーはヤングジョーの処刑をかわし逃げ出します。オールドジョーは愛する人を救うため過去を変えるという目的があってやってきたのです。当然のことながらふたりはそれぞれ組織から執拗な追跡を受けます。オールドジョーが追っているのは30年後に極悪非道の男に成長するはずの子供でした。はたして未来を変えることはできるのでしょうか。
 SF作品にはこれまでもいくつかのタイムマシン関係のものがありますが、「自分自身を始末しなければならない。」という設定は初めてでしょう。そのせいか、ヤングとオールドのジョーが似ているかどうかはあまり問題ではありません。極悪非道の犯罪者になる予定の子役が好演をしていて助演男優賞にノミネートされるかもしれません。
 興味深い作品ではありましたが、タバコは大変古臭い扱い方をしていてとても残念です。全体に煙がもやっとしている場面が多く、2044年にタバコがまだあるのかとがっかりです。(×)そのうえ逃亡中ヤングジョーが薬物の禁断症状が出た時に、ジョーを匿ったサラ(エミリー ブラント)が「週末には少しは楽になるわ。」と励ますセリフがありますが、その言葉を喫煙者のサラに捧げたいです。サラはタバコを吸うしぐさをしたり実際に吸ったりと、かなりのニコチン依存症です。(×)そのほか娼婦やダンサーが吸う場面もアップで映したりと、(×)タバコの宣伝をかなりしていました。

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桃(タオ)さんのしあわせ

2013-01-15 | 2015以前の映画評


「桃(タオ)さんのしあわせ」 アン ホイ監督 中 ×!

 60年間梁家の家政婦をしているタオ(ディニー イップ)さんのもとに、移住先のアメリカからロジャー(アンディ ラウ)が映画製作のため香港の自宅に戻ってきました。ある日、タオさんは脳梗塞で倒れ、老人施設に入所します。病院や施設の手配はそばにいたロジャーが面倒を見ました。 血のつながりはないものの家族のようなタオさんを施設では「義理の母」と紹介し、ほかの入所者からもうらやましがられるほどでした。最後を看取るまでのおだやかで心温まる日々を、実話をもとに描いています。
 野菜を買う時のタオさんの真剣さや家具のほこりを指でチェックするところなどプロの家政婦としての一流さをさりげなく表現しています。一番かわいがっていた人に最後の面倒を見てもらえるというのも、洋の東西を問わず納得できる流れでしょう。
 タバコは、主役はもちろん吸わないし、友達やレストランなどの場面でもタバコはなかったのですが、映画の試写会のロビーでタオさんの近くでタバコを吸う男に「肺がんになるからやめなさい」と忠告する場面があり、ロジャーが「この人は中国の監督」と紹介します。香港ではタバコの害をみんなが知っているのに対し、中国人は喫煙するというおもしろい場面でした。このほか、冒頭の駅の場面と道路で老人がひとり喫煙する姿が映っていました。

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バナナとグローブとジンベイザメ

2013-01-14 | 2015以前の映画評


「バナナとグローブとジンベイザメ」 矢城潤一監督 ××

 弁護士になったばかりの光司(塩谷瞬)は母と妹と暮らしています。両親の離婚後、父親とは会っていません。結婚式をまじかに控え、父親を招待しようかと迷っています。一方、父親の敦(中原丈雄)は介護が必要な祖母と暮らしていますが、母親の世話をするよりも複数の女性と奔放にあそんでいました。そんな時、祖母が脳梗塞で倒れますが、敦の朝帰りのため発見が遅れ回復が望めなくなります。その上、祖母の年金と働いていた居酒屋の売り上げを持って姿をくらましてしまうのでした。沖縄での暮らしを始めた敦ですが、そこで交通事故で瀕死の重傷をおってしまいます。連絡を受けた光司は敦のいる病院を訪れるのですが・・・。
どうしようもないダメな父親ですが、子どもの頃たった一度家族で訪れた水族館とキャッチボールの思い出のため父を切り捨てられないやさしい青年を塩谷が好演しています。もっともだらしがないのになぜかもててしまう敦を演じた中原は今まで目立った役はしていませんがぴったりの雰囲気でした。
 タバコは敦の彼女の一人スナックのママ役の根岸季衣が2回焼肉屋で食べながら喫煙しました。(××)
水商売は喫煙者というパターンです。
 なお、父子そろってバナナが好きなのですが、敦がバナナの皮を川などに投げ捨てる場面があります。そのため最後に「バナナの皮はゴミ箱に」と注意が出ます。タバコ関連でも、「人前で吸うと、受動喫煙の害を及ぶすことになるのでやめましょう」などという注意は出してほしいものです。

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ボス その男シヴァージ

2013-01-11 | 2015以前の映画評


「ボス その男シヴァージ」 シャンカール監督 インド ○ 2007年

 「ロボット」(2010年)と同じ監督で、主演も同じラジニカーント、もちろんダンスも満載です。
 アメリカで大成功をおさめ大富豪となってインドに帰ってきたシヴァージ(ラジニカートン)は、貧しい人々のために学校や病院を始めようとします。ところが大学や病院を運営している悪徳企業家アーディセーシャンにじゃまをされます。その上、役人たちは建設許可のために多額の賄賂を公然と要求してきました。一方で、家族から結婚を促されたシヴァージは美しいタミル(シュリヤー)を見初め、なんとか結婚します。しかし、アーディセーシャンの妨害にあい結局全財産を失ってしまいます。そこで、シヴァージは作戦を変え自らも裏取引をして再び事業を再開しますが、逮捕されてしまいます。拷問を受けアーディセーシャンに殺されかけたシヴァージですが、蘇生して再び戻ってくるのでした。
 結婚話と悪徳企業家との戦いの二つの物語が同時に進行し、その間には大掛かりな妄想ダンスが挿入された3時間の大作です。独特のおもしろさはありますが、主役のラジニカーントが芸達者だけれどいまひとつ見た目の魅力がないのが致命的です。もちろんインド人の好みには合っているのでしょうが。いずれにせよ次々衣装が変わり怒涛のように踊りまくるダンスシーンには圧倒されます。
 また、インドだけではなくどこの国の政府も似たようなものでしょうが、悪徳企業家と賄賂が政治を動かしていることを告発したことには(それも娯楽映画で)一見の価値があります。
 タバコはこの作品は無煙でした。2007年のこの作品が無煙で、2010年の「ロボット」でタバコが出てくるというのがいまひとつ納得できないのですが、「ロボット」の制作時にはタバコ会社からの賄賂が断りきれなかったのでしょうか。2作目には制作費が底をついてしまったのかなどなど、いろいろ邪推させてくれるシャンカール監督です。

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モンサントの不自然な食べもの

2013-01-09 | 2015以前の映画評


「モンサントの不自然な食べもの」 マリー モニク ロパン監督 ○ ☆

 悪名高きアメリカの多国籍企業モンサント社が世界中で繰り広げるGMO(遺伝子組み換え作物=不自然な食べもの)戦略を、フランス人ジャーナリスト(マリー モニク ロパン)が関係者を取材し紹介するドキュメンタリーです。
 およそ100年ほど前に誕生した化学薬品メーカーであるモンサント社は枯葉剤、PCB、農薬、牛成長ホルモン、そして遺伝子組み換え作物を開発した企業です。そして、今は世界の種子の独占計画を企て世界各地で訴訟を起こしています。映画ではその犠牲者や反対に利益を受けていた政治家などへのインタビューで実態を明らかにしていきます。
 政財界と太いパイプで結ばれたモンサントはやりたい放題です。日本にもきっとその毒牙は向けられることでしょう。とりあえずTPPには反対をしていかなくてはと強く思いました。また、自家採取の種子をたいせつにしている生産者から農産物を買って応援していきたいですね。
 中南米の農民たちの集会でもタバコを加えている人はいませんでした。無煙です。

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灼熱の肌

2013-01-08 | 2015以前の映画評


「灼熱の肌」 フィリップ ガレル監督 □

 売れない映画俳優のポールは撮影現場での監督の一言がきっかけでつきあうようになったエリザベートとローマに住む親友の画家フレデリックを訪ねます。フレデリックの妻のアンジェラは大変美しく裕福な生活をしていますが、あまり幸せそうではありません。一方、エリザベートは恋人のポールがフレデリックのことばかり気遣っていて自分は放り出されているようで不安でした。どちらも危うい二組のカップルを通して片方は不倫がきっかけで破滅の道へ、もう一方はどたんばで踏みとどまることができたという結末を描いています。
 どこにでもある話ですが芸術性が高い美しい作品になっています。事故で瀕死のフレデリックは「愛する妻に去られたんだから生きている意味がないよね。」と、今は亡き祖父の霊に言うと、祖父が「それはそうだ。」と納得するところはやはりフランス映画ですね。日本だったら、「女はほかにもたくさんいるだろう。死ぬな。」と、きっと励ますことでしょう。
 タバコはほとんど出てこなかったのですが、フレデリックが娼婦と話している場面で遠景ながらも手にタバコを持っていました。(□)また、「ハッパ」は吸っていました。

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