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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

神様はバリにいる

2015-02-22 | 2015以前の映画評


「神様はバリにいる」 李闘士男監督 × 

 仕事に失敗して死ぬためにバリに来た祥子(尾野真千子)が大富豪のアニキ(堤真一)とであって人生をやり直す勇気をもらうまでをコミカルに描きました。
 婚活ビジネスに失敗し多額の借金を背負ってしまった祥子は、バリで胡散臭そうなアニキと出会います。はじめは怪しんでいた祥子ですが、周囲のバリ人から信頼されている姿と、どぎつい関西弁でまくし立てる人生哲学を聞かされているうちにアニキの人間性に魅かれ、弟子入りします。アニキの計画もうまくいくことばかりではなく途中で頓挫することもありましたが、そんな時にこそアニキの本当の思いが現れるのでした。
 原案は「出稼げば大富豪」クロイワ ショウのエッセイ集です。アニキは実在し、グループ32社を束ねるだけでなく、孤児の里親になったり寄付活動を積極的に行ったりしているそうです。モデルの人が実際にどういう人かわかりませんが、堤真一ならではの豊かな表情とレトロなギャグで笑わせてくれます。落ち込んでいる人が観ると祥子のように元気がでることでしょう。久しぶりに映画館内で笑い声が聞かれました。最近声を出して笑える邦画はめったにないですね。
 タバコは、アニキが冒頭で1回、途中で煙だけ1回映りました。(×)誰もが楽しめる作品だっただけに無煙でなく大変残念です。


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ジミー、野を駆ける伝説

2015-02-22 | 2015以前の映画評


「ジミー、野を駆ける伝説」 ケン ローチ監督 英 ××

 アイルランドの名もなき英雄ジミー グラルトンを名匠ケン ローチが描きました。
 1932年、内戦終結から10年となったアイルランドの故郷にアメリカから元活動家のジミー(バリー フォード)が帰って来ました。老いた母親と静かに畑を守って生きていこうと思っていたジミーですが、昔の仲間たちや10年前のホールの活動を知る若者たちから、ホールの再開を訴えられます。音楽やダンス、絵画教室や詩の朗読など文化芸術活動の拠点として仲間たちと再開をします。しかし、教会の神父は「無神論者の集まり」と弾劾し、一部の勢力からは共産主義者と弾圧を受けるのでした。
 裁判も行われず最終的に国外退去となり、歴史から忘れ去られようとしていたジミーを復活させることで、現在社会の矛盾を浮き彫りにさせました。
 28、の「神は死んだのか」で描かれるキリスト教徒とこの作品で描かれる神父との違いを考えると一口にキリスト教といっても結局は個々の人間性が反映されるということなのでしょうか。いずれにせよ宗教が政治に深入りするのは大変危険ですね。
 タバコは、ジミーはじめ仲間たちも喫煙していました。(××)


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神は死んだのか

2015-02-20 | 2015以前の映画評


「神は死んだのか」 ハロルド クロンク監督 米 ◯

 大学に入学したクリスチャンの学生が、無神論者の教授に「神の存在証明をする」という、激論エンターテイメント、ということですが、実は・・・。
 新入生のジョシュ(シェーン ハーバー)は無神論者を信奉するラディソン教授のクラスを選びます。しかし、初日にいきなり「神は死んだ」と宣誓を迫られます。教授だけでなく恋人や家族から単位を取らないと将来困ったことになる、と宣誓を勧められますが、ジョシュは教授に与えられた時間で神の存在を証明することに挑みます。一方、ジョシュの周囲には中華人民共和国からの留学生やイスラム教徒の父を持つ女性、ガンに罹患した記者などキリスト教徒ではない人々が描かれ最終的にはみんなキリスト教に救われるという、宗教プロパガンダの作品です。
 進化論はもちろん多くの無神論哲学者、そして最新の物理学の定説を宗教的に解説する理論にはなかなか興味深いものがあります。が、特別出演している「クリスチャンロックバンドのニュースボーイズ」のライブに熱狂する人々を見ると八百万の神を崇めている筆者としてはちょっと違和感を感じたのは否めません。
 ただ、実際に多くの大学で似たような宣誓が強制され、多くの訴訟事件になっているそうですがそれはそれで別の問題ではあります。
 タバコは、なし。無煙です。

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余命90分の男

2015-02-19 | 2015以前の映画評


「余命90分の男」 フィル アルデン ロビンソン監督 米 △

 癇癪持ちのヘンリー(ロビン ウィリアムズ)が、医師のシャロン(ミラ クニス)から「あんたの余命は90分」と宣告されます。90分で一体何ができるのか、ヘンリーは病院を飛び出し街中を走り回るのですが・・・。
 25年前までは家族揃って幸せだったヘンリーですが、長男を事故で失ってからは偏屈で癇癪持ちの孤独な男になっていました。一緒に法律事務所を経営している弟だけが唯一の理解者でした。一方シャロンは理想に燃えて医師になったものの効率が優先される医療現場で納得できない仕事をさせられています。そんな時、愛猫は死んでしまうし、その上不倫までしていて二進も三進も行かない上に患者できたヘンリーには一方的に怒られすっかりキレてしまいます。そして言ってはいけないことを言ってしまい、飛び出したヘンリーをあわてて追いかけるのでしたが・・・。
 「家族が一番大切」と気づき妻や息子に連絡を取りますがすげない返事、「生前葬をする」と25人も招待したのに現れたのはたったひとり、ヘンリーは一体何が間違っていたのでしょうか。
 ドタバタするヘンリーをロビン ウィリアムスが人間味あふれる演技でコミカルにそしてしっとりと演じています。この作品が遺作となってしまったのは本当に残念です。
 タバコは、冒頭の病院の入り口付近で医療関係者が喫煙していました。(△)

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サンバ

2015-02-18 | 2015以前の映画評


「サンバ」 エリック トレダノ&オリヴィエ ナカシュ監督 仏 ×××

 「最強のふたり」の監督と主演(オマール シー)が今度は移民の青年と心の病を持つアリス(シャルロット ゲンズブール)の出会いをちょっとコミカルに描きました。
 レストランの皿洗いに励むサンバ(オマール シー)はビザの失効でいきなり国外退去を命じられます。移民支援協会で担当となったアリスは競争社会で燃え尽き療養休暇中でした。面接の時には二人とも余裕がなく怒鳴りあってしまいますが、それがきっかけとなりお互いを意識し合うようになります。しかし、サンバがちょっとしたはずみで移民収容所で知りあった人の彼女と関係を結んでしまったために思いもしない窮地に追い込まれてしまうのでした。
 様々な事情を抱えている移民仲間や移民者を支援する協会の人々、日雇いの仕事を不法移民と知りながらも紹介してくれる人、などフランス社会の一端を垣間見ることができる作品です。不法滞在者に回ってくる仕事は建築現場や道路補修、廃棄物再処理などいわゆる3K職ですが、都市機能の底辺を支える重要な部分でもあります。日本でも同じようなことが起きていることを再認識させられました。
 タバコは、主役の二人が喫煙し、(××)移民仲間も喫煙者が多く、(×)「貧しい人々」「心を病んでいる人」はニコチンという合法ドラッグにすがってしまう、というのも万国共通の現象なのでしょうか。なお、バーで喫煙しようとし「外で吸ってくれ」と言われる場面がありました。


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6才のボクが、大人になるまで。

2015-02-17 | 2015以前の映画評


「6才のボクが、大人になるまで。」 PG12 リチャード リンクレイター監督 米 ×

 4人の俳優が12年間を通して家族を演じた奇跡的なドラマです。
 メイソン(エラー コルトレーン)は6歳、両親は離婚し母親と姉サマンサ(ローレライ リンクレイター)と暮らしています。週末には実父(イーサン ホーク)と過ごしています。子供達は家族揃って暮らしたいと思っていますが、母親(パトリシア アークエット)は生活力のない男には見切りを付け、実家のあるヒューストンへ引っ越します。その後ママは大学へ行ってスキルアップし、ついでに再婚相手も見つけます。しかし、その新パパはアルコール依存で暴力的だったため即離婚、次にはイラク帰りの元兵士と再再婚しますが、結局破局となります。その間に子供達は転校を繰り返し新パパと暮らすたびにトラブりながらも小学生、中学生、そして高校生へと成長していきます。「ボク」の成長ぶりは週末に会う実父との会話を通して表現しました。
 再婚相手にそれぞれ育った環境が異なる人々が現れ、オバマ対バラクの選挙運動、宗教や銃への考え方の違いなど、アメリカには色々な価値観で生活している人がいるということを12年の中に描きました。
 タバコは、冒頭の6歳当時実父のイーサン ホークがファミレスで子供達の前で喫煙しました。その後は喫煙せず、メイソンが15歳になった時マリファナを友達と吸う場面がありましたが、タバコを吸う場面はありませんでした。タバコはすでに過去のものになっていて、アルコールが現在の問題としては大きいようでした。


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白夜のタンゴ

2015-02-15 | 2015以前の映画評


「白夜のタンゴ」 ヴィヴィアン ブルーメンシェイン監督 独フィンランドアルゼンチン ×

 ブエノスアイレスでタンゴミュージシャンをしている3人組が、「タンゴ発祥の地はフィンランド」という説の信憑性を検証するためフィンランドに乗り込んで現地のミュージシャンと交流するドキュメンタリーです。
 冒頭、フィンランドの映画監督アキ カウリスマキが「タンゴはフィンランドが発祥の地であることをアルゼンチン人は忘れている。」と怒ります。それを知ったアルゼンチンの3人が「そんな馬鹿な」とフィンランドへ渡ります。夜10時になっても明るく、森と湖ばかりで、人が少ない自然と風土に当初は馴染めない3人でしたが、タンゴという媒体を通しカタコトの英語だけでお互いを理解し合える経験を重ねることで「タンゴは、音楽は、素晴らしいじゃないか、それでいいよね。どちらが起源だろうと。」と納得して帰国するのでした。
 ちなみに客観的に判断すると、現ロシア(過去にはフィンランドだった地域)のマイナーな「ロマンス」と、ドイツのマーチのリズムの融合がタンゴの基礎という説が最も理解できる説のように思えました。それが、フィンランドの船員達の手でアルゼンチンに渡り彼の地でその風土にあった変化を遂げ洗練されていった。ということでしょうか。
 タバコは、冒頭アキ カウリスマキが喫煙しながら発言していました。(×)彼は体型も見るからに成人病体型で健康状態が気になるところです。その他ではアルゼンチンでは喫煙者は全く映らず、バーも禁煙マークがありました。フィンランドでも外で喫煙している人が一人だけいましたが一般的には喫煙しないようです。


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おみおくりの作法

2015-02-13 | 2015以前の映画評


「おみおくりの作法」 ウベルト パゾリーニ監督 英伊 ×

 ロンドン市ケニントン地区の民生係ジョン メイ(エディ マーサン)が孤独死した人に対し誠意を込めておみおくりをする仕事ぶりと、実は彼自身が孤独だったという現実を描きます。「情けは人のためならず」を彷彿とさせる感動のラストが見所です。ラストの1分のために全編が演出されたといえるでしょう。
 ジョンは孤独死した人の残したものから人生の痕跡を探し出し、誰か葬儀に参加してくれる人がいないか連絡をしますが多くの場合彼ひとりが葬儀に立ち会うのでした。丁寧な仕事ぶりは合理化の荒波を受け、上司から「隣の地区と統合し、きみはクビだ。」と宣言されます。その時受け持っていたケースは彼のアパートの向かいに住む男性でした。最後の仕事とし彼は電話だけでなく実際に相手が住む場所を訪れ説得するのでした。そんな中孤独だったジョンは彼自身も新たな出会いをして今までとは違った人生を歩み始めようとするのでした。
 几帳面な性格で、信号が青でも左右を確認して道路を横断し、毎日決まり切った食事をする生活が新しい出会いをすることで食べたことのないものを食べ、接したことのない社会の人と話し、魅力的な女性と知り合い人生がワクワクしてくるそんな変化を主演のエディ マーサンが好演しました。
 「そんな~、なんてひどい!かわいそうすぎる」の後の「そうだったのか」というどんでん返しで、語り継がれるラストになりました。
 タバコは、いつもアパートのベランダで喫煙している男、最初に訪れたパン製造会社の男が喫煙しました。(×)


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最後の命

2015-02-13 | 2015以前の映画評


「最後の命」 R15 松本准平監督 ×××

 芥川賞作家中村文則原作のミステリー小説の初映画化です。
 子どもの頃忌まわしい事件を目撃した桂人(柳楽優弥)と裕一(矢野聖人)は高校生の時にも事件があり、それぞれ違う形で心に深い傷が残っていました。大人になったある日突然裕一から桂人に「逢わないか」と連絡があり再会します。そして、今度は桂人の部屋で女性が殺されて発見されるのでした。犯人は裕一なのでしょうか。
 子どもの頃の体験がいつまでも心と体を蝕んでいて普通に女性と関われなくなってしまった闇を抱える男を柳楽優弥があの「目」で好演しています。でもいくらなんでも矢野も同様に高校生役はちょっと無理だったかな。原作よりもわかりやすく暗くなりすぎない作品となりました。Coccoの歌がエンディングで久しぶりに聞けたことと、知ってる場所(深見神社)がロケで使われているのもちょっと嬉しいですね。
 タバコは、柳楽と矢野が度々喫煙(××)、風俗系の女性も喫煙(×)していましたが、原作のモクモク度に比べれば少なかったです。


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チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

2015-02-12 | 2015以前の映画評


「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」 デヴィッド コープ 米 ◯

 ジョニー デップがちょび髭の怪しい美術商を演じたコメディです。
 英国の貴族の末裔チャーリー(ジョニー デップ)は破産寸前の美術商です。召使兼用心棒のジョックと共に今日も怪しい取引に精を出しています。そんな矢先ゴヤの名画を修復していた修復士が殺され名画はテロリストの手に渡ったかもしれないという事件が起きます。学生時代からの友人で捜査官のマートランド(ユアン マクレガー)から絵画を探してくれないかと依頼されます。その名画には莫大な財産の暗号が秘められていると知り、破産寸前のチャーリーは妻のジョアンナ(グウィネス パルトロウ)と共に絵画を追うのですが・・・。
 ジョニーデップの微妙な表情の変化が絶妙なセリフとともに笑わせてくれます。正統派のブリティッシュイングリッシュのテキストにオススメですが、下ネタが多いので中高生にはちょっと難ですね。
 タバコは、なし。無煙です。中国系マフィアたちも喫煙しませんでした。


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