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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「破戒」

2022-07-30 | 2022映画評


「破戒」 前田和男監督 ☓☓

 過去に何度か映画化されている島崎藤村の小説を再映画化しました。
 被差別部落出身の瀬川丑松(間宮祥太朗)は父親(田中要次)から「絶対に出自を明かすな」という戒めを受け村を出ました。教員となった丑松は下宿をしているお寺にいる士族出身の志保(石井杏奈)とはお互いに心を寄せていましたが決して口にしてはいけないという戒めと葛藤していました。一方丑松の出自について学校内で噂されるようになってしまい、その上尊敬する被差別部落出身の思想家が暗殺されてしまい、ますます丑松は苦しい立場に追い込まれるのでした。「戒めを破る」ことはできるのでしょうか。

 「差別」の問題はいつの時代にも存在しますが、この作品は「東京リベンジャーズ」での間宮の美しい横顔に魅せられた関係者が間宮の出世作にするために企画した、のではないかと思えるほど間宮のアップが多く確かにこの作品の髪型でも映像に残したいと思うほど美しかったです。ライバルが霞んでしまいました。

 タバコは、周囲で度々喫煙していました。主役は喫煙せず。


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「PLAN75」

2022-07-29 | 2022映画評


「PLAN75」 早川千絵監督 日本、フランス、フィリピン、カタール合作 ○

 少子高齢化が進んだ近未来の日本で75歳で自分の死を選ぶことができるという法案が国会で可決され制度として実行される社会を描きます。
 ミチ(倍賞千恵子)は78歳ですが同じ世代の仲間と働いています。しかし、ひとりが職場で倒れたことがきっかけとなり年齢を理由に解雇されます。収入の道が閉ざされ住む部屋もみつからず、他人事と思っていた「プラン75」のサポートスタッフ(河合優美)と話を始めます。話を聞いてくれることが嬉しく個人的に会う約束をします。一方市役所の担当者の岡部(磯村勇斗)はずっと音信不通だったおじがこの制度の申込みに来たことがきっかけとなり自分の仕事に疑問を感じるようになるのでした。

 ミチの慎ましく清らかな生活の様子を描く演出が巧みです。音信不通だったおじの仕事はあちこちの公共事業の建築現場で日本の土台を支える仕事をしていました。どちらも何の罪もなくそれでも死を選ばなければならない社会とは何なのでしょうか。
 高齢者の孤独や就労問題、外国人労働者の姿なども含め社会が抱える不平等を描きました。
 次回作は「プラン ひきこもり」とかかな。怖い!

 タバコはなし。無煙です。

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「君を想い、バスに乗る」

2022-07-28 | 2022映画評


「君を想い、バスに乗る」 ギリーズ・マッキノン監督 英 ○

 妻を亡くした90歳の高齢者が妻との約束を果たすためスコットランドの最北端の地からイギリス最南端のランズエンドを目指し無料パスで移動する姿を描いたロードムービーです。
 トム(ティモシー・スポール)は重い病気になった妻とある旅に出かけることを計画していました。ところが妻は突然亡くなってしまいトムひとりで妻の願いを叶えるための旅に出ます。途中さまざまな人々と出会い「バスで旅をしているおじいさん」としてネット上の有名人になっていたのでした。トムが旅に出た真の理由は一体何だったのでしょうか。

 最愛の妻が移動する場所によって姿を現し、観客は少しずつ二人の馴れ初めやなぜ最北端に住んでいたのかそして最南端まで出かけなければならないのかわかってきます。妻がいつも同じ色のコートを着ているのでイメージカラーとして大変わかりやすい演出です。また、変わった景色やいろいろなバスも目を楽しませてくれます。もちろん人々もいい人からちょっといやな奴まで「こういう人いるいる」って感じです。
 主役のティモシー・スポールは特殊メイク無しで30歳も年上の役を見事に演じました。バスの乗り降りの場面では思わず手を差し伸べたくなるような高齢者らしい動きでした。
 感動のラストは「おみおくりの作法」を彷彿とさせました。

 タバコは、なし。無煙です。

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「リコリス ピザ」

2022-07-27 | 2022映画評


「リコリス ピザ」 PG12 ポール トーマス アンダーソン監督 米 ☓☓

 1970年代のアメリカを舞台に卒業写真撮影会で知り合った年上の女性に恋をする青年の姿を描きました。
 ゲイリー(クーパー ホフマン)は子どもの頃から芸能界で仕事をしています。卒業写真撮影のため並んでいたときにスタッフとして出会ったアラナ(アラナ ハイム)に一目惚れします。アラナの方は自分が年上であり本気の付き合いにはなかなか発展しません。そんななかゲイリーは芸能界の仕事だけでなくサイドビジネスにウォーターベッドの販売を始めます。アラナは選挙のボランティアを始めます。二人の関係はどうなるのでしょうか。

 70年代のファッション、音楽、街の風景が忠実に再現されています。(たぶん)また、さまざまな境遇、人種、価値観の人々が登場し、多様性ということばがこの頃から使われるようになったのではないかと思われます。(たぶん)
 なお、タイトルは当時舞台になっている地域にあったレコード店の名前だそうです。時代を象徴するお店だったのでしょう。(たぶん)リコリスのもともとの意味は独特な味がする植物ですが「変な味だけどやみつきになる」そうで二人の関係に似てますね。
 ちなみに主役の二人は新人ですが、ゲイリー役のちょっとぽっちゃり系の青年は若いのに貫禄があるなあと思っていたらあの名優の息子さんだそうです。

 タバコは、ゲイリーの芸能界の親が子役の前で平気で喫煙したり70年代らしいタバコの扱いでした。ここまで忠実に再現しなくてもいいのでは。

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「キャメラを止めるな!」

2022-07-26 | 2022映画評


「キャメラを止めるな!」 ミシェル アザナビシウス監督 仏 ☓

 2017年日本で大ヒットした「カメラを止めるな!」をフランスでリメイクしました。
 30分のゾンビ映画をワンカットで撮影する、という日本映画をリメイクすることになったレミー(ロマン デュラス)ですが、出演者は問題ありの役者ばかりで飲んだくれだったり、あれこれわがままを言ったり、その上主役二人が撮影当日交通事故にあってしまいます。たまたま見学に来ていた元女優で監督の妻(ベレニス ベジェ)と娘が夫を助けようと奮闘します。当初バラバラだった当事者たちが問題を解決していく中で一致団結しラストを迎えます。

 ほぼ、日本版と変わらず、観客は先がすっかり読めているので最初から笑えます。なので、日本版の退屈な20分と後半のギャップが少ないのがちょっと残念です。リメイクの宿命ですね。2本とも出演の竹原芳子さんは今作でも怪演していました。ワールドワイドな活躍が期待できますね。
 なお、エンドロール後にワンシーンあります。最後まで席を立たないでね。

 タバコは、日本版では「タバコを吸おうとする」ところでカットだったのですが、今作では2回ほど加熱式タバコを吸っていました。こちらもちょっと残念です。


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「ザ・ロストシティ」

2022-07-10 | 2022映画評


「ザ・ロストシティ」 アダム ニー、アーロン ニー監督 米 △NTS

 冒険小説家が本当に宝の在処を知っていると勘違いされ孤島に誘拐されてしまう冒険アドベンチャー作品です。小説家のロレッタ(サンドラ ブロック)は新作の冒険恋愛小説の宣伝ツアーに駆り出されいやいや派手な服で作品の主人公を演ずるアラン(チャニング テイタム)とともにトークショーをしていましたが大金持ちのフェアファクス(ダニエル ラドクリフ)に誘拐されてしまいます。フェアファクスは秘宝を探すため孤島で発掘調査を大々的に行っていたのですがなかなかみつからずロレッタに謎の解明をさせようとしていました。アランとロレッタの編集担当者はそれぞれ伝手を探し孤島へ向かうのでした。

 アドベンチャーとラブコメがコラボした作品です。金持ちの道楽で秘宝探しがあるおかげでさまざまな歴史的遺物が発見されているのでしょうが、古くから歌い継がれている歌詞の中にそのヒントがあるというオチが「文字よりも口承」ということで納得です。

 タバコは、孤島近くの現地の人々がタバコを持っている場面はありましたが主要な登場人物は喫煙していないので△です。


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「マーベラス」

2022-07-09 | 2022映画評


「マーベラス」 R15+ マーティン キャンベル監督 米英合作 ☓☓

 ターゲットは外さない殺し屋アンナ(マギー Q)とムーディ(サミュエル L ジャクソン)の師弟コンビですがある時ムーディが殺されてしまいます。復讐に乗り出すアンナの前に復讐相手の護衛レンブラント(マイケル キートン)が現れます。果たして復讐はできるのでしょうか。

殺し屋と護衛のプロ対決のドンパチが見どころです。対決相手と「殺るかヤルか?」とちょっとベッドで仲良くするという展開もあまり見ないですね。大人のドンパチというところでしょうか。
アンナの勝負どころで纏うドレスが素敵でした。
また、ちょっとした会話の中に文学的な知性が感じられました。

タバコは、高級そうな葉巻が小道具に使われていました。


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「ベイビーブローカー」

2022-07-08 | 2022映画評


「ベイビーブローカー」 是枝裕和監督 韓国 ○

 「万引き家族」の是枝監督が韓国で制作し、ソン ガンホが第75回カンヌ国際映画祭で「主演男優賞」獲得した作品です。
 クリーニング店をほそぼそと営むサンヒョン(ソン ガンホ)は借金取りに追われています。赤ちゃんポストがある施設で働くドンス(カン ドンウォン)と組んで赤ちゃんを売るブローカーをしています。ドンスが宿直の大雨の夜一人の赤ちゃんがポストに入れられました。早速ふたりはその子を売りに出すことにしますが、翌日母親(イ ジウン)が施設を訪れ赤ちゃんがいないことに気づき二人の企みを知り買い手探しの旅に強引に同行するのでした。一方警察官(ペ ドゥナ、イ ジュヨン)が二人を現行犯逮捕するため追いかけるのですが・・・。

 オンボロ車で旅をするうちに赤ちゃんを中心になんとなく家族のようになりその上小さな男の子が加わり何故かチームのようになっていく気持ちの変化を名優たちが競演しています。立場は違いながらも彼等を追う刑事たちの思いも変わっていくのがこの作品の見所です。小さな表情や会話の変化を楽しむには三倍速では無理ですね。
 韓国と日本の映画人が協力して一つの作品を完成させる行為そのこと自体にも拍手です。
 それにしても男の子は1000万ウォン、女の子は800万ウォンが相場ってひどいですよね。

 タバコは、なし。無煙です。


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「神は見返りを求める」

2022-07-08 | 2022映画評


「神は見返りを求める」 吉田恵輔監督 ☓

 合コンで出会った年上の男と自称ユーチューバーの若い女性との出会いと別れを壮絶に描きます。
 イベント会社に務める田母神(ムロツヨシ)は合コンで酔いつぶれていたゆり(岸井ゆきの)を介抱したことをきっかけに彼女の動画作りを手伝うようになります。目立った数字は得られないものの二人は作品作りにアイディアを出し合って楽しく過ごしていました。ところが、ある人物らの出現でゆりの作品は一気にヴァージョンアップし再生回数も日毎に増えるようになります。そして田母神は用無しになりゆりの態度に逆上した挙げ句リベンジ映像を繰り返し流すのでした。
 
ゆりの豹変ぶりとそれに負けない田母神の落ちてゆく姿が見ていて「痛い!」作品です。人間の脆さを見せつけられ救いがないのが「辛い!」
映画の世界もそうみたいですが、何をしても女は男に利用されているみたいでお金出してひどい世界を見せられるのってなんだか損した感じです。
そのせいか平日たった1回の上映なのに観客はたった3人。やっぱり「観客は救いを求める」ですよ。

タバコは、田母神の同僚役の若葉竜也が度々加熱式タバコを吸っていました。両方で悪口を言っている嫌な奴の役だったのであまり宣伝効果はなさそうですが。


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