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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

影踏み

2020-03-25 | 2020映画評


「影踏み」 篠原哲雄監督 ☓PPピース

 横山秀夫原作のサスペンス小説を篠原監督と主演の山崎まさよしが23年ぶりにタッグを組んで映画化しました。
 ノビ師(住民が眠っている時に侵入し窃盗をするドロボーのこと)の真壁修一(山崎)は侵入した住宅で放火を未遂に防いだおかげでなぜか張り込んでいた吉川刑事(竹原ピストル)によって逮捕されてしまいます。その後、住宅と放火しようとしていた葉子(中村ゆり)と吉川そして出所した真壁はある事件に巻き込まれ、真壁の過去の大きな事件があぶり出されてくるのでした。

 高校生の頃の修一(北村匠海)と双子の弟啓二(北村匠海)、そしてふたりの仲良し久子(藤野涼子、大人の久子は尾野真千子)との高校時代の大きな事件と現在進行中の事件が交互に描かれます。その上、双子なので北村が二役(三役?)しているため、そして竹原演じる刑事が真壁の同級生な上、刑事と啓二が同じ発音なため前半は物語を追うのにちょっと混乱しますが、後半になると落ち着いてきます。教訓としては「警察物の登場人物に『けいじ』という名は使わないほうがいい」ということです。
 警察と犯罪者が結構仲良しという設定は現実的で面白かったですが、ちょっと挿入される効果音楽が大げさだったかな。

 タバコは、刑事の竹原ピストルが喫煙所で喫煙しますが、セリフに部下に向かって「ピース買ってこい!」があり潜入広告現行犯でした。タバコを吸っていると名曲の「ファイト!(中島みゆき作詞作曲)」が歌えなくなりますよ。
 山崎が喫煙しなかったのはよかったです。歌えなくなるからね。
 


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宮本から君へ

2020-03-19 | 2020映画評


「宮本から君へ」 R15+ 真利子哲也監督 ☓☓☓

 新井英樹原作のコミックを実写映画化しました。
 営業マンの宮本(池松壮亮)は職場の先輩(柄本時生)の紹介で知り合った靖子(蒼井優)に恋をします。彼女の部屋にいるときにやってきた靖子の元カレ裕二(井浦新)が靖子に暴力を奮ったことがきっかけとなり「俺は君を全力で守る」と宣言します。ところが仕事の関係でラガーマンの一ノ瀬(ピエール瀧)と知り合ったおかげで靖子と宮本は恐ろしい出来事に巻き込まれてしまうのでした。

 ジェンダー的には大変不愉快な作品です。キネマ旬報の評価は高い(ベストテン第3位、池松主演男優賞)のですが、「絶叫すれば迫真の演技か?」「裸になれば体を張った演技か?」と大いに疑問を感じます。
 また、ピエール瀧が出演していたことで審査員に同情票が入ったとすればこれはこれでまた別の大きな問題です。
暴力を暴力で裁くなら裕二もきちんと暴力で裁かないとおかしいのでは?裕二のような暴力が社会では見過ごされているのではないでしょうか。そのことが結局は戦争という究極の暴力もいつのまにか肯定させられているのです。怖い、怖い。
良かったのは、靖子のキッチンにあった豆苗が妙に説得力(何の?)がありました。
監督には、コミックだけでなく、ぜひ田嶋陽子先生の著書「愛という名の支配」を熟読してから次回作を撮って欲しいです。映画化しても面白いかも・・・。
 
タバコも大問題で、様々な場面でピエール瀧、佐藤二朗、井浦新が喫煙します。(☓☓☓)タバコは薬物依存のゲートウェイです。


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私のちいさなお葬式

2020-03-16 | 2020映画評


「私のちいさなお葬式」 ウラジーミル コット監督 ロシア ☓

 突然余命宣告を受けた元教師の女性が息子に迷惑をかけたくないと奮闘するお話です。
 エレーナ(マリーナ ネヨーロフ)は田舎の学校の教師として働きながら一人息子を育て今は友だちにも恵まれ慎ましくも豊かな年金ぐらしをしていました。ある時医師から「心臓がいつ止まってもおかしくない。」といわれ、町で忙しく働く息子に頼ることなく教え子たちの協力を得てお葬式の段取りを立てるのですが・・・。

 ロシア語バージョンの「恋のバカンス」が効果的で日本人の観客もエレーナとともにその時代を思い起こさせます。
 前半はエレーナのお葬式計画を中心にしたコメディタッチですが、息子が登場するあたりから息子が主人公のドラマに変わります。
 冒頭から登場する魚のコイがいい演技(?)を見せてくれます。

 タバコは、人間性を取り戻した息子が隠しておいたタバコを吸う場面がありましたが、ロシアのタバコ事情も日本に似たりよったりですね。(☓)


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仮面病棟

2020-03-15 | 2020映画評


「仮面病棟」 木村ひさし監督 ☓ PPライター

 現役の医師で作家の知念実希人原作のサスペンス小説を実写映画化しました。
 先輩医師に頼まれて一晩だけ当直医師として勤務した速水(坂口健太郎)ですが、何も起きないはずだったのになんとピエロの仮面をかぶった男に病院を占拠されてしまいます。その上、ピエロ男は銃で撃たれて怪我をしている女子大生瞳(永野芽郁)を盾にしていたのです。なんとか脱出しようとする速水ですが監禁されている看護師(江口のりこ)や突然現れた院長(高嶋政伸)たちの行動もどこか釈然としないものがありました。はたして無事脱出できるのでしょうか。

 経済的な問題や社会的立場のちがいで受けられる医療が変わってしまうという医療に対する問題を提起しています。その点は評価できますが、最終的に殺人を犯してしまうというのはいかがなものでしょうか。当事者にとってはもっと厳しい処罰で反省を促さないと社会は何も変わらないのではないでしょうか。
 そう考えるとラストにはちょっと救いがありますね。

 タバコは、冒頭でいきなり医者のくせに速水役の坂口が喫煙します。(☓)後にライターを使う場面がありその伏線なのですが明らかにライターの宣伝をしていました。いずれにせよニコチン依存症の医師はお断りしたいです。


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風の電話

2020-03-14 | 2020映画評


「風の電話」 諏訪敦彦(すわ のぶひろ)監督 ○ ☆

 東日本大震災で家族を失った少女が大槌町にある「風の電話」にたどり着き話をすることで再生する物語です。
 ハル(モトーラ世理奈)は8年前に津波で家族を亡くし今は広島で叔母(渡辺真起子)と生活していました。ところが、その叔母が倒れたことで、生きる希望を失います。そんなハルを救ってくれたのは豪雨災害のあと妻子と別れ老母と暮らす男(三浦友和)でした。その後大槌に向けてヒッチハイクをする旅の途中、不良男に囲まれたハルを救ってくれた森尾(西島秀俊)らのおかげで大槌にたどり着くのでした。
 
登場人物が家族を自死で失った人、豪雨災害の被害者、原爆被害者、シングルマザー、原発作業員、クルド人一家などさまざまな人々が描かれます。
今の日本が抱える問題をさりげなく「見える化」しました。(☆)
前半は反応の鈍い主人公に戸惑いますが心の痛手の大きさを表現していることが後半でわかります。

 タバコは、なし。無煙です。(○)

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架空OL日記

2020-03-12 | 2020映画評


「架空OL日記」 住田崇監督 ○ ☆

 お笑い芸人のバカリズムがOLになったつもりで綴ったブログが好評でこの度映画版となりました。主演も本人が演じています。
 「私」(バカリズム)は月曜の朝、眠気を振り切って起床し、あれこれ済ませ出勤します。職場の最寄り駅で同僚(夏帆)と合流とりとめのないおしゃべりをしながらロッカーへ、そこでは女子たちの気にはなるけど結果としてはどうでもいいような会話が続くのでした。
 
5人の上司への辛辣な評価やニックネームの付け方が的を射ていてお見事です。思わず笑ってしまいます。「私」の心の声が「OLあるある」で世間のOLの代弁者となっています。
 特に韓国人研修生(シム ウンギョン)のロッカーの扉の開け方から日韓関係まで憂う展開が素晴らしいです。
 芸達者な俳優はたくさんいるものだと関心しました。
 ラストがスマートに決まっています。

 タバコは、なし。無煙です。

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犬鳴村

2020-03-09 | 2020映画評


「犬鳴村」 PG12 清水崇監督 ○ 東映

 実在する心霊スポットをモデルにJホラーの名手清水監督がオリジナル作品に仕上げました。
 精神科医森田奏(三吉彩花)の周囲で奇妙な行動を取る人や突然死んでしまう人が現れます。子どもの頃から霊に敏感だった奏はふと気がつくと誰かがいた気配がするのでした。犬鳴トンネル付近になにか理由があるのではないかと探りに行くのでした。

 前半はわけがわからず怖いのですが、ゾンビが出始めると「なあんだゾンビ映画か」とちょっとリラックスできます。そして実は悪役が電力会社だったのかとわかると社会派映画に早変わりします。東電に切り捨てられている原発事故の被害者たちが思い浮かびました。日本国憲法はすべての国民を守って欲しいものです。

 タバコは、なし。無煙です。

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マリッジ・ストーリー

2020-03-04 | 2020映画評


「マリッジ・ストーリー」 ノア バームバック監督 米 △

 Netflixオリジナル作品です。結婚生活がうまく行かなくなった夫婦が子どもを挟んで円満離婚を模索するドラマです。
 女優のニコール(スカーレット ヨハンソン)は夫の舞台監督のチャーリー(アダム ドライバー)との結婚生活に疑問を感じるようになり離婚を考えていますが、ニコールの母や姉はチャーリーのファンで離婚そのものにも賛成しかねています。それでもなんとか円満に離婚しようと敏腕弁護士ノラ(ローラ ダーン アカデミー賞助演女優賞)に依頼します。ニコールは息子とロスで暮らしチャーリーはニューヨークで仕事をしているため息子に会えるのは週末だけ、ノラはそこを厳しく追求してくるのでした。話し合ううちにお互いの積もりに積もった思いがさらけだしてくるのでした。たった2秒で恋に落ちたという過去があるのに・・・。

 マシンガントークをぶつけ合うセリフ劇で、これほどすれ違う前に軌道修正をお互いにしていければよかったのにとも思います。間に入った子どもは振り回されて気の毒でした。

 タバコは、ラストでチャーリーがひとりカフェの外で寂しく喫煙していましたが、煙は映らず手に持って口に運んだだけでした。でもそれまで一度も喫煙していなかったのに寂しいから喫煙するって日本映画みたいです。(△)
 また、離婚の調停員の質問に「アルコールは?ドラッグは?」とチェックするのにタバコは質問せず、吸うわけがないということなのでしょうか、それともドラッグのひとつなのでしょうか?


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野性の呼び声

2020-03-01 | 2020映画評


「野性の呼び声」 クリス サンダース監督  米 ○ ディズニー

 アメリカのジャック ロンドンが1903年に書いた冒険小説をハリソン フォード主演でえがきました。
 アラスカで金が発見され一攫千金を狙う人々が繰り出していた時代、息子を亡くし人生を見失っていた主人公ジョン(ハリソン フォード)は大型で力強い犬ぞりのリーダー・ベックと出会い相棒としてユーコン川の奥へと向かうのでした。

 予告編でベックの動きや表情が魅力的で、その上ユーコン川の景色も美しく楽しみにしていましたが、犬ぞりチームの動きがあまりにも統制が取れすぎていて不自然で、「もしかしてアニメ?」と思ったらなんとなく森林オオカミたちの動きもわざとらしく見え、興味が半減してしまいました。メスの白いオオカミがベックに媚びている姿が妙に人間的でそれもちょっと興ざめです。
 予告編のイメージとは後味が違う作品でした。

 タバコは、なし。無煙です。荒くれ男たちがたむろするバーなどの場面もありましたが、無煙でした。(○)

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